トランプはイエスになった

4日、世界史に残る、トランプ氏の起訴がほんとうに実行された。

エルサルバドルの大統領はさっそく、「これでアメリカは、外交による『民主主義』の(強制)輸出ができなくなった」との声明を発して、恐るべき全体主義による、法のねじ曲げを哄笑したのである。

なお、これまで「民主主義の輸出」に、軍事力も使うほど熱心だったのは、民主党政権のアメリカなのであった。

窮地にある民主党の強行は、「裏目にでる」という予想もあったなかで、じっさいにトランプ氏の支持率は急上昇し、10ドル単位の少額寄付を中心に、2日も経たずに8億円が集まったという。

どこまで信頼できるかはさておき、緊急世論調査では、民主党の支持者でさえ6割以上のひとたちが、この起訴を「政治的(策略)=司法の武器化」だと回答している。

ここで改めて、アメリカ合衆国第45代大統領ドナルド・トランプ氏の業績を挙げれば、「建国の理念」を失いかけていた共和党を、復元するだけでも大事業をやったといえる。
とっくに、共和党「主流派」は、RINO(Republican in name only:名ばかり共和党員)に成り果てていたからである。

主流派が「主流」であれたのは、ここに属するひとたちの個人的な財力だけでなく、背景にいる存在が、軍産複合体という巨大な利権構造だったためである。

要は、この利権の擁護者たちが、政治的な主導権を握っていたといえる。

それに、建国後に移民してきてアメリカンドリームによって成功したひとたちが作ったアメリカ民主党(じつは、スターリンとの政争に敗れたトロツキー派が乗っ取った)も、軍産複合体の申し子(ロシア革命のスポンサー)だから、RINOとは、党はちがえど根っこはおなじ穴のムジナなのである。

クリントン家とブッシュ家の仲がいいのはこのためだし、陰の支配者オバマの子分が、歳は違えどバイデン一家なのだ。

今回の「起訴」の背景にいる、法律家は、オバマの大統領法律顧問でホワイトハウスにいた人物が、バイデン政権で、司法省の幹部になっていて、なんと昨年12月に司法省からニューヨーク検事局に派遣されていたことも、起訴前のトランプ氏が演説会で名指し批判していたのである。

要は、黒幕のひとりに、オバマがいるということだ。

当初は泡沫候補だとおもわれていた、トランプ氏が、「まさか?」のうちにあれよと当選して、彼の正体が、軍産複合体(=DS:Deep State)をブッ壊す!ことをマジでやる、クレイジーだと気づいた瞬間から、既得権に巣くうエスタブリッシュメントたちから目の敵にされることになったのである。

どうして彼の正体がわれるのにタイムラグのような時間がかかったかといえば、テレビタレント(日本でいう「色ものコンメンテーター」)として有名だっただけでなく、彼が大富豪だったから、既得権にあぐらするエスタブリッシュメントたちは、早合点して「仲間」だと勘違いしていた。

ゆえに、その正体がしれたときには、「恨み骨髄」となったのだ。

何度も書くが、トランプ氏は、共和党の歴史だけでなく、建国の歴史につらなる、メイフラワー号に乗っていた清教徒の流れをくむ敬虔なるプロテスタント長老派の信者なのだ。

つまり、原始アメリカ合衆国人である。

だから、彼が主張している、「MAGA運動:Make America Great Again」でいう「偉大なるアメリカ」とは、建国当時のアメリカのことなのである。

日本人なら、神武天皇の時代とか、「民の竈(かまど)」の逸話が残る仁徳帝のことを指すから、気の毒にも歴史を忘れさせられたがゆえ時代錯誤に思う人たちがいる。

「起訴」を受けてトランプ氏は、自ら出頭し、犯罪者の写真と指紋をとられるばかりか、手錠をかけられた姿を見せることを希望しているという。
しかし、さすがにこれはなかったけれど、だから、逆に起訴自体が「演出」だともいえるのである。

現に、ハーバード大で半世紀も法学の教鞭をとっていて、民主党支持を表明している教授は、今回のトランプ氏の起訴を、「ありえない」といって憤慨している。
アメリカの法典に、こんな起訴ができる理屈は一つもない、と。

いかに民主党の牙城がハーバード大をはじめとする有名大学群であっても、学者としての矜持はある、ということだから、東大教授たちはこのひとの爪の垢でも煎じて飲むべきだ。

しかして、トランプ氏の行動は、先日書いた、「ソクラテス」のイメージだけでなく、聖書を座右に置いて精読している信者たちには、「イエス=救世主」がユダヤ人によって起訴されて、実質「人民裁判」となって処刑された逸話に倣っているように受け止められているはずだ。

イエスを十字架にかけたのも、ユダヤ人の要求を、暴動になりそうな気配から折れた、ポピュリストだったローマ帝国第5代ユダヤ属州総督のポンテオ・ピラトの命による。

今回の検事も、背後で「やれ」と煽るひとたちの命によっていることは明らかだ。

なにしろ、連邦検事が立件不可能とした事件を、州法しか根拠がない州検事によって、連邦法による起訴とした無茶苦茶がある。
なお、同日、最初にトランプ氏を訴え敗訴したAV女優に、なんと追加の賠償金支払命令も出たのである。

これから、トランプ氏はどんな「弁明」をするのか?しないのか?イエスはしなかったけど、ソクラテスはした。
イエスの裁判は、『福音書』にあるけど、そのうちの「マタイ伝」から、あの大バッハは『マタイ受難曲』をかいた。

全曲を鑑賞するには、ゆうに3時間を要する大曲で、「裁判」は第二部からはじまる。

忘れられていたこの曲を復活演奏した、メンデルスゾーンは、「会場から聞こえてくるのはすすり泣きだけでした」と残している。

興味深いのは、封印した起訴状の内容をマスコミにリークした当の検事が、守秘義務違反の「重罪」に問われるブーメンとなっていることだ。

共産主義・全体主義という宗教を強引に推し進める民主党に、もはやキリスト教は関係ないが、だからこそトランプ氏への支持が増えるのは、「救世主」だからなのである。

民主党の日本支部と化した、自公政権の命運をも左右し、アメリカ人だけでなく、日本人も含む西側に多大な影響を与えることは間違いなく、これを横目に、BRICsを中心とした第三世界は、ドル経済圏から分離して、「別世界」を構築しつつある。

世界史が大きく動き出している。

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