サマルカンドの会談は怪談か?

「アジアはない」と断言したのは、文化勲章受章者にして、初代国立民族学博物館館長だった、「知の巨人」梅棹忠夫氏の言葉である。
せめて、「西洋」と「東洋」の間ということで、「中洋」という用語を提案もされている。

その「中洋」とは、いわば「中央アジア」一帯のことで、シルクロードの各地をまとめて指している。

念のため、「ユネスコ:UNESCO」という、得体の知れない組織が定めた「第一号世界遺産」が、「長安⇔天山回廊の交易路網:シルクロード」とされたけど、各国の「政治」のたまものであることに変わりはなく、インド経由の交易網、あるいは「海洋のシルクロード」は無視された。

なぜか繁盛店だったのに、横浜中華街から消えた店に、「中央アジア料理」の専門店があった。
店側は「郷土料理」をうたっていたが、エジプト暮らしをしたわたしにも、砂漠の「郷土料理」の感じが強かった。

生態学者として踏破した梅棹先生が、歩いて得たものと、わたしのような「素人」が感じたことが一致したのは、自分なりに感動的なのである。
つまるところ、かつての起点「長安」(現西安)近辺の郷土料理は、アラブ・遊牧民の料理とそっくりなのである。

この地域間の距離は、気が遠くなるほどだけど、砂漠とオアシスの波状攻撃的な繰り返しによって、実態は「おなじ」という、空前の「空白地帯」なのである。
つまり、地図を蛇腹に畳んで長安とアラブだけを見ても、生活実態に変化はないのだ、と。

それで、畳まれて見えなくなる地域にある国々が、「スタン国」なのである。
国名に「スタン」がつく。
いまは、さまざまな「事情」から、スタンをはずしている国もあるけれど。

たとえば、いま「新疆ウイグル自治区」と呼ばされている地域は、むかし「東トルキスタン」といった。
この地域が、トルコ人の「故郷」なのである。
なぜか、トルコ人は「西移動」した民族なのである。

あるいは、いまの「キルギス」は、ちょっと前まで「キルギ・スタン」だった。
それで、「スタン国」の西の果てが、「トルクメニ・スタン」と「アフガニ・スタン」なのである。

ちなみに、アフガニスタンの隣国は、西にイラン、東に「パキ・スタン」で、北は「タジキ・スタン」と「ウズベキ・スタン」なのである。

そのウズベキスタンの要衝が、サマルカンドだ。
首都は、タシュケント。

15日、そのサマルカンドで開催中の、「上海協力機構(SCO)」首脳会議という名目で、ロシアのプーチン大統領と中国の習近平氏が「会談」したことが「ニュース」になっている。

この「ニュース」には、「ふたつ」のニュースが混じっている。
ひとつは、露・中のウクライナ協力がどうなるのか?
ひとつは、習氏の「外遊」で、なんと2年8ヶ月ぶりに国外に出たことだ。

「コロナ後初」という日本語記事が目立つのは、あたかも「コロナ収束」をイメージさせるプロパガンダで、来月の「皇帝就任」が確定したことを隠す記法になっている。

つまり、「大々的に」皇帝就任記事を書きたてたい、という事前の演出だ。

もちろん、「ゼロ・コロナ」として上海市を封鎖したのは、敵対する「上海閥=江沢民派」への「大弾圧・逮捕」の方便だったことも一切書かないし、世界のグローバリストと奮闘しているのが、習氏の派閥であることも書かない。

だから、江沢民派を応援したいグローバリストにせがまれて、アメリカ連邦下院議長が「訪台」したと、このブログでは「書いた」のである。

ところで、「先遣隊」として、ロシア高官と事前会談したのは、習氏の側近中の側近といわれる人物だった。
このひとの「中国語が変」ということも、ロシア側がリークして、珍しくも「音声付き映像」を放映してしまった。

このひとの「声」を一般人が聞くのは、はじめてらしい。

なお、この「ロシア高官」とは、プーチン氏の「女房役」、メドベージェフ氏なのである。
首相と大統領を交互にやって、大統領時代には「プーチン首相」の好きにさせたひとである。

一方で、「中国語の発音が変」なひととは、「実力皇帝秘書」の素性がしれる事態になったので注目されている。
それが、典型的「農民」の言葉遣いだと。

「脅し」を商売にしてきた、旧ソ連と現役中共のつばぜり合いなのだ。

このニュースで、元NATO総司令官だった、ジェイムズ・スタヴリディスと、元米軍特殊部隊でノンフィクション作家のエリオット・アッカーマンの共著、『2034米中戦争』(2021年、二見書房)での「表記」を思い出させてくれた。

あゝ、リアルなんだ。

さてそれで、ロシアと中国の関係がより深くなるように仕向けているグローバリストたちの思惑はなんなのか?
なんだか、破滅的、なのである。

一方で、ヨーロッパは、「冬」をにらんで一般家庭での「凍死」が危惧されるようになったのは、「冗談」ではない。
それでも、「温暖化阻止・脱炭素」をやめないのは、EU委員長のフォン・デア・ライエン氏である。

EUは、加盟国民による「選挙で選ばれない」官僚トップのEU委員長が、一種の独裁的権限を有する、やばい組織なのである。
「EU議会」とか、「EU大統領」とかは、「お飾り」の建て付けになっている。

『スター・ウォーズ エピソード5 帝国の逆襲』 (1980年)にでてきた、温和な銀河共和国の元老院最高議長が、じつは最悪の「ダース・シディアス」だったのにそっくりなのだ。

それで、フォン・デア・ライエン氏は、15日、プーチン氏を「国際刑事裁判所(ICC)」に提訴すべきと発言した。
まさに、サマルカンドでの両首脳会談に当てつけている。
もう、「怪談」なのだ。

『ファイナルファンタジーⅩ』の「ザナルカンド」になっているのか?

いやいやおじさんとしては、やっぱり「ジェダイ」の登場と活躍に期待したいのであった。
しかして、もはやこれこそが「ファイナル・ファンタジー」か?

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