あんまり暑いので,なにか「涼しい」入浴剤はないかとさがしていたら,「はっか油」をみつけた.
それは、日用品の棚にひっそりとあった.
北海道の北見を訪問したとき,ご当地名産品でいろいろ買い込んだのを思いだした.
残念ながら,「思いだした」くらいだから,普段づかいしていなかった.
棚の横に,はがきのような紙がぶらさがっていて,一枚取ると,それはハッカ油の使い方案内だった.
「これはいい!」
ということで,購入をきめた.この手の「情報」が,決め手になる瞬間である.
さっそく,湯船に数滴たらして入浴した.
「涼しい!」
湯温は設定温度の最低,38度である.
さいきんは銭湯にも「無感湯」というコーナーがあって,これが36度から38度に調整されている.さいしょ,なんだ水かとおもうが,じっくり入っていると,湯からあがってもかなりの時間汗が引かない.
この猛暑で,プールの水温が36度になって,子どもがのぼせるため使用中止を決めた学校があいつぐというニュースがあった.
わかるわかる.
体温との温度差がないから,「無感」になるが,熱はしっかり入っているのだ.からだが小さい子どもには,かなりの影響をあたえるはずだ.
高齢者の熱中症が多発するのは,自分が「無感」になってしまうからだ.
気温の高さを感じない.しかし,しっかり「熱」は体内に入っているから,不調に気がついたときには手遅れというケースが問題になっている.
だから,やたら高温の湯が銭湯にある.このくらい熱くないと,入った気がしないというのは,高齢者なら「無感」の危険な兆候である.子どもが熱くてはいれないのは,プールのニュースとおなじである.
そこでか,さいきんは「ぬる湯」が人気である.
自宅だと電子書籍リーダーをジプロックにいれて,お風呂で読書をたのしんでいる.
はっか油を数滴たらしただけで,鼻腔が壮快な香りで満たされて頭がすっきりするから,読書にさらによい.
公衆の浴場で,この手の物品の持ち込みが「禁止」されているのは,衛生などさまざまな意見があるようだが,「持ち込み自由」としてそれを「売り」にしている施設もある.
個人的には,「ぬる湯」なら「読書」をセットに「寝湯」でくつろぎたい.
防水機能のある電子書籍リーダーが欲しいが買わないのは,まだまだ「禁止」の施設がおおいからだ.「書見台着き」の湯船がある施設があれば,通うかもしれないのだが.
もらった案内のとおりハッカスプレーをつくろうと,無水エタノールと精製水も購入したが,あんがい大変なのは「スプレーボトル」を探すことだった.
エタノールとペットボトルは反応してしまうから,材質の確認に手間取った.
つかえるのは,「ポリエチレン(PE)」,「ポリプロピレン(PP)」,「ポリ塩化ビニル(PVC)」である.
100均では,おおくが「ポリエチレンテレフタレート(PET)」なのでつかえない.容器が反応で破損するか,プラスチックが液体に溶け出してしまうからだ.それで,「アルコール使用不可」という表示もされている商品があるのは丁寧だ.
ならば,「アルコール使用可能」という表示があればわかりやすが,これがない.それで,「PE」,「PP」,「PVC」の表示を老眼で確認するから根気がいるのだ.
ようやくみつけたが,それなりのお値段で売っていた.
いそがないなら,アルコール除菌スプレーなどを使い切って,その容器を再利用すれば間違いない.ただし,夏がおわらないうちに使い切れるか?
この手のアルコール入りスプレー商品は,容器代がばかにならないのだとわかったから,使い捨てるのはもったいない.
これでようやく,ハッカスプレーをつくってつかえるようになった.
アルコール1,精製水9の割合で,水をくわえる前のアルコールにはっか油を垂らすとよくなじむ.
さて,何滴垂らすとよいのか?10滴,15滴,20滴.
これこそが,自作のたのしみである.だが,何事も「過ぎたるは及ばざるがごとし」.
はっか油は虫除け効果もあるから,網戸にスプレーしてもよし,かゆみ止めにもなるから,虫刺されにもスプレーできる.
ドライブの車中,足下や室内にスプレーすれば,もちろん頭すっきりである.
原液は一本20ミリリットル(mL)で700円ほど.いったい何リットル(L)のスプレーがつくれるのか?
これは,ことしの楽しい収穫であった.
蛇足だが,体積の単位「リットル」の記号を学校では,「ℓ」(エルの小文字)とならった.
国際ルールは「L」(エルの大文字)になっている.
なんと,わが国は,リットルの記号もガラパゴス化している.