「オオカミ少年の物語」を思い出させるのが、忘れた頃にやってくる、アメリカ政府のデフォルト問題である。
19日、イエレン財務長官が、政府債務が「目一杯になった」と発表して、まずは軍人年金などの支払い停止を決めた。
ウクライナ支援どころではなくなったのだ。
わが国の「政府財政」とちがって、アメリカは議会制民主主義の国だから、行政府が勝手に財政拡大策を実施することは、法的にできない、という、これまた、わが国とはちがって「法治国家」なのである。
そんなはずはない、わが国こそが戦後になってからの民主主義の実践における、世界に誇る議会制民主主義国で、ずっとむかしから法治国家だった、といいたいひとたちがたくさんいるのは承知している。
残念ながら、それはみな、戦後のプロパガンダによる、刷りこみ、つまりは、一方的に思いこまされているだけのことである。
いわゆる、情報鎖国に国民を置くことで、世界のことを「しっているつもり」にした、イリュージョン世界に住まわされている。
そのために、国民には「必修」といいながら、ぜったいに修得できないように設計したのが、「英語」という科目であった。
おそろしく意味のないことに時間をかけて、ぜったいに英語を理解させない努力が功を奏したし、たまたま、できるひとを特別扱いにして、できない大多数と切り離すのである。
さらに、自国の歴史も教えないことで、外国の歴史も理解できないようにした。
だから、通訳レベルの話者が、しれっと外国情報の窓口として「解説」するから、受け手の国民はどんな薄っぺらさでも満足できたのである。
この意味で、ぜんぶがぜんぶを肯定できない当たり前を横に置いても、戦前の高等教育におけるレベルは現代の比ではなく、ゆえに、対象人数も少なくて済んだ。
この最後にあたるひとたちが世を去ったのが、だいたい昭和の終わり頃だったために、その後の世代になってからの衰退は、そのまま「所期の計画どおり」となっている。
なので、この期に及んでなお、戦後教育を強化する方針のままでいることは、すなわち、亡国を目指すという、やっぱり「所期の目的達成」に向けて邁進している健気さに、アメリカ民主党幹部は満足におもっているはずである。
アメリカ合衆国は、政府債務に議会が上限を「法」として定めるものだから、これを超えることが、行政府(大統領が管轄)にはできない仕組みになっている。
まず、わが国の国会と政府の双方にない概念だけど、どうせ自民党が国会で過半数を維持しているから、いまさらにどうでもいいことではある。
アメリカでは、予算決定権限が下院ほどない上院(100議席)も、下院を通過した予算案の承認には60票の賛成票がいる。
なので、民主党の大統領(行政府の長)にあって、下院を野党の共和党に奪われたことは、政府債務の上限変更に反対される危険が高まっているし、上院の有利も、60票となると厳しいのである。
さらに、年初からどうしたことか潮目が変わってきて、バイデン政権に見切りをつけたのが民主党の方にみえるから、過去にこれまで何度もあったこの件で、与野党が最後に妥協するはずの楽観論が、妙な緊張に包まれている。
すると、民主党はどういうシナリオを2年前の大統領選挙時から描いていたのか?ということになる。
党内予備選で優勢だった、党員でないバーニー・サンダース上院議員を強引に「選挙から辞退」させて、あれよという間に他の候補より劣勢だったバイデン氏を党代表候補者に選んだのだ。
この点で、民主党は、党内選挙でも不正をかます。
不肖の息子、ハンター氏のパソコン問題が発覚したのも、大統領選挙投票日直前のことで、これを一部の新聞がすっぱ抜いても、メインストリームやSNSは、一斉に「検閲」して、徹底的に隠す努力をした。
しかし、もう限界を超えて、バイデン一家の大スキャンダルが、前代未聞の「国家反逆罪」の適用になりかねない様相になってきたのである。
この罪状は戦後日本の法体系では、「刑法81条外患誘致罪」しかないけど、刑罰は死刑のみだ。
なので一概に比較できない。
アメリカにおいて「国家反逆罪」の管轄は、刑法犯としてではなく「軍事法廷(いわゆる「軍法会議」)」にあって、連邦最高裁判所までの体系ではないし、検察官も弁護士も、当然に裁判官も、ぜんぶが軍の法務職が担当する。
歴史・伝統的に、どこまでもあくどいのが、民主党の支配者たちだ。
アメリカの政党には、「党首」がいない特徴がある。
民主、共和、の両党共に、「幹部たち」が治めている。
それで、いまの民主党の大幹部は、オバマ家であり、クリントン家だ。
このひとたちは、大統領職にあって、個人資産を増大させたから、いまの共和党の下院は「捜査」すると明言している。
つまるところ、バイデン一家を巨大な「国家反逆罪」の生け贄にして、逃げ切ろうという「動機」は十分にあるとみてよい。
ついでに国家財政まで破綻させた、という罪もきせれば、完璧なのである。
しかしながら、それがどんな厄災を世界にもたらして、まさかの「ドル暴落」ともなれば、連鎖倒産ならぬ、「世界連鎖デフォルト」になりかねない。
オバマやクリントン家は、それでも逃げ切りのために仕掛けるのか?
とくに、アメリカ国債をたんまり購入しているわが国(1兆2300億ドル)や中国(9700億ドル)も、まさかの紙クズになったなら、なかよく地獄行きである。
ただし、中国はすでにあからさまな「売り」をはじめているけど、どこまでも「ポチ(じつは「家畜」)」の日本は、まさか追加で無理やり購入させられる?
それがまたダボス会議が、「世界恐慌」をやるのだといっているから正直なのだ。
なるほど、自民党政権が忠実なのは、アメリカではなく「こっち」だった。
それはもう『すばらしい新世界』そのもののはじまりとなる。
いまのうちに、読んでおくべし。
なお、作者のオルダス・ハクスリー氏にインタビューした、「ABC」の貴重な動画が、ユーチューブに「Eden Media」さんが日本語字幕付きであげてくれている。
タイトルは、『全体主義への予言 』で、放送は1958年、約25分にわたってその「慧眼」があますことなく語られている。
インタビューアーは、2020年に、トランプ・バイデンのテレビ討論会の司会をやった、クリス・ウォラス氏(フォックス・ニュース司会者)の父、マイク・ウォラス氏である。
ときのABCの、いまでは懐かしいほどの、「まともさ」が目立つけど、まさか司会者も38年後の1996年に、ディズニーに買収されて、極左メディアに変貌するとは、想像もつかなかったことだろうし、ハクスリー氏が語ったことが、見事に的中していることも「まさか」の敏感すぎる大袈裟であったにちがいない。
世界経済フォーラムは、この『すばらしい新世界』を、最終モデルにしているのではないか?とわかるし、読後に、「そんなに悪くない世界」という、驚きの感想を動画でいうひとまでいる驚きがある。