天皇の政治利用「SDGs」

世界最古の王朝が継続しているわが国の中心は、天皇である。

ここで重要なのは、「君臨」という意味で「上」におわしますということではない。
ひとは、あたかも、ピラミッド型の「頂点」だとイメージしがちだけれども、渦の「中心」のイメージが正しい。

いわば、台風の目のごとく「静謐」があるのはこのためだ。

歴史的に天皇が歴代という年輪を重ねてきたのは、王朝初期の血なまぐさい継承争いから、「安定」があったからである。
なぜなら、直接の「統治」も「君臨」もせず、「権威」のみを保持してきた「厚み」がそうさせた。

この「厚み」とは、歴史的厚みのことだから、日本人は「歴史=家系」を理解していたということである。
歴史を理解しなくなれば、価値も厚みもあったものではない。
逆に、遺跡や歴史的建造物を破壊するのは、その歴史が都合わるいひとたちによって行われる。

マルクスの書き物以来、その筋の勢力が、伝統的家族の破壊に積極的なのは、従来の歴史を家庭から破壊することができるからである。
そして、あたらしい歴史=唯物論こそが、唯一の価値だと決めて、他の価値をすべて否定し、反対者たちを弾圧・排除することが正義となる。

この意味で、わが国の天皇こそが、排除の対象としての「象徴」なのだ。

中心を取り巻く「雲」であった、宮家と公家が没落したのは、勝手に没落したのではなく、没落させられたからである。
ここに、意志が存在する。
しかしてその方法が、また陰湿で、法ではなくカネで実行した。

すなわち、「予算削減」をこえて、「予算停止」をやった。
生活できなくしたのである。
こまったひとたちがとる最後の手段、家屋敷を売却するように仕向け、「宮家=Prince」の跡地にできたので、プリンス・ホテルを名乗ったのだった。

法治国家と自慢するけど、実態は法とはぜんぜん無縁で、これをやらせたGHQ=アメリカ民主党と、戦争責任を1ミリもとらなかった大蔵省が結託して実行したのである。

これによって、わが国の中心が衰退する。
わが国を二度と立ち上がらせないための、「脱骨」がアメリカ民主党政権の占領政策の基本方針だから、まったく合理的な方法であった。

国内における、民主主義の世の中だから、という理由は詭弁のプロパガンダに過ぎず、戦前・戦中の国会の方が、いまよりずっと機能していた。
それを、あたかも、「機能不全」と決めつけるのは、ある特定の思想をもったひとたちの常套手段なのである。

さらに、対米関係でいえば、民主党政権からアイゼンハワー共和党政権に移行したときがチャンスだったのに、わが国は「反動」の訴えをしていない。
むしろ、国民から嫌われた岸信介の政権になっていた。

国民は、岸が満州でやった社会主義帝国の実現や、商工次官のくせに自由主義者にして阪急の創業者、小林一三商工大臣との決定的対立を演じたことを覚えていたのだ。
しかしながら、戦犯の獄中で取引して、とっくに彼はCIAのエージェントになっていたことを、当時の国民は知る由もない。

そんなわけで、初期設定の間違いが修正されないままに、80年近くもやってきたら、ちょっとだけの角度の違いが、とんでもない誤差となるように、わが国の方向を狂わせて、修正不可能までになってきた。

それでとうとう、戦後から三代目にして、日本という台風の勢力が衰えて、「目」がハッキリとしなくなってきた。

これまで、天皇の政治利用として厳しく問題提起してきた「野党」も、都合よく黙殺するのが、昨日14日の「GEA国際会議」開会のご挨拶である。
GEAとは、「地球環境行動会議」と訳しているけど、「Global Environmental Action」が正式名称である。

しっかり頭に「Global:グローバル」がついているから、グローバリズムというあたらしい左翼思想を基にした、グローバリストたちの集合体だ。
HPには、パンフレットが日英語版でつくられていて、賛同するひとたちの顔写真もあるので、チェックするといいだろう。
海外顧問の筆頭が、アメリカ左翼の代表、ジミー・カーターである。

このパンフレットは日本版、「沼」の住人たちのリストなのである。
印刷して保存する価値は、十分にある。
いわばわが国で、「沼の水抜き掃除」をするときの証拠になるのだ。

こんなドブのようなところに、両陛下を出席させて、天皇陛下には、「持続可能な社会の構築に向けた具体的な取り組みがさらに進むことを願い」と、具体的な政治的ご要望をいれた挨拶をさせた。
あたかも日本人の総意とするのは、きわめて悪辣な政治利用である。

いったい誰が、起案して、よくも宮内庁が許可したものだ。

その「歩み」をみれば、いかに時間をかけて、ゆっくりとしかし確実に、わが国の中心を侵し穢してきたかがわかるので、あんがいムダではない。

来年は、邪悪なグローバリズムとの対決がいよいよ本格化する。
過去の基盤が揺らいで、どんなことになるかはわからない。
国連だって、解体されるかもしれないのだ。

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