「状況証拠」の話である。
場所は、ウクライナ南部ザポリージャにある。
欧州最大規模の「稼働中」の原発だ。
規模はどうであれ、「稼働中」の原発を「砲撃」したのは、人類史上「初」の暴挙であることにかわりはない。
それで、ウクライナ大統領は、「暴挙だ」とロシア軍を名指し非難した。
一方で、ロシア軍は国連に、ウクライナ側砲撃の「証拠」を提出した。
もちろん、わが国を含めた「西側のマスコミ」は、もはや正気を失って、双方の主張を両方とも公平に扱うことをやめたので、一方的に「ウクライナ側」の肩を持つ「報道」に徹している。
何度も書くが、これは、「プロパガンダ」であって、報道ではない。
けれども、プロパガンダの「セオリー」は、情報の受け手に「これが報道だ」と思いこませるひつようがあるために、「情報統制」をやって、あたかも「報道」の「偽装」をするのである。
つまるところ、「情報鎖国」する。
なので、その「籠」のなかの住民たちは、「余計な情報」を耳目にしないし、さらに、プロパガンダは、「正義を煽る」から、ジョージ・オーウェルが『1984年』で書いたように、「二分間憎悪」を視聴者に仕向ける。
こうして、知らぬ間に訓練させられた視聴者は、テレビの美人アナウンサーの言葉どおりに、「ロシアを憎み」、「プーチンを悪魔」だと信じることに、積極性まで持たされる。
それで、居酒屋談義でさえ、「悪の権化はロシア」になるのである。
おなじパターンが、トランプ氏にも使われているから、アメリカでトランプ人気が衰えるばかりか盛り上がっている事実に、日本人はもう「適応できない」までに訓練されたので、その情報自体を信じないか、あるいは、トランプ氏を支持しているアメリカ人を「馬鹿者たち」と思うのである。
これは、「安倍氏国葬反対運動」にもいえる。
わたしは、安倍氏の国葬に懐疑的ではある。
それは、おもに「アベノミクス」なる社会主義経済政策に反対してきたからである。
だから、若い時分から社会主義・共産主義・全体主義に「賛同」してきたひとたちが、どうして国葬反対運動に熱心なのか?が不思議なのである。
安倍氏の功績としてあげられる、「国防」が気に入らない「だけ」なのか?
そこまでして中共の支配を受けたいのか?
レーニンがいった「役に立つ白痴」、だとしか思えない。
さてそれで、ザポリージャ原子力発電所への砲撃の犯人探しの話である。
これには、「ウクライナ軍」の突如の攻勢で、東部地域の「領土奪還」の勇ましい「ニュース」が絡んでいる。
もちろん、このニュースも「プロパガンダ」である。
とにかく、後退を余儀なくされたという「ロシア軍」の方の話が「ない」から、ぜんぶが「大本営発表」状態になっている。
わが国マスコミは、「大本営発表」を「自主的に」やっていて、恥ずかしいと微塵も思わないほどに劣化した。
しかし、ロシア軍は「いなかった」のである。
なぜか?
「ウクライナ軍」の攻勢にまつわる事前情報をキャッチしたからだ、という情報も出ているけれど、すでにこの地域もふくめて、ウクライナ全土がエネルギー枯渇の事態になっているのだ。
枯渇させたのは、ロシアである。
もう、この地域の気温は、東京でいう「晩秋から初冬」になっている。
地図で「緯度」を確認されたい。
なお、東京は暖流の黒潮があるために、「温暖」だという特徴もある。
それでもって、「ウクライナ軍」の進攻に、地元住民たちはどうしたのか?
こぞって「逃げた」のだった。
どこへ?
ロシア軍が制圧している地域へ、である。
なので、衛星写真だけで大騒ぎになった「4月のブチャ」でのように、今度は多数の遺体が墓地で発見されたことも、犯人が「怪しい」のである。
なぜなら、ロシア側に逃げる住民心理のなかに、自分はロシア語を話す、という理由があるし、ロシア軍への協力者は「裏切り者」とするのがウクライナ側の言い分だからである。
1940年、ポーランドで起きた「カチンの森事件」が、重要な過去事例なのだ。
約22千人のポーランド人将校、 警官、 知識層を含む一般人が、当時ソ連のNKVD (内務人民委員部)によって虐殺されたのである。
これをいま、ウクライナのナチがやっている可能性がある。
なお、「ウクライナ軍」は、とっくに消滅しているから、「報道」でいう「ウクライナ軍」という言い方も、プロパガンダである。
「政府親衛隊」が正しい。
ところで、ザポリージャ原発とこの地域を「占領」していたのは、ロシア軍である。
原発施設は、軍ではない別組織が占拠して「運転継続」していたのだ。
だから、「砲撃」したのがロシア軍だというのは、味方同士のことになる。
ところで、この原発をどうしてロシア側が占拠しても「運転」できるのか?
それは、この原発の稼働開始が、1985年、つまりまだ「ソ連」だったからである。
東欧で「体制転換ドミノ」が起きたのは、1989年からなのだ。
そんなわけで、IAEA(国際原子力機関)は、ザポリージャ原発への砲撃での、「安全運転」に関して、ロシア側の努力を評価する、と声明を発し、さらに、IAEA職員を常駐させると決定したのである。
国連大好きなわが国マスコミは、これを、「報道しない」ということで、関連するニュースがみな「プロパガンダ」だとばれたのである。
状況証拠はもうひとつ、ザポリージャの住民たちが、砲撃中止の請願署名を、ウクライナ政府に提出した。
その数、2万筆。
なお、この地域の住民人口は、2021年推計で53千人である。
ついでに、本件で、アメリカ側はなぜか「沈黙」しているのである。
なお念のため、「国連」は、ロシアのいう「特別軍事作戦」扱いを「正式」としていて、「戦争」という用語は用いていない。
なぜ「特別軍事作戦」なのかといえば、東部二州が独立宣言して、これをロシアが承認し、さらにこれらの「二国」とロシアは、「安全保障条約」を締結した。
よって、ロシア軍の行動は、「安保条約の履行」にすぎないからである。
だから、これが「日米」のこととおなじ状況であることを日本人に気づかせない努力がされている、ともいえるのである。
しかしながら、アメリカはロシアのように日本を助けるために「血を流す」のか?の疑問がのこる。
戦争をやりたいひとたちが、最初から「戦争」と呼んでいるのである。