見えない「神風」のラッキー?

台風だって見えないけれど、雲や雨・風は見えるし感じる。

もう10年以上前だが、搭乗した小松空港から羽田行きの飛行機が、名古屋あたりから太平洋に出て北上する旋回コースを辿ったとき、たまたま右窓側座席にいて、沖縄を襲いつつあるダブル・台風が、ふたつのエリンギのような形をしているのがハッキリ見えた。

なるほど、衛星画像だと真上からの平らな雲の姿だが、真横からだとこうなっているのかと感心した。

むかしのひとでも、見通しがいい山の上からなら、こんなふうに見えたのではないか?
それが、三重県志摩市波切(なきり:大王崎灯台がある)の「わらじ祭り」になっている。

太平洋の黒潮に乗って、九州から高知、志摩、銚子、仙台あたりまで、志摩でいう「波切音頭」が点々と各漁村の郷土民謡になっているのは、「海」で結ばれた人間行動のつながりが見えてくるものとして興味深い。

「人」の字は、「金八先生」を持ちだすまでもなく、「支え合う」という象形文字からできている。
古今東西、人間とはそういう動物なのである。

だから、組織化して活動をするのが、習性だ。
それで、似た習性の犬と万年単位でつき合っている。

組織を動かすのは、「リーダー」と呼ばれる人間で、組織はこのリーダーの才覚の大きさによって命運が決まる。
才覚あるリーダーのもとなら、生きのびる可能性が高まって、そうでないと「自然淘汰」されてしまう可能性が高くなるから、リーダー選びは生存をかけた真剣だったろう。

なかなか淘汰された側の記憶は残らないが、そのうちに「歴史家」が現れて、どのように淘汰されたのか?が後世に伝わることとなった。
そうやって、歴代の歴史家たちが歴史研究を進化させて、生きのびる法則と淘汰される法則を見出してきた。

ところが、人間の性(さが)は、単純ではないから、わざわざ淘汰される法則をもとに行動するひとたちが出るものだ。
このひとたちの特徴に、「自分たちは特別なのだ」という、根拠のない自信があるのは、握った「権力」の大きさに比例する。

それで、歴史家は、「権力は腐敗する。絶対権力は絶対に腐敗する」(ジョン=アクトン卿の言葉)という法則を、警告として発したものだが、絶対権力者は絶対に自身が特別なのだという信念を曲げないし、曲げた途端に、権力の座から引きずりおろされることを知っている。

それは、古今東西、「死」を意味するのである。

だから、権力者は死に物狂いで、自分の権力を守ろうと努力し、対抗して引きずりおろしたい面々は、虎視眈々とチャンスを狙う(陰謀をめぐらす)のである。

すると、たいがいの権力者の神経はすり減って、他人からしたら失敗を繰り返すようになるのは、「疑心暗鬼」の賜なのである。
最後はかならず、自分自身しか信じるものがいなくなって、とうとう自分でさえも何者なのか?が分からなくなるのである。

発狂寸前か精神崩壊、これが権力に溺れた者たちの末路だと相場がきまっている。

そんな権力者をトップにした組織では、もっと巨大な圧力に勝手に成長するのは、「こっくりさん」とおなじ力学の仕組みなのである。

ましてや、淘汰される法則に権力者が乗っている組織なら、「邪悪さ」が支配する。

たとえば、活動費やその予算が足りないことに「邪悪さ」ゆえに我慢ができず、裏金やらの手当に余念がなくなって、組織目標がいつのまにかに、その余年がない方にシフトする。
アメリカなら、情報部門が多数になって、いまでは18もの機関が、「国家情報機構」となっている。

それで、国家情報長官という役職ができて、これらをコントロールすることになってはいるが、読者ならその座に就いたら自分ならどうするかを想像すればわかるように、なにがなんだかわからない、ということになるのは、火を見るより明らかだ。

その中のたった一つの組織の、CIAだけでも、傘下に1000以上の投資企業を持っていて、独自に活動資金を稼いでいるのである。
これは、あたかも、「ナチス親衛隊」とおなじ構造になっている。

わが国の場合なら、道路公団ひとつでもこうだったし、民間の話題ならBIGMOTORが旬になった。
結局、内情の詳細はわからないままになっているから、他国をバカにして嗤えないのである。

それでもって。わが国に見えないラッキー?なのは、人民解放軍の腐敗度合いが、どうやらこうやら修正不可能なレベルまでいっている可能性が出てきたことだ。
もちろん、この「軍隊」は、ナチス親衛隊とおなじで、国家の軍ではなく、「党」の組織なので、この軍の腐敗とは、自動的に党の腐敗を意味する。

これはなにも特別なことではなくて、30年以上前まで存在していた、「ソ連共産党」の事例をみても、共産党(全体主義)の共通としていえる、構造的な欠陥に基づく腐敗だ。

すなわち、邪悪な設立目的による、淘汰される法則が最初から内包された組織なので、そのトップからなにからが、ぜんぶ腐るようになっている。

掃き溜めに鶴は、存在しない。

「鶴=異質=反乱分子」だと認定されたら、よってたかって首を絞められるからである。

この組織の崩壊を、じっさいに経験しているプーチン氏に見えているからこその、脱中華を謳った、露朝会談だったとしか考えられない。

すると、こんどは、数万から何十万、何百万人だかわからない、「ボートピープル」が、わが国を襲うことになるだろう。

そのとき、ほんものの「神風」が吹くのだろうか?
さぁ?

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