習氏の「毛沢東主義」は本物か?

習氏にとって、いまや主たる政敵は江沢民派だとは、周知のことになっている。
外国にいて少ない情報でも、はっきりしているのだから、さぞや「現地」では激しい権力闘争になっているにちがいない。

その激しさの「ほとばしり」が、アメリカの大富豪にして投資家の、ジョージ・ソロス氏によって、「習氏批判の投稿記事」となって日本語にもなっている。
6日、実質的に日経新聞が買収した、フィナンシャル・タイムズ紙からの翻訳が掲載された。

最初の違和感は、ジョージ・ソロス氏といえば、アメリカ民主党どころか、その先を行く、バリバリの「左翼」ではないか?なのにどうして?というものだ。
破壊活動にいそしむ、「BLM」運動への巨額スポンサーでもある。

一方で、いわば、ウォール街を代表する投資家のひとりで、もちろん、「グローバリスト(金融資本主義者)」である。
だから、読めば「資本主義への無理解」を批判していることが、このひとの二面性を表している。

社会主義者にして資本主義者なのだ。

しかし、冷静になって考えれば、左翼思想の根源をなす「唯物論」から、資本主義が腐敗・崩壊して、次にやってくるのが社会主義なのだから、二面性があるのは「当然」なのだ。
むしろ、資本主義を嫌って理解できない社会主義者の方が、本来的には「どうかしている」のだ。

その社会主義の政策で、象徴的なものが「社会保障制度」である。
公的年金とか公的健康保険のことである。
アメリカの年金は、年金機構が巨額資金を株式投資している。
日本の場合は、債権が優先で株式投資には消極的な特徴がある。

これは、株式による直接金融が主たる国と、銀行融資による間接金融が主たる国とのちがいともいえる。
あるいは、証券会社と銀行の、それぞれの業務のちがいが、日本の場合にはきっかり区分されていたことにも起因する。

もちろん、「大蔵省証券局」と「同省銀行局」の縄張り争いがそうさせていた。

そんなわけで、株式投資で運用されるアメリカの年金は、個別企業の株式を購入する方法では手間がかかりすぎるし、株価への影響力が大きすぎるほどの巨額なので、「インデックス投資」が行われている。
つまり、平均株価連動方式、だ。

日本の年金が株式投資をしたがらないもう一つの大きな理由には、「パッとしない株価」がある。
バブル崩壊後、「日本株」の低迷が常態化したのだ。
アメリカ株は真逆で、20年で倍以上になっている。

この年金資産運用益の大きさが、掛金を出している個人の資産を自動的に増やしているから、アメリカ人の生涯収入が増えているといえるのである。
それがまた、旺盛な消費を支えて、経済を回している。

年金機構におカネを入れているのは、「掛金」として入金している「個人」なので、年金が株式を購入するとは、間接的に個人が株式を購入していることと等しい。

さてそこで、アメリカ株式市場に上場している外国企業のなかで、ソロス氏が問題にしたのは、「中国株」という、中国に本社を置く大企業のことだ。
なぜなら、習氏の命によって「国営化」がはじまっていることへの「危機感」をいう。

それは、「中共政府による当該企業株式の大量取得」という、「ゆがみ」の指摘なのである。
よって、アメリカ議会は、中国企業へのアメリカ人の投資を禁止する立法をすべきだと。

さてはもっともらしいけど、ソロス氏が江沢民派の代理人だと仮定すると、一気に「胡散臭く」なる。

もちろん、「国営企業の非効率」は、世界史で人類共通の病理を発症することはわかっている。
だから、中国企業株の値下がりは、「インデックス」にも影響すること必至なので警告したともいえる。

しかし、米中の経済摩擦は、軍事紛争の懸念に至るまでになっている現状がある。
すると、習氏が実行している、「毛沢東主義」は、アメリカにとってもわが国にとっても、「オウンゴール」的ラッキーではないのか?

なぜなら、実質的引きこもりであって、「鎖国政策」にあたるのが毛沢東の経済政策であった。
「眠れる獅子」には、ずっと眠っていてほしい。
これが、今さらの両国の本音ではあるまいか?

だとしたら、ソロス氏の「警告」は、大きなお世話である。

中国人の発想法は、『厚黒学』でよくわかる。
「面の皮が厚く、腹黒い」ことをいうのであるけど、同レベルかそれ以上なのが、「欧米人」なのだ。

ただし、習氏の毛沢東主義が、「独裁をしたいから」というだけの「エセ」であるなら、話は変わる。
なので、いったい何者なのかを深く吟味する必要があるのではあるけれど、それこそが「国家機密」というものだろう。

本当に「死闘」を繰り広げる、あちらの「権力闘争」を勝ち抜く経験を積むのが、「共産党」という世界共通の組織だから、並みの「胆力」では対抗できない。

わが国だけでなく、アメリカにも、そんな政治家がいるのか?
このことの方が、よほどの「危機」なのである。

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