使い捨ての政治家たち

世界最大の権力者は、現代のローマ帝国である、アメリカ合衆国大統領だとおもわせられてきたけれど、じつは「使い捨てカイロ」のような存在だった。

「ディープステート(DS):闇の政府」を、はっきり口にしたのは、アイゼンハワー大統領が退任するときの記者会見が最初だった。
このひとは、アメリカ陸軍の元帥にして、戦時中はヨーロッパを担当した「連合国遠征軍最高司令官」だった。

おなじ「元帥」でも、マッカーサーが語ったのは米軍から授与されたものではなく、「フィリピン軍元帥」のことなので、ぜんぜん格がちがって、大統領を目指して頓挫したから、一枚も二枚も上手なのは、アイゼンハワーの方である。

それに、アイゼンハワーが「アイク」と愛称で呼ばれた、「陽」であったのに、マッカーサーは典型的俺様型の、「陰」キャラであった。

今年の正月3日に召集された、アメリカ合衆国連邦下院議会は、中間選挙の後を受けた新議会で、その議長選びについては前に書いた
この一連の出来事で、トランプ派から委員長になった議員が「DS」に言及したことがニュースになった。

バイデン政権と闘う、ということはすでに議会共和党(トランプ派)の目的ではなく、DSを壊滅させることだと示唆し、それからトランプ氏自身もこれに直接に言及して、正式に「敵認定」したのである。

そんな経緯があったなか、バイデン氏にも機密文書問題が発覚した。

トランプ氏の機密文書問題は、当局に協力的であったのに、作夏に突如、前代未聞のトランプ氏別荘(前大統領宅)への強制捜査をしたことで、おおくのアメリカ人が憤慨したが、これを「トランプ悪人説」で徹底的に煽ったのがバイデン氏本人だったから、まったく始末に負えない事態になっている。

けれども、今回のバイデン氏がやった機密文書問題は、敵対する共和党側が動いたことを発端とせず、「身内」である弁護士が見つけたと発表しているからへんなのである。

なんで、バイデン氏の弁護士が、バイデン氏を貶めることをするのか?

まことに理解に苦しむことになっている。
それに、最初にリーク情報を報道したのが、いわゆるメインストリームの左派メディアだったので、わが国でも同様の左派メディアが、手のひら返しでやっぱり報じている。

どうして、隠蔽しようとしないのか?という、わけのわからなさがあるのは、これらのメディアが民主党を支持して、欺瞞だらけの報道をトランプ氏に対して徹底してきたからである。

それで、民主党は、「バイデン降ろし」を開始した、という憶測が流れ出した。

本人は、2024年の次期選挙に意欲をみせて、2期をやるつもりらしいが、どうやら民主党が見限りだした、というのである。

アメリカ議会は、上院が「人事」を管轄するので、この度の中間選挙で上院の主導権を維持した民主党は、下院でバイデン氏を弾劾起訴されても上院の弾劾裁判所は否決できるから、これもトランプ時代と似ている。

しかしどうやら、狙いは「辞任」させたいのではないか?

それはメインストリームも「本物」と認定した、息子ハンター氏のパソコンから発覚した恐るべき情報が、民主党を壊滅させるほどの内容だからだともいわれるのは、下院議会共和党がこれを調査すると明言したからでもある。

それで、既定のシナリオ通り、無能なカマラ・ハリスを大統領に据えれば、よりコントロールしやすいと考えているのかもしれない。
2年前からくすぶっている副大統領に、ヒラリー・クリントンを選んで、2024には再びヒラリー対トランプの闘いにするのか?と。

しかし、おかしいのは、今回の騒動が、機密文書問題を発端にしたおかげで、ヒラリー氏には国務長官時代の機密文書問題が再燃すること確実だから、そんな強引なシナリオが現実にありうるのかが疑われる。

もっとも、共和党下院では、「政治とカネ」の関係を調べることも表明していて、クリントン大統領、オバマ大統領たちが、大統領時代に「蓄財した」ことを名指しして調査対象としている。

トランプ氏のばあいは、大統領時代に、大幅に個人資産を「減らしていた」ことが、建国以来の異常ともいえることになって、納税情報まで裁判所から公開命令させられる前代未聞にもなった。

もちろん、トランプ氏サイドも当初は抵抗をみせたが、連邦地裁判決を受けてあっさりと公開に及んだ(控訴しなかった)のは、これが将来、バイデン氏やクリントン氏、オバマ氏にもブーメランになると見込んだからだと解釈されている。

肉を切らせて骨を断つ、という戦略だ。

トランプ氏は、大統領報酬を全額ボランティア活動に寄付していたことが噂と本人の話だけでなく、納税情報から明らかになって、そんなバカなやつはいないと信じた民主党に衝撃となったのである。

いまだけ、カネだけ、自分だけ、の価値観しかない民主党にとって、トランプ氏の価値観は、ありえないファンタジーだったものが、本気の人物だった。

こんななか、突如ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相(42歳)が、19日、突如、首相辞任を表明した。
ダボス会議の最中だから、様々な憶測を呼んでいるけど、次期選挙にも出ないことも明らかにした。

どうしてここで「ダボス会議」がでてくるのかといえば、世界経済フォーラムの主宰者、クラウス・シュワブ氏が組織している、若手政治家育成プログラム(ヤング・グローバル・リーダーズ)のメンバーだったからだ。

このなかに、フランス大統領のマクロン氏や、カナダのトルドー首相もいる。
日本人の名前が見あたらないのは、DS支配が完結しているからだろう。

アーダーン氏は、厳しいロックダウン政策で、一躍ときのひとになったけど、その素性が「極左活動家(全体主義者)」だったことがバレて、国民の支持を急速に失ったのである。
似たような現象が、カナダやフランスでも起きている。

すると、やっぱり焦っているのは、クラウス・シュワブ氏そのひとで、とかげの尻尾切りをやっているのかもしれない。

DSは、複雑な連絡体系をもっているから、ひとつの組織だけを指すことができない(「世界経済フォーラム」や、「SES」など)けれど、世界の認識は、与太話から「現実」に確実に変化しているのである。

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