人体でワクチン開発実験

アメリカ人の凄みを感じるニュースである。

現在、世界で開発中という「COVID-19ワクチン」はWHOによれば200種以上といわれている。
しかし、なんといっても敵は時間である、と定めれば、最短の開発方法は「直接人体にCOVID-19を打つ」という乱暴な手段だ。

呼びかけ人は、元ニューヨーク州の企業弁護士、モリソンさん(34歳)で、すでに2万3000人の応募者があつまった。

具体的な方法は、開発中の各種「ワクチン」を打ってから、本物のウィルスを打って感染させ、それでどうなるか?を試すのだ。
年齢の差や持病、健康状態などの条件も加味するというから、「ちゃんとデータをとる」のはもちろんである。

あえて初歩をいえば、熱望される「ワクチン」とは、自分をわざと「感染者」にして、自己免疫によって発病させないことを目的としている「薬」のことである。
人類初の発見は、天然痘ワクチン(種痘)であった。

しかし、ワクチンが絶対なのか?という問題がおきていて、むしろその危険性を指摘する学者もいるし、「ワクチン忌避」という社会問題もある。
その典型が、副作用が怖いインフルエンザ・ワクチンで、わが国では1964年にはじまった訴訟が80年代までつづいていた。

こんなことから、「ワクチン先進国」といわれたわが国は、「リスクをとらない」という特性を発揮しだして、おなじく80年代から急速に腰が引け、とうとう「ワクチン後進国」という状態になっている。
学校で集団接種された世代からは、かんがえられないことがいまの「常識」になっているのである。

似た例には、業務用コンピューターの導入がある。
いまのパソコンどころか、30年前の「DOS」時代のパソコンでも、広大なオフィス空間を埋めたその20年前の業務用コンピューターよりはるかに小型化し、性能も向上したものだった。

つまり、巨大なキャビネットをならべたような機械がならんで、オープンリール磁気テープがグルグルまわっているのが当時のコンピューターで、メモリはたったの「2メガ」である。
そのすくないメモリのため、パンチカードというボール紙に穴をあけた紙を通して「入力」していた。

「夢の機械」といわれ、先進的な企業がこぞって導入した。
しかし、処理できる事務作業の効率よりも、あらたにできた「キーパンチャー(パンチカードをつくるひと)」というもっぱら女性職のほうをふやさざるをえず、導入した企業と採用されたひとたちのどちらさまも「挫折」したのだ。

こうして、「パソコン」が世の中にでたときに、おおくの先進的企業のなかでも、「挫折」経験のある企業ほど導入に慎重になって、後進企業の後塵を拝する事態となったのだ。
これを、資力による物量をもって、なにがなんでもパソコン導入にして「巻き返した」歴史がある。

羹(あつもの)にこりてなますを吹く

さてはいま、わが国でも「いよいよ」自粛解除というトレンドがうまれて、例によってどんな根拠か不明ながら、大都市がある関西で解除となった。
さらに、首都圏はもう少ししたら「解除の検討をする」という、どうみても「解除予告」がやっぱり根拠なく発表された。

ここでいう「根拠」とは、科学や医学にもとづくものをいう。
それに、優良企業なら、新規事業参入にあたっての意思決定だって、そのときに「撤退基準」をきめるのが「セオリー」という前提がある。

つまり、「自粛要請」のための「緊急事態宣言」をだすときに、同時に「終了宣言」をだす「基準」をセットで発表するのが「筋」というものにもかかわらず、これをしない日本政府は、優良企業の意思決定をしらないひとたちが運営しているのだと告白し、いま、それを「実践」している。ああ、「あの戦争」とおなじなのだ。

なんだかわからない「報道」らしき「パロディ」を連日やっている、わが国でいう報道機関は、言い値で発注してくれるおびただしい「政府広報」のおかげで収入源を確保している。
もはや、政府様々状態だろう。

なので、つぎは「ワクチンへの期待」をキャンペーンするだろう。
これさえあれば、「安心」だ、と。
したがって、「集団免疫」のことは「わるくいう」。

なんどもいうが、ウィルスは、「生物ではない」ので自己増殖ができない。
宿主の細胞に入りこんで増殖する。
だから、宿主が免疫というバリアーをもったとたん、収束するものなのだ。

そこでの「時間稼ぎ」が、人為による「自粛」という手段だ。
初期症状で治す薬と、免疫の抗体をつくる薬を開発するまでの「時間」のことである。
しかし、こんどは、経済活動がとまって、人為によって「命」が奪われかねない。

しかたがないから、「自粛解除」なのだ。

けれども、再生産数が最初から1を超えないわが国は、国民挙げて、なにをすべきでなにをしなくてよかったのかの「反省」をしないといけない。
でも、できない国なのである。80年前を嗤ってはいけない。

そうかんがえると、日本人で「実験に応募」したひとが何人なのかも気になるところだ。

政府まかせ・他人まかせが国是なのか?と。
いや、風(風邪)まかせなのである。

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