26日、最高裁第2小法廷(岡村和実裁判長)が、日本における司法の死を宣告したので、「司法が腐ると、民主主義が死ぬ」と書いた、昨日の続きとしたい。
マッカーサーのGHQが、日本語での発売を禁止したいわくつきの書籍、『アメリカの鏡・日本』(原著は、「Mirror for Americans: JAPAN」で、1948年、日本語訳初版は、『アメリカの反省』文藝春秋、1953年)で、その後、1995年に再出版されてからも何回か「再出版」されている。
著者の、ヘレン・ミアーズ女史は、元は東洋史と地政学の研究者であったが、戦争中には日本研究をしていて、戦後、GHQのもとで「日本の労働法」をつくりに来日したという人物である。
もちろん、この書籍は、一種の「日本無罪論」であるから、マッカーサー自ら、「日本人はこの書籍を日本語で読むことはない」としたのである。
しかしながら、出版の自由も言論の自由も、アメリカ人にはあったので、英語での出版を阻止することはできなかった。
このことを、日本側からえぐったのが、江藤淳の、『閉ざされた言語空間』(オピニオン誌『諸君!』1982年)であり、西尾幹二の、『GHQ焚書図書開封』(1~12、徳間書店)がある。
なお、いまになって徐々に「復刻」がでているけれど、GHQが焚書にした戦前・戦中までに出版された書籍は、7000冊あるといわれている。
かんたんにいえば、この7000冊を、戦後の日本人に読まさせないことで、戦前・戦中と戦後の歴史を人為的に分断したのである。
敗戦とその後の「主権回復」で、どういう取り決めになっているのか?日本国民はぜんぜんしらされないでいるけれど、アメリカの植民地になった、と前提すれば、辻褄があう。
念のため、わが国が主権を回復した日は、昭和27年4月28日なのである。
どうしてゴールデンウィークの開始日が、この日でないのか?ということに、日本の主権は回復していないからだ、としても、やっぱり辻褄があうのである。
わたしは、安倍晋三氏の暗殺理由に、安倍氏が「主権回復の日」を国民の祝日に法定化しようとしたことも含まれるとかんがえている。
どうしてトランプ政権のときにやらなかったのか?ということが悔やまれるのである。
そんなわけで、わが国の「三権(立法:国会・地方議会、行政:政府・地方自治体、司法:裁判所)」のぜんぶが、独立のベールを脱ぎ捨てて、植民地としての素顔を表してきた、というのが、21世紀の「改革」なのであった。
たまたま、アメリカでは、FOXニュースの筆頭人気アンカーだった、タッカー・カールソン氏が突然解雇され(24日)て、さまざまな憶測が流れるほどのショックがはしった。
FOXコーポレーションは、一日で五億ドルが吹っ飛ぶ株価の下落があったけど、RINO(Republican In Name Only:名ばかり共和党)の、オーナーにして、メディア王、ルパート・マードック氏はブレないでいる。
このあたり、ちょっとだけよみうりグループを仕切る、渡辺恒雄氏と似ているのは、渡辺氏本人が、東大生時代に共産党員であったことを認め、同志の宮本顕治と対立して、党を去ったと告白したからである。
もちろん、読売新聞の中興の祖、正力松太郎は、CIAのコードメーム付きエージェントだったことが、アメリカ公文書館からの機密公開文書で明らかになっている。
マードック氏にも、似たようなことがあるのではないのか?
日米が「鏡」の関係だというなら、そうなっているはずなのである。
それで、カールソン氏の憶測の解雇理由には、選挙投票機のドミニオン社からの損害賠償請求裁判があって、マードック氏が和解したのが、8億ドルだとわかって、この損の責任をカールソン氏にも負わせたのではないか?という説が流布されている。
でも、わたしは、マードック氏が8億ドルを合法的に寄付したとかんがえている。
それで、次回の大統領選挙でも、ドミニオン社が「活躍」して、トランプ氏の再選を阻止しようとしているのではないのか?と疑うのである。
カールソン氏に関する話題は、別に書こうと思う。
さてそれで、日本の司法が腐っているのではなくて、自殺したのが、冒頭の裁判なのである。
『ニュース女子』という、東京MXテレビが放送していた番組で、沖縄の基地反対運動を特集し、人権団体の共同代表、辛淑玉氏が名誉毀損で製作会社の「DHCテレビ」を訴えたものだった。
これで、原告勝訴の東京高裁判決が確定した。
わたしは、当該番組をネット配信で観たけれど、どこが名誉毀損にあたるのか?よくわからなかったし、その後『ニュース女子』で、再度、「検証番組」も放送し、これも視聴した。
アメリカの鏡としての日本のテレビ業界(基本的に地上波は地方新聞社の子会社という世界的珍奇がある)も、アメリカ同様、ほぼ全社が「左派」だから、一切の容赦をしない報道をしているのは、ネット記事検索すれば様子がしれるのである。
この点で、アメリカよりも「曇っている」のは、アメリカの方は堂々と「支持政党」やらを公表するのに対して、日本の場合は「不偏不党」とか「公平」と、ウソをいう悪質があるからである。
しかしながら、とうとう、「裁判所」も、傾いたのである。
深刻な、「ソ連化」が、静かに、だが確実に進行している。
念のため、岡村和実という名前は記憶しておきたい。