世界覇権のG3

11月18日・19日に開催予定の「APEC2026深圳」が、事実上の「G3(米・中・露首脳会談)」となるのではないか?と話題になっている。

プーチン氏が声かけして、トランプ氏はすぐに賛同したが、中国は回答を留保している。

これは、同月3日のアメリカ中間選挙の結果次第、という含みもあろうが、実質的なG2(米・露)の同盟にイヤイヤで、あたかもアリバイの証人として利用・参加させられることの不利が反映されているのであろう。

堂々とG2をやってくれれば、後から中国は反対もいえるからである。

しかして、プーチン氏の提案意図は、「ウクライナ(終戦)問題」であったが、これをトランプ氏は「格上げ」して、3国の保有する「核削減」としたところにミソがある。
むろん、「ウクライナにプラスして」という意味だ。

これが、まるで「ヤルタ2.0」だというのは、当事者たるウクライナも、支援するEUとNATOも、日本を含むその他の国も無視しての「空中戦」で決める、という、大国のエゴ、がいまどきむき出しであるという意味である。

けれども、世界の力関係とは、こういうものなのである。

EUのフォン・デア・ライエンやらカヤ・カラスが金切り声をあげても、米・露にとっては痛くも痒くもないし、大規模暴動でマクロン政権はウクライナどころではない状況にあるばかりか、イタリアもスペインもしかりで、ドイツはメルツ政権がいつまでもつのか?という状況になっている。

はたまた、カナダの無能マーク・カーニーは、そんなEUへの加盟をいいだす始末で、アルバータ州がアメリカへの併合を模索しだして連邦の維持さえ怪しくなっている。
おなじく、エセの仮面がバレだした高市政権も、これから混迷の政権運営が続くのは、やっぱりその無能ぶりからのウクライナ支援表明が足かせになるからである。

しかしながら、以上はプーチン氏が提案した議題についてであって、これに加えて、トランプ氏が提案したのは、「核」なのである。
まさに、昨年12月の「新しいアメリカ国家安全保障戦略」の実務での発動を意味する、西側同盟国にとっても重大事なのである。

ようは、トランプ氏は、同盟国切り、をはじめた。

いってみれば、垂直分業体制にあって、あれこれとまとわりつくやかましい下請けの中堅国を棄てて、ライバルだが大企業たるトップ三国の水平分業へとシフトしているとみる。

つまり、「核」をG3で議論するとは、これまでの中堅国にとっての囲碁でいう「生き死に問題」も決める、ということなのである。

米ソ冷戦時代なら、二大国とも下請けの垂直分業体制にあって、それぞれの体制を代表した交渉であったが、ロシアも、いまや独立したひとつの国であって、股分はいない。

まったく、時代の変遷に驚くばかりである。

裏をかえせば、この変化に気づかないで、変わらぬ戦後体制、として認識してきたことの愚が明らかになったのである。
要は、あらためて現代の「戦後」とは、「冷戦後」のことであって、「第二次大戦後」のことではない。

中国が日本に替わって世界の工場になれたのも、タイミング的に「冷戦後」にあたる。

この重大な「戦後」の共通理解をしているのが、トランプ・プーチンの両首脳であって、英国もEUも日本も、いまだに「第二次大戦後」に凝り固まっているから、このふたりの発想についてゆけないのである。

しかして、プーチン氏は、その冷戦に敗北した「敗戦国」としての認識をもっているために、日本やドイツの立場を痛いほど理解しているとおもわれるし、KGBでの職務上から、プーチン氏はドイツ語に堪能であることすら無視されている。

一方のトランプ氏は、40代でニューヨーク市の不動産王に成り上がった大富豪であって、カネに目がくらんで下心まんさいの従来型の政治家ではない。
だから、伝統的なエスタブリッシュメント(多くが民主党支持)から、コントロール不能なことで徹底的に嫌われるのである。

しかも、トランプ氏には、第二次大戦の戦後体制こそが、そのアメリカ民主党エスタブリッシュメントたちが国家(財政)を食い尽くしたと分析・確信しているために、ハッキリとちゃぶ台返しをやっているのであって、それがまた、わが国にとっての「国益」だと認識できないのは、自民党も官僚とともにおなじく国家(財政)を食い物としてきたからである。

すでに、中間選挙の期日前投票がはじまっていて、過去とちがって、共和党支持者の投票数が民主党支持者よりも多いと話題になっている。
加えて、民主党系世論調査会社が「社会実験」として、データ改竄をしていたことも発覚し、いよいよ蓋を開けないと分からないようになっている。

トランプ派企業に買収されたとはいえ、雇用契約上従来のスタッフが多数残るCNNでさえ、民主党の絶対有利をとり下げはじめて、「もしや共和党の勝利」もあり得ると報じている。

もはや、世論調査が役に立たないために、実数カウントが頼りなのだ。

大統領の与党、共和党が中間選挙で上・下両院を制したら、これはこれで、戦後(第二次大戦後の方)で、過去2回しかないかなり珍奇な歴史的事態となる。

それがまた、G3へと続くのである。

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