勘違いの「政府主導」

主に「政府主導」の経済政策を指す。
これを、「要求」したり、「期待」したりするのが、最初の「勘違い」である。
次の「勘違い」は、政治家や官僚が、その「要求」や「期待」に応えようとすることである。
よって、わが国には、二重の勘違いが「撚糸(よりをかけた糸)のように絡み合って、強靱化している、といえる。

これを、「戦時体制」というのだ、とは、何度も紹介してきた、野口悠紀雄教授の説である。
学者になる前の、野口氏は、東大を出た後すぐに大蔵官僚として入省している。
そこで見た職場の実態は、戦争責任を全面的に回避した無傷な組織であった、と証言しておられる。
簡単に言えば、誰ひとり「処分」も「処分の対象」になったひともいなかった、と。

GHQがこれを「許した」、あるいは「目こぼしした」理由は、別途研究する必要がある。
間違いなく、「わざと」であるからだ。
軍事官僚たちを処分しながら、文官を見のがす意図は、「分断」だと想像するからだ。
そうやって、国民にも「憎むべき相手」を明確化させて、「憎悪」を煽ったのである。

いわゆる、「悪いのは軍閥である」という図式である。
その悪の総大将に、東条英機を指名したのであった。
しかし、平成になってから、昭和天皇がもっとも信頼していたのが、その東条だと知れて騒ぎになった。
左翼作家たちの活躍で、この「論」は封印されてしまった感があって、今でも「日本のヒトラー」としてマスコミに登場してプロパガンダが続いている。

岐阜県八百津町の皆さんには水をさして申し訳ないが、町が称える「日本のシンドラー」の生地であることは事実としても、杉原千畝氏の「命のパスポート」が有効になって、ビザを得たユダヤ人たちが逃げた先は「満州国」だったのである。
「有効」を認めて、領土内を通過させたのは、スターリンのソ連だった。
どうして、ソ連が「有効」との判断をしたのか?

そして、外務大臣の訓令を「破ってでも発給した」というビザで、満州国はどうして入国を許可したのか?
ときの、満州国を仕切っていた関東軍の司令官が、ほかならぬ東条英機であった。
つまり、杉原の周辺のひとたちが、これを支えなければ「ただの紙切れ」であったのだ。

すると、行政としての「町」の宣伝とは、ぜんぜんちがう話になってくる。
杉原氏は、外務省退職後(辞めさせられたともいうけど)、本件に関わる一切の言動をしていない。
しかし、氏の経歴は、「ロシア語の専門家」としての入省であったし、その後の勤務地はソ連の外殻にあたる場所ばかりとなっている。

むしろ、彼は、情報要員であったのでは?という疑問が先に立つ。

かくして、この人物の「素顔」はいまだに不明のままなのである。
しかも、彼の業績に否定的であった外務省は、手のひらを返して今では「顕彰」までしている。
あくまでも穿った見方ではあるけれど、「素性を隠す」という意味では、外務省の態度は「どちらも」有効ではないのか?

そんなわけで、地方であろうが中央であろうが、政府のやる事なす事、素直に真に受けるとおかしなことになる可能性がある。
戦前からも一貫している、「政府主導」だって、ほんとうは怪しいと考えるべきである。

例えば、政府主導の「産官学の連携」とかが典型的だ。

「産と学」だけでは心許ないと思えるのは、「官」への信頼と予算配分ほしさである。
日本人は、どうしてこんなに「官を信頼するのか?」は、これだけで文化人類学的研究テーマになろうけど、すでに「官」が大学の研究予算を牛耳るようになったので、国内では「できっこない」研究テーマになっている。

一方で、わが国の「官の劣化」が近年深刻化して、中国と韓国に置いてきぼりを食らい始めた。
どちらも、「官主導(実は「日本モデル」)」のお国柄だ。
先行事例には、シンガポールという「独裁国家」もある。
そのシンガポールは、とっくにわが国を抜き去って、アジア最富の国になった。

バブルの後始末をいいことに「官主導」で30年以上やってきたら、とうとう「1人あたりGDP」で韓国に抜き去られたばかりか、トルコにも抜かれた。
これらの国民が豊かになっているのは、ご同慶に値するけど、わが国は衰退が止まらない。
それで、コロナになっても、まだ「政府主導」に依存している。

「投資」で大儲けしているならば、「引き際」が最大の決断ポイントだ。
そろそろ、「コロナの欺瞞」が大衆にバレだしたからか、欧州では政府が手を引き始めた。
暗黙に、「(仕掛けた富豪たちが)十分儲けただろうから、この辺でフェードアウトさせるべき」という判断に見えて仕方がない。

「引く」という政府主導で、英国保守党ジョンソン政権の「賭け」という記事もあるが、そんな偶然性に英国政府が「賭け」るわけがない。
ちゃんと「元をとった」から、引くのである。

貪欲な日本政府にはこれができない。

それで、コロナの欺瞞の仕組みをひた隠しにする、「大本営発表」をNHKにやらせている。
「収束に3年かかる」という政府専門家会議は、小規模営業の飲食店や個人事業店舗でのサービス業を、「潰す」という政府主導の経済政策の根拠を提供させられて、「外国人経営者500万人移住計画」を遂行している。

しかして、日本国民はもっと貧乏になって、共産全体主義の「夢のような」革命を準備することになった。
めでたしめでたし。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください