フローで観る日英の共通

先日書いた、イタリアとの比較の続きである。

「EU脱退:ブレグジット」のお仕置きとして、グローバル全体主義者の大富豪たち(金融資本家)から追い詰められているのが、今の英国だ。

何度も書くが、英国を支配しているのは、伝統ある議会でも、もちろん、「君臨すれども統治せず」の王室でも、政権与党でもなく、中央銀行たる「イングランド銀行」を支配してから、世界支配へと飛躍した、ロスチャイルド家とその閨閥である。

ブレグジットの実行犯となった、ボリス・ジョンソン氏は、とうとう国会議員も辞任して一般人になった。
ただ、彼は、国際刑事裁判所に提訴されて、その翌月に突如、「全コロナ規制の撤廃」を議会で宣言して逃げたかに見えたけど、そうではなかったらしい。
コロナ・ロックダウン中にパーティーをしていたスキャンダルは、表の理由にすぎない。

なんだか、首相公邸でパーティをしていた首相の息子のような与太話なのである。

いまごろになって、ボリス・ジョンソン内閣で保健相だった人物が議会証言して、当時の英国政府のコロナ対策は完全なる失敗だった、とぶちまけて、国民を唖然とさせている。
日本政府には、未来永劫、不可能なことだろうけど。

それから、保守党党首選挙で勝利した、トラス氏は、減税と財政出動を公約にして当選したのに、首相になって公約を早速実行に移したら、金融市場が突如動いて、トラス政権を葬ったのだった。
国際金融資本の広報紙ともなった、日本の経済新聞も、「財源なき減税と財政出動の無謀」と書いて、論点をすり替え、国際金融資本によるおカネの暴力を隠したのだった。

そんなわけで、なんと英国の首相に、インド系の人物が選出される歴史上の初めて(10月25日)が起きたが、エリザベスⅡ世女王はしらずに昇天(9月8日)した。

英国のインド支配を「保守」しようとするなら、保守党の首相にインド系の人物が就任するとは、「世も末」とみているのではないか?
じっさいに、スナク氏の経済運営はにっちもさっちもいかないで、25年まであるはずの次期総選挙まで、とにかく「繋ぐ」ということしかなくなっている。

ここまで英国が弱ったのは、自然エネルギー、とくに「風力発電」に依存したことが、ことごとく裏目にでたのである。

気がつけば、「風」が吹かなかった。

元はといえば、ドル箱だった北海油田の枯渇にあるという。
しかしじっさいは、例の二酸化炭素削減という、いまさらに気のふれた思想的傾倒による人為なのである。
地球によかれ(の嘘)、が、人間の生活には(ほんとうに)よくなかった。

しかし、もっとほんとうのことは、地球も何も関係なく、国際金融資本が儲かるだけが、地球環境保護運動の目的なのである。

英国の失敗を無視して、わが国でも1兆円を洋上風力発電建設につかうことが決まったのも、単なる環境破壊だけど、中東産油国が石油をアメリカのポチであるわが国に従来通り売ってくれない可能性の「保険」にもならない愚策だ。

科学ではなく政治であるけど、単なる金儲けのための「詐欺の仕掛け」なのだ。

ここに、「騙すより騙される方が悪い」という、中世以来の格言が生きてくる。

なぜなら、ヨーロッパ中世とは、詐欺・略奪・冒険が富を生む社会で、誰もこれを道徳的に咎めなかった時代だからである。
つまり、21世紀の現代も、じつは中世社会のままなのである。

人間の道徳的成長がなくとも、科学と技術の進歩だけで産業革命を起こしたはずの英国で、その後、革命的な技術をもった産業が生まれなかったのはなぜか?

植民地からの富の収奪、という、帝国主義の成功が、自分で何かを作り出すことをやめたからである。
やめるだけでなく、寝て暮らそうとした。
これが、第一次大戦前からはじまる、「福祉国家建設」というトンチンカンだった。
そうやって、世にも不思議な、「英国病」に罹患したのである。

「揺り籠から墓場まで」

この国家依存が、保守党・労働党の、あろうことか、「善政競争」に転落したのは、国民がばらまかれる政府のカネを、もっともっとと乞食より貪欲に要求したからである。

「民主主義」の危険は、こうやって現れて、結局、自滅するのである。

マーク・トウェインは、『王子と乞食』を1881年(明治14年)に書いたが、ときの先進国筆頭の英国では、国民あげて乞食になったのだった。
この乞食国民の根性に根本から喝を入れたのが、70年代にやっと登場したマーガッレト・サッチャーだった。

いまでも彼女の政策を根深く恨むひとがいるのは、生き残った完全なる乞食民なのである。

しかして、いま、英国ではインフレ対策のために、高金利がやってきて、年収の半分以上が住宅ローンの返済負担となった。
英国債の金利は、6%になっているけど、もっと上がると予想されて、短期国債と長期国債の金利が逆転して、短期の方が高金利になっている。

ちょうど国王が代わったことは、偶然でもなく、かつてチャールズ王太子(「皇太子」ではない)は、ロスチャイルドに上から目線を投げつけた「報復」でもあるのだ。
こうやって、いったんサッチャーによって目覚めた国民を、どんどん国家依存の乞食にさせている。

次期政権党になるはずの、労働党は、すでに「住宅ローン対策」なる、徳政令を発表し、国民はこれを歓迎していると国際金融資本の手先は報道している。

日本の「ただほど高いものはない」という格言すらしらない愚民化した英国民は、自らを『1984年』の生活へと追い込んでいるのである。
いまの情勢は、確かに保守党の凋落は疑いもないが、労働党はもっと酷い選択肢なのだ。

そんなわけで、英国民の悲劇は、確実に次に日本にやってくる。
それを自公は忠実に実行するだろうし、労働党にあたる自公に代わる政党が存在しないのも、もはや不幸ともいえないのは、英国民の選択肢がない事実とそっくりだからである。

わたしが「参政党」に期待するのは、消去法も何も、この政党「しか」ないという意味の、一択だからなのである。

この意味で、英国に参政党は輸出可能なのだ。
その前に、バイデン政権がいつどうやって終わるのか?が、今後の世界を決める。

アメリカも英国同様に、長・短国債金利が逆転していて、あと1年ほどで不況になると予想されているから、大統領選挙の真っ最中にあたる。

いまや、世界は、反バイデンの国が地球人口の半分をとうに超えて、親バイデンの国がわずか数カ国となっている。
日本が、まさかの少数派にいるのは、第二次大戦の三国同盟的な状態だともしっていていい。

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