駐日ロシア大使の離任

11日、ガルージン駐日大使が今月末という離任を前にした記者会見をおこなった。

相変わらずわが国のマスコミは、「嘘は許さない」などと、米欧42カ国・地域が非難したことを書いた。
大使は、「ロシアは国際社会で孤立していない。対ロシア制裁に参加しない国々が多数派だ」と「事実」を述べている。

じっさい、42カ国・地域「だけ」で、中国やインド、東南アジアやアフリカ、中南米の代表は非難した国に含まれていない。

なので、この記事だけでも「嘘は許さない」と、非難した国・地域にいいたいけれど、おそらく任国のわが国政府も「非難」しているにちがいないから、「嘘つき」である。

大使が立派なのは、こんな中で、ちゃんと日ロ関係について「日本が悪化させた」とまだ柔らかに主張していることだ。
「決裂」をいうなら、「日本は独立国ではない」と言えばすむ。

報道が適当なのかわざとなのか?それともロシア側が無言なのかは不明だけれど、「後任」についての記載がやっぱり「不明」と書いている。
わが国にとっての最悪は、「後任がない」場合となる。
つまり、外交関係の断絶を意味するからである。

しかし、ロシアとの外交関係の断絶だけが最悪なのではなく、東アジア情勢が最悪になることだ。

このままでは、わが国は「滅亡する」からである。
もっといえば、中国共産党による支配地域になる。

トリガーとなるのは、NATOの参戦である。
プーチン氏がいう「核使用」は、このことを指している。
だから、いま世界は、驚くほどの緊張感に包まれているはずなのだ。

だが、プーチン氏の核がヨーロッパで炸裂するとしか想像できないで他人事にするのは、あんまりだ。

第一次大戦がヨーロッパ大陸での戦争なのに「世界」がついたのは、当時の「世界」がヨーロッパだったからだ。
しかしいま、第三次大戦の前哨戦がはじまっている状況なのに、わが国の政府もマスコミも他人事でいる。

もちろん、日本国民も。

NATOには、アメリカも加盟しているから、NATO参戦とは、アメリカ軍の直接投入の意味もある。
しかし、アメリカが自ら繰り返しいっているように、もはや米軍は「多方面作戦」には対応できないのだ。

すると、ヨーロッパでの戦争は、自動的に東アジアの「軍事的空白」を意味する。

これがどれほど、わが国を危険にさらすのか?

中国による台湾有事どころか、すでにロシアがいっている、北海道はロシア領も、中露同時に攻められたなら、どうにもこうにもならなくなるのである。

もしや、ロシア大使の離任が意味するのは、宣戦布告の事前準備か?と疑うのである。
なにせ、ロシアはとっくに、しかも「正式」に、わが国を「敵国認定」している。

もちろん、中国は何度も「第1列島線:沖縄まで」は中国領だといっている。
彼らは「第3列島線:伊豆半島まで」も書いて、地図でも示しているから、念のため。

岸田氏は、わが国最後の内閣首班になるかもしれないけど、まさか「続投」の密約でもあるのか?

アメリカ中間選挙2022を受けて、より一層の危険が増した。
下院での共和党勝利は、ウクライナ支援の予算を抑えてくれるだろうけど、もはや間に合わない可能性が高い。

すると、民主党が「下院支配を棄てた」理由がはっきりするし、「上院での勝利」の意味が重い。
これで、上院外交委員会は民主党がとった。

バイデンの不気味が笑顔が、人類の暗い未来だけでなく、「日本の終わり」を告げているようだ。

だれもが不思議に思うのは、下院で共和党に投票したひとが、どうして上院に民主党を選ぶのか?だ。
ふつうは、おなじ支持政党に投票しないか?

なお、念のため、中間選挙の結果となる「新議会」の招集は、来年1月だ。
つまり、年内は現体制なのである。

一方、隠棲したかにみえたメルケル前首相が、ドイツを訪問したハンガリーのオルバン首相と会談して、「ウクライナの戦争を許さない」と強く発言し、「わたしが首相だったらこんなことはさせなかった」と報道されている。

しかしこれすら、あとの祭りなのである。

彼女が苦労してまとめた、2回の「ミンスク合意」が反故にされたことへの怒りとは、ロシアが相手ではなくて、ウクライナに向けたものだ。
もちろん、ウクライナを支援するEUとアメリカにも向けられている。

どちらにせよ、いま世界でもっとも危険な場所は、わが国になっている。

これに、ドイツの立場と現状を思い返せば、「敗戦2カ国=国連の敵国」が、いまさら最大の被害者になりつつあることがわかる。
しかし、ドイツはまだ「経済破壊」の危機だけど、わが国は「亡国」の危機なのである。

ドイツは敗戦時に「亡国」した
だから、80年ちかく「遅延」してわが国も「亡国」するならおなじだ、とはならない。

こんな危機は、敗戦後初となる。

なのに、ほとんどの国民は気づいてすらいない。

どうにもならない、成り行き任せ、風任せなのである。
わが国は、ローマに決戦を挑んだカルタゴにも及ばない。

滅亡の美学もなにもない、愚鈍国家だとして、歴史に刻まれることだろう。

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