「ラジカセ」がでてきた

実家の片付け・整理をしていたら、すっかり存在を忘れていたラジカセが押し入れの箱からでてきた。

いつ買ったのか?さえも記憶にないが、それは「ZILBA’Pシリーズ最終モデル CFS−V3」(1980年発売:定価59,800円)である。
もしや、20歳の記念に思い切って購入したのではないか?とかんがえた。

当時、6万円弱(1989年導入の消費税はない)というのは、学生にはかなり高嶺の花であったはずである。
就職した上場企業の86年当時の初任給は、13万円強であったのだ。
つまり、半月分の給料に匹敵するが、発売・購入したのはその6年も前のことである。

それでも、「中級機」であって、高級機ではないのが、昭和の製品の恐ろしさなのである。

この機種が発売前の1978年から、イランでは「イスラム革命」がはじまり、翌年に「王政崩壊」した。
中東では、これを「ソニー革命」と呼んでいたのは、ソニーのラジカセによるホメイニ師の演説テープが最大の宣伝用具となっていたからである。

そのために、当時、観光立国のエジプトでも、空港・税関で外国から持ち込んだカセットテープの没収がふつうだった。

それほどソニー(日本製)のラジカセは、世界の政治・文化に影響を与えていた。

ちなみに、録音テープをコンパクトな「カセット型」に製品化をしたのは、オランダの大電器メーカー「フィリップス」であった。

動作するのか?と不安にかられたが、電源をいれるとまずラジオが鳴った。
AM・FMともに受信できる。
左・右のスピーカーのための対になっているLEDインジケーターも作動している。
この時期のLEDは、相当に「新しかった」はずだ。

だが、この機種にはテレビ音声受信機能もあるのだが、いまは放送自体がない。

カセットテープも駆動し、しっかり鳴ったのには驚いた。
駆動ベルトゴムの劣化で、動かないのがふつうだろうから意外である。

この機種には外部入力端子がある。

それで、古いipodを接続したら、これまたしっかり鳴ったのである。
つまり、外部スピーカーとして機能するし、音質も悪くない。

それにしても、大仰な機械である。

用意されている機能のうちで、カセットテープはもう使わないし、ラジオも聴く習慣がない。
テレビとおなじで、放送内容がすこぶるつまらないからである。
だから、結論として、ipodの外部スピーカーとしての利用だけが残る。

本機が世にでてからの世間が変わって、いまや「空間オーディオ」の時代となっている。

だがこれには、「Dolby Atmos:ドルビーアトモス」の有効化がひつようなので、残念ながら古いipodでは対応できない。

逆に、空間オーディオの立体音響では、あんがいと「聞き流し」が困難だから、かえって従来の「ステレオ・モード」にすることが推奨されている。

つまるところ、本機のipod外部スピーカー使用は、合理的なのである。

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