ぶったまげの全世代型社会保障

まだ1月なのに、今年2020年が歴史にのこる年になりそうだ。
オリンピックは、やっぱり「衰退の象徴」になるのか?

「福祉元年」を宣言したのは1973年、田中角栄内閣であった。
すなわち、わが国は「正式に」、これによって「社会主義国」になると表明したのである。
あれからほぼ半世紀が経った。

こんどは、安倍内閣が20日、通常国会冒頭の首相施政方針演説で、「共産主義国家」になると宣言した。
「全世代型社会保障」とは、共産主義の実践にほかならない。
とうとう、行きつくところまでいった感がある。

わが国政府は、「自滅」を宣言してしまった。

もう、政治の基準がなんだかわからなくなったから、共産党も大御大・不破氏を中央委員に再登板させることになったのだろう。
自民・公明党政権が、とうとう「宿敵」共産党のお株を奪ったのだから、それはもう「パニック」だろう。

これに、「第4次産業革命」を「国家がやる」というはなしまで演説にくわわっているから、もうどうにもとまらない。

日本政府は「発狂」した。

安倍政権は、わが国「(左翼)政界」のぜんぶを呑み込んで、事実上の「翼賛政治」に変容させようとしている。
これは、世界史上初の「無血革命」だし、実務をともなう「共産党宣言」にほかならない。

わたしの人生で、最大級の「ぶったまげ」の政治ニュースである。
2020年の施政方針演説は、後世、滅亡の一里塚、として歴史的価値をもつはずだが、それは後世の歴史家が、日本人を「愚かな国民」としてレッテルを貼る、最大の理由になろう。

すでにわが国の経済は、「国家依存」がはなはだしい。
昨年暮れに政府が発表した、2018年の名目GDPは、4兆9564億ドルだった。
1$=110円とおおめになるように計算すれば、545兆2040億円となる。

国家予算と地方予算の規模は、一般会計だけでなく特別会計もくわえなければならないが、国家・地方ともに「不明」ということになる。
特別会計にある、元公団や財団が、さらに傘下におさめる株式会社が子会社どころか、ひ孫会社、やしゃご会社ほどまであるからだ。

猪瀬直樹氏が都知事になるまえの評論家だったとき、道路公団の民営化委員になって、財務内容が「さっぱりわからない」とテレビで、わからない理由をわかりやすく解説していたことをおもいだす。
なるほど、わからなかった。

それで、すったもんだしながら「民営化」されたが、中途半端な感じがするのは、やっぱり「わからない」ままだからである。
これが、道路公団「だけ」の問題だった。
NHKもなにもかも、ぜんぶおなじ構造のままになっている。

株式会社については、いろいろと命令して、なにかと「情報公開」にうるさいが、国民資産で運営している組織のほうは、さっぱりわからないようになっている。
旧ソ連、東欧のひとたちには「なつかしさ」があるはずだ。

そんなわけで、けっきょく、わが国の「公的部門」がどのくらいの規模なのか?いまだにさっぱりわからない。
国民がわからないだけでなく、財務省の役人すらわからないのは、全部を統括する役所がないからだし、そもそもわかるようにさせる「法」もないからである。

だから、「ざっと」としか推測できない。
それで、でてくるのが「350兆円ぐらいでは?」なのだ。

これは、GDP比で「64%」ほどになる。

なんと、わが国は民間のボリュームが36%しかない。
みごとな社会主義が、もう達成されている。
それを、もっと政府が頑張って推進しますと、総理が演説したのだから、目指すのは「共産主義国家」しかない。

元全共闘のひとたちを中心にした、お年寄りたちが「安倍やめろ」という運動をしているが、安倍政権は、このひとたちの「理想社会」をつくろうとしているのになぜなのだろう?

それに、「保守」を自称するひとたちが、極左政権なのに「安倍支持」なのもなぜなのだろう?
日の丸に敬礼する姿だけしかみないからなのか?

それは、日本国民が「卑しくなった」からである。
正確には、卑しくなるように仕向けられたのだ。

「どっちが得か?」という命題が、いつのまにか「国からもらうおカネ」の「もらい方」になってしまった。
年金しかり、ふるさと納税しかり、はたまた生活保護しかりである。

こうして、エサをまかれた国民は、不労所得のごとく、国や自治体から「もらえるものをもらわなければ損になる」と擦り込まれたのである。

「一億総乞食化」が達成できた。

「もっともらえます」「もっと差し上げます」ということが、選挙で当選する条件にもなった。
だから、年金けずります、とはぜったいにいえなくなって、だれだって当選したいから、こころある候補者もだまっているだけになるのだ。「発言しない議員」はこうして生産される。

このように、全候補者が「社会主義を容認する」メカニズムがはたらくので、政権与党は絶対的議席数だけがほしいから、「もっと」を強調するだけでよい。
その挙げ句が、共産党の主張まで呑み込んだのである。

わが国は、社会が安定しながら滅亡するモードにはいった。

もうだれにも止められない。
民主党政権を、よりスマートに、より過激化したのが安倍政権である。
さて、どうしたものか?

これから、「エクソダス(大量の国外脱出)」が本格化するだろう。
衰退が加速化する「元年」となりそうである。

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