ウエラブルなスマートウォッチ

健康状態を見る指標として、さまざまな数値があるけれど、まずは基本となるのが「血圧」だろう。

人間という動物は、いつの時代でもおなじタイプの動物なのだ、とかんがえるのはあんがいと浅はかのそしりを免れない。
人種によるちがいは明白だし、おなじ人種でも生活領域(ふつうは「国」や「民族」)によって、先祖を辿っても、その時々の「現代人」が、むかしから変わらない動物だとはいえないのである。

なぜなら、少しずつでも「進化」あるいは「退化」しているからである。

「進化」と「退化」のちがいがややこしいのは、たとえば、「尾があった」ものが、「尾てい骨」しかないようになったのを、「進化」とも「退化」ともいうからである。
進化して尾がなくなったのか?尾が退化してなくなったのか?

わたしの時代では、中学校の数学で、「相似」という概念を学んだ。
戦後学校教育の批判はたくさんあるけど、カリキュラムの連携がほとんどない、というのもきっとその悪い意味の特性のひとつだろう。
ならば、戦前だとどうだったのか?もあんがいと不明なのだけど。

ドーナツ状の穴が空いた形を、筒状に引き伸ばしても、「相似形」である。
原生動物には、腸管しかないものがあるけど、結局のところ我々人間も、口から肛門までの形状は、原生動物と変わらない「チューブ型の相似形」なのである。
よって、「原生」の意味が理解できる。

すると、消化管の役割とは、取り入れる食物によって大きく変化することは、当然なのだ。
もちろん、「消化」とは、分子レベルでの化学反応であるから、消化器の機能は、摂り入れる食物と、その分解をどこまでするか?できるか?によって、生物としてのちがいが生じる。

それで、おなじ人種・民族でも、その時代によってちがいができて、体型にも影響するのだ。

堅くて難消化性の食生活なら、口を支える「あご」が発達して、がっしりとしたゴツい顔になるし、腸管が長くなるから、寸胴短足な体型になる。
逆に、柔らかくて消化が早い食生活なら、「あご」が退化して、腸管は短くていいから、足が長くて8頭身とかになるのである。

たった150年前の、幕末に撮影された写真にみる日本人の姿が、到底現代人と似つかないのは、このためだ。

ならば、当時の日本人の血圧はいかほどであったのか?
世界初の血圧計が発明されたのは、1896年(明治29年)のイタリアだった。
なので、これ以前の人々の血圧は推定の域となっている。

いろいろなセンサーが開発されて、それがまた小型化したら、腕時計の機能にまでなった。

それが、ウエラブルなスマートウォッチになって販売されている。
それでも、血圧を測定するには、空気圧をかけて計測する方法が原理にあっているのでこれを採用したものと、正確性には欠けるけど簡易な方法で、目安とするものとに大別できる。

ときに、正確性が欠けることの正確性が、どんなものかも吟味しないといけないのだけれども、これを説明しているレビュー記事もないのは不思議だ。
第一の正確性とは、空気圧をかけて測る方法との誤差における正確性をいうが、もう一つは、その誤差の範囲における正確性のことをいう。

たとえば、正確に測ったら、120=70が、簡易式でなら、130=80だという誤差があっても、これが何回計測しても似たような誤差ならば、その誤差分を考慮することでの正確さがあるということになる。
つまり、目安としては、使える、のだ。
実用に耐えないのは、誤差自体ではなくて、いつも計測結果がバラけてしまう方のことをいう。

だから、簡易式のウエラブルなスマートウォッチを購入したら、どの程度の正確さで誤差を生じるのか?を別の正確な計測器を併用して、しばらく確かめないといけない。

最新のウエラブルなスマートウォッチには、なんと無痛・無傷で血糖値を計測する機能がついている。

血糖値には、随時変化するいわゆる血糖値と、血中のヘモグロビンが新規に生成されるのと、糖によって破壊されるのとの時間的経過をしるための、ヘモグロビンA1Cという指標の2種類がある。
ヘモグロビンA1Cは、およそ2〜3ヶ月間の血中糖濃度の平均値となるので、糖尿病の診断に使われている。
6.2%以上が、糖尿病となる。

なので、いまや国民病となっている糖尿病患者にとっての、血糖コントロールの目標は、6%台前半であって、もちろん望ましいのは6を切って5台を目指すことになっている。
飲み薬もインシュリン注射も、おなじ数値目標のためにやっている。

つまり、これらの「治療」とは、じつは「病気の治療」ではなくて、とにかくヘモグロビンA1Cの数値を下げるための「対処療法」なのだ。

すると、ウエラブルなスマートウォッチが、たとえ血糖値計測の専門機より正確性を欠いても、誤差の範囲における正確性があるなら、十分に実用性があるのは、随時変化する血糖値の推移をしれば、食事や運動の影響がどうなのかをかなり直接的に本人が把握できるからであるし、それによるヘモグロビンA1Cの予測値の正確性も、誤差を見越して参考になるからだ。

興味がなかった、スマートウォッチが、欲しくなったのである。

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