「言論の自由」はいらない

これがために一般人が苦しむという悲惨が起きている。

「言論の自由」とは、歴史的に発信者の自由発言をいう。
つまりは、「啓蒙時代」という背景を持った、エリートとか、ヨーロッパなら貴族たち特権階級の「自由」のことを指す。

日本人は、敗戦によるGHQの支配を受けて、法的根拠なく「皇族」に兵糧攻めという生活予算の配分を中止したので、一気に「爵位」を廃止することに成功した。
畏れ多くも皇族方が、「生活のため」に臣籍降下を選択させられたのだった。

その家屋敷の跡地が、「プリンスホテル」になったのは、歴史の事実である。

このことの不思議は、臣籍降下するとはいえ、旧皇族の家土地は国家資産ではなかったのか?という疑問である。
昭和天皇の逝去にあたって、税務当局たる大蔵省・国税が、相続税を徴収しようとして物議を醸したことの「前例」が、この旧皇族の資産問題であり、天皇家の資産の帰属問題なのである。

比較対象となる、英国王室は、国王家の個人資産が莫大であるから、エリザベス女王は世界的大金持ちの一人として普通にリストアップされても、一切の抗議もしないのは、それが事実であるからだ。
すなわち、バッキンガム宮殿に勤務する財務スタッフとは、英国王室の私的資産管理を職務とする人たちを指すのである。

よって、宮内省が宮内庁に格下げされたとはいえ、国家公務員が仕切る我が国の皇室とは、根本的に異なる「制度」が、英国における「王制」なのである。
別の言い方をすれば、我が国の皇室は、恐ろしく貧乏で、私有財産を持っていない。

ここに日本国民は注視すべきで、共産党員が言う「遊んで暮らしている」ようなことではなくて、衆目に晒される激務の中で、一切の資産を持っていないのは、最も理想的な共産党員の生活のようなのである。
長く党首を務めた人が住む、個人資産の豪邸とは意味が違う。

共産主義を言うひとが、どうやって、あんな豪邸に棲まう資金を得たのだろうか?

英国王室が、現在でもヨーロッパを代表する貴族制の頂点であるように、何も王政を採用しなくなった国にも、貴族はたくさんいる。
革命があったフランスにも、王を廃位させたイタリアにも、もちろんスペインにも貴族たちは生きている。

前に書いたように、ヨーロッパの鉄道に「一等車」があるのは、彼ら貴族のための車両であるから、庶民が別料金さえ支払えば「乗れる」というものではない。
これが、日本の「グリーン車」や「グランクラス」との根本的違いなのだ。

そんなわけで、ルネサンスを起源にする「啓蒙主義」は、我が日本の歴史には馴染まない、貴族たちによる思想展開なのである。
なぜならば、「庶民」は普通に「文盲」であったからである。
だから、啓蒙主義で啓蒙されたのは庶民ではなくて、貴族間の議論における「テーマ」だったのである。

こうした議論ができるのも、「特権階級」だったからこそであったけど、背景には、聖書を読むことができるのは、「聖職者に限る」という特権もあったのである。
しかし、グーテンベルグの活版印刷によって、ドイツ人が聖書を読めるようになった。これが、宗教改革の起爆剤だったのだ。

啓蒙主義がさかんになって以来、フランス革命、ロシア革命を経て、これが失敗に終わってから30年あまりが経過した。
にも拘らず、今も言われる「言論の自由」とは、相変わらず支配する側の発信を指すのだ。

本当は、庶民の「脳の健康維持」こそが重要なのであるから、ゴミのような汚染物質的言論は、有害図書以上に「有害」なのである。

しかるに、「言論統制」を言えば、猛毒となるから、自己免疫力を高めるしかない。
それになにより、「感染しないこと」が重要だ。

それには、大変簡便な方法がある。
先ずは、テレビを観ないようにすればよい。
次は、テレビを廃棄すればもっとよい。
もちろん、新聞は購読をやめることだ。

雑誌も必要ない。
わたしは、高校時代から愛読していた、わが国を代表する「総合雑誌」の購読を、もう10年以上も前にやめた。
以来、芥川賞であろうが直木賞であろうが、発表される特別号も買っていないから、これら文学賞作品に触れてもいない。

NHKのニュースも天気予報も観なくなって、やっぱり10年以上も経つけれど、生活上も職業上も困らない。
大河ドラマは、『おんな太閤記』以来、一度も観たことがないのは、戦国ホームドラマの洗脳に嫌気がさしたからである。

観ていないけど、観てはいけないと思うのは、歴史を語りながら、現代価値の押しつけをして、観る側の脳の健康を奪うと予想するからである。

ならば、庶民は「無知蒙昧」のままでいい、と言いたいのではない。
無用なノイズを無視せよと言いたいのである。

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