全米自動車労組のストライキ

トランプ政権の「絶好調」から一転し、民主党・バイデン政権になってからのインフレが、80年代のスタグフレーション時代を思い出させるレベルになった。

政治目的が、国民のための政治から、国民支配のための政治に変わったために起きている現象で、政権自体の根本思想が、グローバル全体主義のコンセンサスがあるための、破壊活動となっている。

なんだかこれに、FRBも同調して、金利上昇の手を緩めないのではないか?と疑いたくなる。
金利を上げられない、徹底的「円安」誘導が日本経済潰しのグランドストラテジーに合致した、一石二鳥もある。

「長官・副長官」といった大統領が指名する政治家クラス(連邦上院の人事案承認が必要)だけでなく、その下に君臨している、本当に「終身雇用」の高級官僚(SES)たちが、オバマによって大量採用された「オバマ・チルドレン」で、グローバル全体主義者が選ばれていた。

このSESが、むかしからの政治任用(猟官制度)で、政権交代するとやって来る各省庁の管理職を、絶対的上から目線で監督して、国家機構が積極的に国家の破壊活動に日々努力しているのが、民主党・バイデン政権の本質なのである。

そんなSESたちを抱えて、トランプ政権の4年間に出した成果は、あまりにも画期的だった。
けれども、ホワイトハウスさえ、SESが仕切っているので、内部のガタガタは凄まじかったと、トランプ氏が任用した高官達が曝露している。

いまは、文字どおりの「大統領府」として、国家破壊の司令塔になっている。
これをソックリ真似ているのが、わが国の自・公政権であって、首相の苗字がどんなに代わろうが関係ない。

「党の支配」とは、そういうものだ。

なので、「内閣改造」にばかり話題を挙げて、「党人事」をいわないのは、政党組織として自・公の狙い(グローバル全体主義による日本破壊)を国民から隠したいからである。

そんなグローバル全体主義に染まった政府を支援しているのが、むかしからの左派マスコミ(もちろんグローバル全体主義を信奉している)だから、目指す目的が一致している。

これに、SNS企業(社主たる経営者とほとんどの従業員)が同調して、エックス(旧「ツイッター」)以外を形成している。

つまるところ、露骨な言論統制を、マスコミとSNS企業が「自主的」に行うという、前代未聞の事態が、いま現実となっている。
それで気を良くした、ホワイトハウスが、マスコミ各社に「指示書」を出して、連邦下院によるバイデン弾劾訴追調査の阻止を行政府が命じる憲法違反も、堂々と行われるようになった。

さすがに、かつて憲法擁護の論争をさんざんやってきたわが国では、いまの日本国憲法が欠陥だらけであっても、政府がマスコミに報道を露骨に統制することまではしていないようだけど、「裏」ではどうなのか?がある国なので、国民としてはそれなりに疑っておいた方がいい。

さて、アメリカでは、全米自動車労組(UAW)のストライキが起きて話題になっている。
賃上げ要求と、週4日制(週休3日)も要求にある。

後者の要求に、『ニューズウィーク日本版』が、労組の主張を掲載している。
なんだか、わが国戦後の争議にあった、「人間性回復闘争」のようなのだ。

賃上げ要求は、当初4割台という「高レベル」で、あたかも日本では「あり得ない」とか、「労組幹部の暴走」という見方が主流だったけど、このひとたちの「協定書」は、4年に1回というレンジなので、直近で4年前の協定書が交渉の出発点であることを忘れたら、話が見えなくなる。

本稿冒頭に書いたように、4年前は、トランプ政権下のアメリカ経済「絶好調」の時期だった。
なので、4年間の賃上げ協定は、4%台という、それでも衰退する日本では驚きかもしれないけど、「低水準」だったのである。

日本で驚きの理由は、アメリカ人労働者の賃金が、日本人の倍あるからで、だいたい1000万円だ。
これに、4%台の賃上げが協定になったのである。

ところが、民主党・バイデン政権による破壊的インフレ政策(わざと)で、歴史的な7%にもなったから、実質「目減り」という事態に、たった2年弱でなってしまった。
この減った分を取り返して、いまのインフレに合わせてイーブンにして、さらに将来のインフレ見合い分の賃上げ要求を加算すると、4割台という計算になるのだった。

経営側の「あり得ない」が堅いので、いまは3割台の要求になっているけど、さてどの時点で妥結するのか?(わざと)長期戦になりそうな気配なのである。

もちろん、労働組合というのは、なぜだか政治史の流れのなかで、左派(社会主義志向)というのが当然だという常識になっている。

これに、フリードマン夫妻が書いて出版当時わが国でも大ベストセラーになった、『選択自由』(1980年)で、消費者を守るものは誰か?とか、労働者を守るものは誰か?といったテーマで、自由主義経済学の立場から、皮肉な解説が試みられていた。

残念ながら、消費者を守るものは消費者団体ではなく、労働者を守るものは労働組合ではないと書いている。

それはまた、マクロ経済でいえば、インフレ時の賃上げ水準が、適正を欠いて、上がりすぎるとインフレの中身に、「粘着性」がある要因となるのが、賃金だからである。
いったん上がった賃金は、なかなか下がらない(これを、「粘着性」という)からである。

それゆえに、民主党・バイデン政権を絶対支持している全米自動車労組の頑張りとは、より激しいインフレを実現して、もしやトランプ再選となっても、容易に経済の正常化を困難にしようとする、破壊活動ではないかと疑うのである。

すると、悲惨になるのは、一般組合員の生活だが、それがまた過激な行動の原動力、たとえば、21世紀にしての、「人間性回復闘争」とかとなれば、民主党・バイデン政権の破壊目的と合致して、全体主義がより早く実現するという、「夢」に向かっているともいえる。

労組本来の存在意義は、そこにはない、逆ではないか?と思うのだが、ねちっこいのは、やっぱりグローバル全体主義の共産脳なのである。

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