裁判官もアリバイづくりに奔走する?

民主党バイデン政権の命運がまもなく尽きそうだとして、さまざまな役所の超高級官僚たちが、逃亡に走っていると前に書いた。

改めていうまでもなく、アメリカの超高級官僚(SES:カーター政権時に日本の官僚制をまねて、さらに終身制に格上げして導入したから「超」がつくものを、オバマ政権時に大量採用した)たちが、あの巨大な国家機構を牛耳っている。

ふつうなら大統領制の国なら大統領が、議院内閣制の国なら首相が、最高権力者だとかんがえるけど、それらの前に「官僚制国家」となると、彼らが集団で政府を盗むのである。
このことは、ガルブレイスが日本企業を分析した、『新しい産業国家』(1972年、河出書房新社)で説明された、企業内官僚(テクノストラクチャー)によって、経営が盗まれる構造とおなじなのである。

テクノストラクチャーたちは、社内(組織内)の、フォーマルなつながり(組織図に従う)だけでなく、インフォーマルなつながり(たとえば、近い職場同士の飲み会メンバーや職場を超えた仲良しグループ)が、自分たちの都合のいいやり方を経営層に押し付けることで、居心地のいい会社(組織)へと変えてしまう行動原理を持っているのだ。

ガルブレイスが指摘したこの、テクノストラクチャーのもう一つの特徴に、身分を問わない、がある。
つまり、現実の企業内でもそうであるように、飲み会仲間や仲良しグループは、特定身分の者たちの集まり(たとえば、部長級だけとか課長級だけ)ではなく、むしろ、年齢や職務資格すら問わない、開かれているけどあくまで仲間内、といった様相を示すものだ。

かんたんにいえば、キャリアとノンキャリを問わない集団なのである。
そして、この場では、ノンキャリがキャリアを指導することもある。
現場の本音の声(情報)が、キャリアのフォーマルな場での重要な自己アッピール材料にも活用されて、そのまた上司たちからの評価になってあらわれるのである。

ゆえに、このインフォーマルな集まりは、徐々に組織図の上にも拡大して、行き着く先の究極が「派閥」となる。

派閥が一つの利益誘導体となって、全員がこの利益の享受者となり、これから外れた者たちを排除するようにまで「発展」すると、かならずや対抗する派閥が形成されるのは、以上のような力学的原理が働くからである。
しかして、トップはこうした派閥を制御できず、逆に「お人形」として制御される側に回る。

なぜなら、こうした派閥からトップが選出されて、その人物がトップになった途端に、派閥のテクノストラクチャーたちは、トップへのあらゆる情報を遮断し、派閥に都合がいい情報しか提供しなくなるのである。
なので、トップに選出される人物とは、テクノストラクチャーたちにとって都合がいい人物しか選ばれない。

これを、かつて自民党幹事長として辣腕を振るった、小沢一郎氏は、「シャッポは軽くてバカがいい」といって、その本質を見事に表現したのであった。

大国の国家組織はどんな大企業よりも巨大なので、テクノストラクチャーたる官僚が跋扈するのは当然である。
アメリカの失敗(お人好しのカーター氏を選んだ邪悪な民主党の意図通りなら「成功」)は、中華歴代王朝よりも強力な「官僚制」を作り出し、これらがまた、軍産複合体に買収されて、人類の厄災になったのである。

それが、連邦下院を支配する共和党によって、この数年の「犯罪」が暴かれている。
バイデン一家の、おそらく「国家反逆罪」が適用されるだろう、見事な「売国」の実態も、とうとう下院の捜査権がこの一家の銀行口座の入出金記録にまで及んで、もはや万事休すの瀬戸際にある。

「Twitter File」の暴露と議会証言から、司法省とその配下にある連邦捜査機関たるFBIすら、逃げ道を失いつつあるし、21年の連邦議会襲撃事件の真相(じつは民主党ペロシ議長の策略だった)も解明されつつある。
こうした状況をみた、州レベルの裁判官も、いまや逃げ道を探している。

昨年の中間選挙で、激戦だった、アリゾナ州知事選挙における、投票日当日の大規模な投票システムのダウンが怪しまれる中、この選挙管理の責任者だった人物が、その職のまま立候補して辛勝したが、対抗する共和党候補は、裁判に訴えて連続敗訴していた。

22日、州最高裁が州高裁に差し戻しの判決を出す画期があり、これまで却下され続けていた「署名確認作業」を命じたのである。
もしや、「投票用紙の監査をする」となれば、すでに知事職にある人物の当選無効・解職が起こり得るし、この人物がやったとしたら、20年の大統領選挙にも影響があるかもしれない。

なんだか、潮目、が変わってきたのである。

邪悪なエリートたちの逃げ足が早い、のは、古今東西の歴史にもある。
自分だけの利益を追求する行動の、合理的な帰結だからである。
次に起きるのは、こうしたひとたちの保身から出る、免責を条件にした裏切りの証言なのである。

これを、同じく逃げたい裁判官たちがやらせることになるだろう。

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