戦国のタイヤ業界

マイカーが3万キロ走行を超えたので、やっぱりタイヤの交換時期がきた。
むかしあった、「タイヤは命を乗せている」という宣伝文句は、宣伝ではなくて真理である。

改めて、どんなタイヤにしようかと調べだしたら、「たくさんありすぎて選べない」という『ジャム理論』に当たってしまった。
これは、スーパーマーケットで、パンにつけるジャムを選ぶときの実験から得られた、コロンビア大学のシーナ・アイエンガー教授がみつけた「法則」とされている。

いま、自動車のタイヤは大きく3種類がある。
夏用、冬用(スタッドレス)、オールシーズンだ。
問題となるのは「冬」で、タイヤに関しては二段階の規制がある。
「冬用タイヤ規制」と「チェーン規制」だ。

冬用タイヤ規制は、「冬用」と認定されているタイヤならそのまま通行できる。
チェーン規制は、冬用であってもチェーンなどの物理的滑り止めを装着しないと通行できない。なので、スプレー式のものは不可だ。

夏用には夏用の「走行性能」という利点がある。
静粛性とか、雨天時のグリップ性能、あるいは、転がりを強化した低燃費性能などだ。
しかし、夏用は、「冬」の雪や路面凍結には向かない。

では、冬用はといえば、凍結した氷面でもグリップ性能を高めているので、東北地方や北海道では、夏用からの「履き替え」が常識になる。
悩ましいのは、中途半端な地域に暮らす場合だ。

簡単に言えば、夏用を装着していたら、雪の日には「車に乗らない」ということだ。
雪の日だけでなく、数日も残る場所があるから、乗れない日は1日だけではない。これがまた、「車に乗れない」理由となる。

雪が当然の地域からしたら、ちょっとした雪でも大混乱になる東京などでは、多くのひとが夏用のまま乗っているから大混乱するのであって、たとえ自分が冬用に履き替えても、この混乱に巻きこまれることになる。

そこで、自己防衛的かつお手軽さで登場したのが「オールシーズンタイヤ」なのだ。
履き替える必要がない、というのは、保管場所がない集合住宅や駐車場を借りている場合には、十分に魅力的だ。

このタイヤは、「冬用タイヤ規制」をクリアする。
ただし、本物の冬用タイヤと違うのは、「凍結した氷面」におけるグリップ性能の「なさ」だから、関東甲信越のなかでも、北関東や甲信越をオールシーズンで走破できるものではない。

この中途半端性も、悩ましいのである。

わたしは特段、「スバリスト」を意識しているわけではないが、『アウトバック』を乗り始めて、いまは3代目となっている。
ふと、「新型車」が出るというニュースがあって、今月から予約が始まった。

実車はまだ見ていないけど、今年の春に新発売された、ブリジストンの『アレンザ』を履いているようだ。
そこで、ブリジストンのHPを観たら、人気のSUVによる、「履き替え需要」が今年から始まって、来年はもっと需要が高まる、と予測分析の記載があった。

すると、いったい、この「新製品」は、いつから開発されていたのだろうか?と気になった。
ゴールは、今年の春に発売する、という期限だ。
見た目の「パターン」は、最高級とされる『レグノ』とソックリなのである。

ならば、第一候補は、メーカーが選定した『アレンザ』となる。

けれども、タイヤに関しての選択の悩みは、まだ続く。
それは、「価格」との折り合いという問題だ。
「最上位」が決まったら、許容範囲での「最下位」はなにか?また、その中間はなにか?ということを確かめてみたい。

すると、突如、「アジアン・タイヤ」というジャンルが飛び出してきた。
いわゆる、「アジアのどこかの国製」という大雑把ではあるけれど、これがまた、侮れないのだ。
シンガポール、マレーシア、台湾、中国、韓国が、5大「産地」のようだ。

これらの特徴は、一口でいえば「格安(3分の1)」になるけれど、一部には特に安いわけではないものもあるから、やっぱり「混沌」としている。
そこで、世界のタイヤメーカーを調べて驚いたのが、なんと「100社以上」もあるのだ。

トップは、ブリジストンだったけど、最新のランキングでは、ミシュランになっていた。
それから、ヨーロッパやアメリカの有名メーカーが続く。
これらの企業の特徴は、自動車会社への「納品」である。

つまり、新車に工場で装着するための選択で、勝ち抜いていることにある。
上述の『アレンザ』のごとくである。
性能が同じなら、価格勝負になるし、価格が同じなら性能勝負になる。
さらに、新車装着なら、クレームはメーカーにくるから、メーカーはめったに価格だけでの選択はできない。

そんな目線で見てみると、アジアン・タイヤの躍進は、「破格」だけではなさそうだ。
例えば、ヨーロッパの高級ブランド車にも、アジアン・タイヤが採用されていて、単体販売でも日本メーカーと同等かそれ以上になっているものもある。

東南アジアのタイヤが安いのは、「天然ゴムの産地」であるばかりか、タイヤメーカーがゴム農園を直営しているという理由もみつけた。
すさまじい、「アジアの追い上げ」なのである。
技術先行の有利も、半導体でそうだったように、技術者の高額引き抜き採用でひっくり返った例が生々しい。

交換期限を目のまえに、悩みは続く。

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