反グローバリズムを標榜し、国際情報系ユーチューバーとして知名度があった、及川幸久氏のユーチューブが、11月29日に、番組ごとそっくりプラットホーム提供企業によってバン(消去)された。
過去の投稿や、第二チャンネルなども全部がこの世から消えてなくなって、「なかったこと」になったのである。
延べ何時間になるのかしらないが、相当量のデータが、本人やこの視聴者が別途データ保存していないかぎり、消滅した。
なので、ネット界隈でのざわめきはそれなりの衝撃となった。
これより以前には、衆議院議員の原口一博元総務大臣も、おなじ憂き目にあっている。
しかしながら、原口氏は、いまもユーチューブでの配信をしているので、及川氏のように「永久追放」よりは、罪は軽いようになっている。
当事者の及川氏は、ちょうどロシアに向かっている最中だったらしく、自身のチャンネルが消滅したことをしったのは、ロシア到着後だったという。
いま、ロシアから経済制裁を喰らっているわが国は、もはやモスクワ行きの直行便(成田ーモスクワ直行なら八時間ほど)すらないために、ドバイ経由で片道十八時間かけて往復した。
それでもって、帰朝報告を原口一博氏の番組に登場して、日本では知りえないレベルで語ってくれているので、時間があれば観て損はない。
ウクライナ戦争が踏み絵となって、脳天気で欲にまみれた戦争屋たち(ネオコン)が想定もしなかった事態となったのは、世界がG7に従う時代の終わりとなったからだった。
いまや、G7は、経済力でも世界のマイナーに落ちこんだので、3分の2以上の国々が、アメリカに従わなくなっている。
そのアメリカでは、共和党トランプ派が頑張って、連邦下院司法委員会は、SNSプラットホーム企業たちによる言論統制のやり方を暴き出している。
司令塔は、バイデン政権の牙城、ホワイトハウスであった。
担当高官からの執拗な言論への介入要請に、最初に陥落したのがどうやら、ユーチューブだった。
つまり、Googleも保有する、アルファベット経営陣の判断だった、といえる。
これを突破口にして、ホワイトハウスは、さまざまなSNS企業に検閲をやらせることに成功した。
もちろん、アメリカ合衆国憲法は、言論の自由を掲げているから、かくなる行政の介入は、あからさまなる憲法違反である。
ゆえに、立法府の議会は、行政府の大統領府を徹底糾弾することになる。
大統領選挙の年の来年は、すさまじい攻防戦が予想されている。
これに、だれもが利用しているSNSをホワイトハウスが壊したというのは、もはやスキャンダルである。
そんな中、変な病気が流行りだしたのは、2020大統領選挙のときとスケジュールまで似ている。
民主党にとっての勝利の方程式は、郵送投票しかないので、またか?を醸成している。
さてそれで、人類初の啓典宗教であるゾロアスター教が、二元論(善と悪、明と暗)だった。
いまでも、「二択だけ」をいうのは、この二元論の影響が根深いからである。
「表と裏」もその一つであるけれど、賢明な人間は、「表裏一体」と認識している。
つまり、とあるものや出来事には、表裏一体の混沌という複雑がある、という意味だ。
なので、単純化は整理をするのに便利だが、真理かどうかはわからないのである。
むしろ、複雑さの丁寧で面倒な解明しか、真理に近づけないし、そうやって見つけたものがほんとうに真理なのか?は、じつはまた不明なものなのである。
ようは、真理には、微分のように近接することしかできないのではないか?
そうやって世間を眺めるのに、あえて二元論を利用すると、ヘーゲルがみつけた弁証法の便利さがまた光るのである。
テーゼ(表)があって、アンチテーゼ(裏)が攻めたて、あらたな地平たる、ジンテーゼが出現する。
バイデン民主党政権がテーゼなら、トランプ派がアンチテーゼで、ジンテーゼとはプーチンのロシアやもしれぬ。
すると、ホワイトハウスがトランプ派によって再びひっくり返れば、世界もひっくり返るのである。
その前段として、ユーチューブの元CEOが、85以上の世界の保健機関と(検閲の)協力をしていたとして、わが国では、内閣官房と一緒に「誤情報の取締り」をしていたと重大発言した。
もちろん、ここでいう「誤情報」とは、政府やらに都合の悪い情報を、「誤」と決めつけることだから、二元論的には、「正」という意味となる。
原口氏がこれを国会で質問するのかは不明だが、はいそうでしたとはいわないのが日本政府の答弁になるので、またそれも二元論的に読み込むことになるのだろう。
そうやってかんがえると、SNSによる検閲・言論統制とは、SNS企業がやることだけでなく、その実態が暴露されたら、SNS企業の致命傷にもなりかねない、もろ刃の剣なのだ。
すると、『妖怪人間ベム』のように、SNS企業になりたがっているNHKにとっては、いまよりもずっと邪悪だったとバレる日こそ、国民が人間になったときなのだろう。