DS:ディープステートの緩い定義

事実上口火が切られた、2024年アメリカ合衆国大統領選挙(連邦下院総選挙、連邦上院通常選挙など多数の選挙が同時にある)では、早くも「波乱」が起きている。

目立つのが、トランプ氏への「起訴ラッシュ」で、なんとしても大統領選挙で候補者としての資格停止を狙いたい民主党は、執拗に「司法の武器化」で攻撃を開始したことだろう。
ただし、トランプ氏が逆境になるほど支持者が逆に増えるという傾向にも変化はない。

中世の「魔女狩り」を彷彿とさせる、トランプ氏への法的迫害に、おおくのアメリカ人が憤慨しているのである。

こうした声を代弁したのが、インド系かつヒンズー教徒の若き起業家(30代)で、共和党大統領候補者として、突如頭角をあらわしたのは、タッカー・カールソン氏が個別インタビューをした、キリスト教系団体が主催したイベントでの出来事だった。

このイベントに、トランプ氏は欠席したので、トランプ氏以外の候補者が揃った。
それで、タッカー・カールソン氏は、候補者の強みをあぶり出すこととは真逆の、しかも本音からのズバッとした質問を繰り広げ、知名度がある候補者の全員が、「撃沈」してしまったのである。

この無名のインド系の若者は、そんなタッカー・カールソン氏の質問を「かわした」のではなくて、正論で正面から回答したことが、聴衆の琴線に触れたのだった。

アメリカの人材の「厚さ」は、泡沫候補であれその存在を堂々と語ることでわかる、いい例となった。
このひとは、今後何かと注目されるにちがいない。

一方で、人材の枯渇がいわれている民主党は、驚きの決定をしている。

現職のバイデン氏再選を目指すために、党内予備選における、「テレビ討論会」は実施しない、と決めたのはずいぶんと前だった。
ロバート・ケネディ・jrの言動について、民主党本部は無視して、これを主要メディアも追随している。

さらに、民主党の予備選挙は、アイオワ州、ニューハンプシャー州、ネバダ州、という順で行われるのが「通例」だったけど、なんとこれらの州の予備選挙も「実施しない」と決めたのである。

なぜなら、公式発表では、圧倒的にバイデン優勢となっているが、民主党内データによると、ロバート・ケネディ・jrが猛追していて、アイオワ、ニューハンプシャーでバイデンは勝てそうもないから、という理由になっている。

こんな党本部のやり方に民主党支持者は納得するのだろうか?まったく中共(日本の自民党)とそっくりなのだ。
しかも、あらゆる疑惑のデパート状態がバイデン政権だと、おおくのアメリカ人は気づいている。

長丁場のなか、なにが起きるかわからない。

一部に、トランプ氏が副大統領候補に指名するのが、ロバート・ケネディ・jrだという「妄想」もあるのは、この二人が、「DS:Deep Stateを潰す」といった共通の政治目標を掲げていることから出てきていることだ。

それに、トランプ氏は、かつての「暗殺」における、国家秘密ファイルをぜんぶ公開する、と公約に掲げた。

ロバート・ケネディ・jrからすれば、叔父に当たるジョン・F・ケネディの暗殺については、司法長官だった実父のロバート・ケネディがFBIトップを呼んで、CIAの仕業について捜査を命じたが、動かなかった、という。
その父も、暗殺されて、ロバート・ケネディ・jr本人も、CIAの仕業だと公言している。

つまり、彼らがいう、「DS:Deep State」とは、選挙で選ばれないのに、政府を好きなように動かす「官僚群(SES)」のことを指している。
とりあえず、「陰謀論」になるのは、背景にいるとされる国際金融資本家を、いったん無視する。

つまり、「緩い定義」としたのである。

そこで、トランプ氏はすでに、ホワイトハウスに再び入ったら、前回の失敗を踏まえて、政府官僚や委員会の人事をどのようにするかの検討に入ったと発表した。
裁判官や検察官の指名では「うまくいった」ものの、政府内は手付かずだったし、ホワイトハウスの官僚に騙された、と。
ここで人材タンクの役割を、保守系の「ヘリテージ財団」とすることも決めた。

DS:Deep Stateにとっての危険人物が、この二名なのだ。
まちがいなく、命がけのはずである。

アメリカの官僚制は、じつは日本の官僚制を手本にしてつくったことを日本人もしらないといけない。

「通産省」や「大蔵省」などを、「経済官僚」とひっくるめていうことがある。
戦中にできた、「企画院」が、中枢だったけど、GHQの間接統治で、アメリカ人は日本人官僚の「サボタージュの巧妙さ」に舌を巻いた。
それからの高度経済最長を、あろうことか「経済官僚」の優秀さが原因だと勘違いしたのである。

第一に、勝って驕り昂ったアメリカは、「円」は360°だという理屈から、1ドル=360円に固定させた。
これがどんな意味なのか?を、「痛み」としてしるには少し時間がかかる。
日本の製造業が、アメリカの製造業を壊滅させたのだ。
それで慌てて、「プラザ合意」をして、円高にしたら、日本はアメリカ企業も土地も買い漁ったのだ。

たまらん、と日本にトドメを刺したのが、BIS規制だった。

しかし、アメリカ人たちが「官僚」をかいかぶって勘違いしたことに悪ノリして、日本の官僚は優秀だとの「神話」をつくって迎合したのである。

この意味で、アメリカを蝕むDS:Deep Stateの輸出とは、敗戦による恨み骨髄の日本からの報復だともいえる。
しかしまた、その日本の官僚もDS:Deep State化して、腐臭を出している。

今度は「自浄能力」が試される、競争になったのだ。

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