アメリカ連邦下院議長の、ケビン・マッカーシー氏が25日、FOXニュースのインタビューにこたえ、「バイデン大統領の弾劾手続きを開始する」と、はじめて「弾劾」についての言及をし、さらに翌朝の番組でも同様の発言をしたので、「いよいよ」となってきた。
下院共和党からは、これまで何回もまた何人かの議員からも、弾劾決議提案がなされ、とくに先月末には「強行採決」までやるかといわれていたが、見方によれば「腰砕け」になっていた。
民主党が下院を制していたときのトランプ氏の弾劾では、でっち上げから偽証から、なにがなんでも弾劾するという強引さがあったけど、下院共和党は、慎重に証拠集めをやっている。
また、弾劾裁判を通じて、さらなる証拠を集める作業も同時に行うことが目的でもあると語り、その徹底ぶりはスピード感はなくとも確実性がある。
一口に「連邦下院が」といっても、弾劾捜査にあたっているのは、3つもの委員会だ。
・司法委員会
・歳入委員会
・政府監督委員会
日本の国会(衆議院)でいうなら、それぞれ法務委員会、予算委員会はあるけれど、政府監督委員会に対応する委員会はない。
もちろん日本の法務委員会にしろ、予算委員会にしろ、調査力とそれに伴う議論の質がちがうのは、議会事務局と議員スタッフの数と質がちがうからだし、アメリカの場合は政府官僚が議会で語るのは、「証人(宣誓証言)」としての立場だけになるちがいもある。
なお、証言者を選ぶとき、まずは「打診」をするけれど、これに応じなければ、「召喚状」を発付して、強制的に議会証言させることになっている。
もしも、召喚状を無視したら、「議会侮辱罪」という「罪」になるし、嘘を話せば「偽証罪」となる。
このあたりも、わが国の国会は曖昧なのである。
まったく、GHQはどんな設計をしたのか?と疑うが、GHQのやりたい放題ができる設計が、その後、与党・自民党に都合のいい「遺産」となったのである。
なので、自民党は、これを変える気はぜんぜんない当然がある。
つまるところ、「改革」をどんなにやっても国民生活が悪化するのは、自民党のための改革だからである。
それを、国民のためといって欺しているだけだ。
アメリカの制度をそのまま日本にあてはめればうまくいく、といった単純思考をいいたくはないが、日本の政治制度は「ひどすぎないか?」とはいいたい。
そのアメリカだって、民主党の邪悪が支配したら、あっという間に壊れるのである。
残念ながら、人為による制度も、ガラスのようなものなので、いったん壊れるともとには戻らない。
残骸の掃除をしてからでないと、つくり治しはできないのである。
この掃除をする役目をやると最初からいっていたのが、トランプ氏なのであった。
バイデン民主党がやった、とっちらかしは、多方面にわたる破壊活動だったので、掃除だけでもたいへんな作業で、対象には汚れた官僚も含まれるのは当然だ。
それで、汚れた官僚たちがトランプ氏の抹殺を試みるのは、「サバイバル」になったからである。
大統領弾劾は、共和制国家の最大イベントでもあるから、共和党(トランプ派)からしたら、絶好の宣伝機会だ。
とにもかくにも、バイデンはありえない犯罪一家だと全米に知られることになる。
26日、バイデン犯罪一家の裁きの突破口になるか?と期待された、息子ハンター氏の裁判で、ハンター側が要求していた司法取引が、みごとにポシャったので、芋づる式になりえる期待が高まっている。
なんと、上であげた連邦下院「歳入委員会」から裁判所に、本件についての正当な捜査と起訴がされていないことを指摘し、議会での宣誓証言記録を提出していたのである。
ここで、連邦議会がでてくるとは!
じつは、もっとひどい犯罪者(もしや「脳」がイカれている?)が、ヒラリー・クリントンやらオバマだけど、どこまで追及できるのかは、共和党のサジ加減になった。
もっとも、連邦下院でできるのは、「起訴」までで、裁判自体は連邦上院のお役目だ。
100人の上院議員の内、 弾劾裁判では出席議員の3分の2以上が賛成すれば成立することになっている。
ふつうにかんがえたら、過半数に1人足りない上院共和党で、弾劾を成立させることは不可能と勘定できる。
しかし、こないだ下院公聴会であった「ねじれ」もあるのだ。
それは、民主党主流派が相手にしないと決めた、ロバート・ケネディ・Jrの証言に、予想通り民主党の議員が噛みついて、あろうことか人格まで攻めたてたのに対して、共和党トランプ派議員たちが擁護に徹したのである。
これで、民主党良識派と中間派(日本でいう「無党派層」)は、グッと共和党寄りになったのだった。
大統領選挙は、同時に、連邦下院の総選挙でもあるし、連邦上院の通常選挙(3分の1改選)でもあるから、あんがいと当落上にある上院議員も、ナーバスな状態になる。
だから、単純な計算は通じない。
これがまた、下院共和党の世論づくりの作戦なのだ。
主流メディアが、非協力的ふるまいをするのも織り込み済みだろう。
そんなわけだから、いちばん危険なのが、ウクライナからシフトした「日本有事」をつくられて、大統領選挙中止という奥の手をもっとも警戒しないといけないのである。
アメリカの話が飛び火して、日本が戦場になる、という「最悪」を想定した話である。