「コンピューター、ソフトがなければタダの箱」とは、80年代のパソコン泰明期に詠まれたサラリーマン川柳の傑作のひとつである。
OSもまだ定まっていない時期だったのもあって、メーカー各社が、まさに群雄割拠していた。
「家電」で世界を席巻した、わが国家電メーカーも、まだ、「パソコンとは家電だ」という思い込みが強かった。
それは、社内で「哲学」するひとが少数しかいなかったせいだろう。
この哲学の欠如が、いまにつづく、「家電業界崩壊」のはじまりだったのでは?と疑っている。
それで、「家電リサイクル法」を許し、消費者との関係性を壊してしまった。
まことに、「偽善」の恐ろしさでSDGsなどに熱心で、いまだグローバル全体主義の魂胆に気づかいないのはもはや病的な政府依存症である。
それまで、「キーボード」といえば、楽器のことであったし、日本人には馴染みが薄かったのが、タイプライターだった。
パソコンよりも先に、おおいに普及したのが、日本語ワードプロセッサーだったのは、英語を打つための、タイプライターとおなじキー配列のキーボードのはずなのに、なんと日本語文章が作成できるという、「画期」があったからである。
それまでは、公文書用に、日本語タイプライターがあったけど、本物の活字を打ち込むのだから大型で、およそ家庭用ではなかったし、膨大な配列を覚えるだけでも特殊能力だった。
英文のタイピストも、日本語のタイピストも、女性向けの軽作業と目されていたけれど、企業の中の需要(役所へ提出する書類作成)として、日本語タイプライターには侮れない強さがあったのである。
あれから40年。
まさに、時代は変わったのである。
いかに事務作業の効率化を図るか?については、手を抜いても高品質が維持できる方法の普及となって、ハードたる機器と、アプリと呼ばれるようになった、機能特化型ソフトウェアの組み合わせを、どれだけしっていて、それを使いこなせるのか?に実質的に変換された。
パソコンの方は、圧倒的なウィンドウズと、アップル、それとオープンなLinuxの3種類に集約されたかに見える。
しかし、アップルには、iPadというハードと、iPadOSなる組み合わせで、Androidとは別世界の機能を提供している。
わたしは、スマホは安いAndroidで割り切っている。
どうせ、長くて4年しかもたないからで、6年もつとはいえ、1年あたりに換算しても高価なiPhoneはいかにiPadと同期が取れても、所詮は老眼の身ゆえにスマホで作業をするつもりは毛頭ない。
「M1Mac」が世に出た時に、数年ぶりどころではない時間が経過して、かつては「Mac・Fan」だった自分が恥ずかしくなるような、「進化」に驚いたのだが、やはり、Macはビジネス用には向かない。
マイクロソフトのオフィスとの互換性が、ずっとよくはなったけど、フォントが一致しない致命的な問題が解決されていないので、客先にマックで作ったファイルをそのまま納品するわけにはいかないのである。
それで、サブスクの、「Windowsエミュレータ・ソフト」をMacに入れれば、MacがWindows・Machineにもなるけれど、だったら素直にWindows・Machineを購入した方が簡単だし、どうせサブスクなら、AWSという手もある。
そんなわけで、二度手間になるのを承知でのモバイル作業なら、「仕込み段階=下書き」は、iPadでやって、仕上げをウインドウズ・マシンでやればよい。
あわよくば、PDFでの納品ならば、iPadで済むし、逆に校正チェックを返すなら、PDFに手書きができるipadの方が便利である。
さて、例によっていまさらだけど、世の中には、「要領のいいひと」がたくさんいて、いろんな意味で感心すること然りなのである。
たとえば、「コピペ」を効率化することが、正しい手抜きの第一歩なのだという主張には、まったく反論できない。
そのためのiPadアプリが、「Yoink」なる、定番(現在買い切り800円・ファミリーリンク可)なのである。
なお念のため、ファミリーリンクとは、家族がそれぞれiPad端末とかを持っていたら、誰かひとりが当該アプリを購入したら、共用できるという、ありがたいサービスである。
ついでに、9月には、iPad OSが、「16代」から「17」にバージョンアップして、だんだんとパソコンライクなマルチタスク機能が充実している。
ために、画面の小さな機種では、いよいよ字が読めない、という老眼オリエンテッドな世界からは真逆になっている。
「重い」のは承知で、リュックに入れているのは、12.9インチと、10.5インチの2台である。
これらが、デュアル化したらなぁ、と思うけど、いまはできない。
なお、マックをメインにしたら、iPadをサブ・ディスプレイにすることはできるし、ウィンドウズマシンでも可能だというけど、わたしには、だからなんなんだ、なのである。
話はPDFに戻って、買い切り6000円という、高額アプリ『PDFelement』をこれもいまさらながら見つけた。
「無料」だけどアプリ間を行き来する手間がかかるやり方に慣れているせいか、これだけで完結する、のが気持ち悪いと感じる自分がいる。
それでも、スキャナリングには、カメラアプリをつかうから、それ以降、が一本化されているわけだ。
アイデア整理にたまにつかっていた、マインドマップのアプリ群が、なんと有料化だけでなく、サブスク化していた。
無料はあきらめて、買い取りアプリを探したら、『SimpleMind Pro』が、1500円だった。
これを、『Yoink』を介して、録音とメモができる『Notabilty』(サブスク1480円/年)にペーストすれば、重要な取材の構成メモがノートの上にできるのである。
買い取りの定番ノート『GoodNotes5』が、「6」になって、やっぱりお前もか!とサブスクになった。
当面は、「5」も使えるので、ムダな抵抗としりつつも、「6」にはしないで、『Notabilty』のサブスクをポチったのである。
あゝ、必要だから、という気持が優先して、有料課金の奴隷になっている自分がいる。