心理的免疫のつくりかた

現代は、すさまじい「プロパガンダ合戦」が行われている時代になった。

すべてが「情報戦」の様相を呈するのは、ふだんの何気ない「コマーシャル」を応用しているからである。
けれども、おおもとは、プロパガンダの応用がコマーシャルだったのである。

むかしのひとには「教養」があったので、ラジオすらない時代の新聞にも欺されなかった。
その証拠に、新聞記者のことを「聞屋」と呼んでいて、作家を「売文稼業」ともいっていた。

わが国の新聞は、「瓦版」が発祥だというけれど、どうしてこれを「よみうり」と呼んでいたかといえば、娯楽としての「ゴシップ」を楽しんでいたからである。
だから、とうてい「新聞」とはいえなかった。

いま、わが国で一番売れている新聞は、やっぱり「読売」だ。
「スポーツ紙」におカネを出して買うことの意味が、いまだによくわからないのだけれども、それは、「読むべき記事がない」ことに尽きるからである。

そうした目線で、たまに飲食店に放置されている「読売新聞」をみて驚くのは、やっぱり「読むべき記事がない」ことに気づくからである。
けれどもこれは、「全紙」にいえることだから、特段、読売新聞が悪いということではない。

野蛮な欧米との文化的「格差」で、日本人のたいがいは「読み書き算盤」ができたから、読み書き算盤ができるはずもない欧米一般人とは、ぜんぜん「レベル」がちがったのである。

にもかかわらず、欧米人の方が優れていると、21世紀のいまだに勘違いしているままなのである。
この勘違いの原因は、二つあると思う。

一つが、いち早く他の民族を奴隷化した植民地からの収奪で得た、金ピカの経済力だ。
もう一つが、その余裕から投資できた、科学技術の進歩であった。

アヘン戦争でボロボロにされたのが、黒船を建造する科学技術の「格差」だと思いこんだことの、ボタンの掛け違いを発端とする。

これを、「洗脳」とふつうはいう。

その「裏」にある、日本人からしたら「異常な貪欲さ」に気づかずに、不平等条約を結んでしまったのは、「武士に二言はない」という常識が、あろうことか「進んでいる」はずの欧米人には「微塵もない」ことに気づかなかったからである。

それでもって、「欧米化」してみたら、現代日本人エリートにも「武士に二言はない」が微塵もなくなったのである。
けれども、「庶民」ほど、この美徳が残っているから、これを知っているひとたちは、平気の平左で利用するのである。

だから、よろこんで出した「支援金」を誰が何に使うのかには興味がないなら、かなり「やばい」ことだと反省したいものだ。
8日、15万人の日本人が、40億円を越える支援を在日ウクライナ大使館の「特設口座」に入れたことがわかった。

もしや、「武器購入費」になるかも?とは、おもわないのは「平和ボケ」か?
正義の満足感に浸るのはご自由だけど、それが「ネオナチ」への支援だと気づかないのはいかがなものか?ということも、微塵も疑問に思わないなら、プロパガンダの見事な勝利といえる。

きっと、「マスク警察」をやったのは、こうした「善男善女」にちがいない。
肝心要の、「喧嘩両成敗」を忘れた一部の日本人の「哀れ」がここにある。

さてそれで、どのようにして人心を把握するのか?が、プロパガンダを含めた「宣伝」の基礎情報を求める原動力である。
その最大の成功事例が、アメリカを湾岸戦争に駆り立てた、「ナイラの証言」であった。

時代は、父ブッシュ政権のときである。
共和党とはいえ、軍産複合体の代理人一家なので、民主党クリントン政権、オバマ政権、それにいまのバイデン政権との「お仲間」だ。

1990年10月10日、連邦議会人権基金という「非政府組織」(委員長は民主党・共和党議員の二名共同)において、15歳のクェート人(亡命)少女「ナイラ」が涙ながらに訴えた「証言」が、アメリカ人の「正義の琴線」に触れたのである。

それは、彼女が最年少でボランティア活動をしていた病院に、イラク兵が突入し、保育器にいた新生児をつぎつぎと虐殺した、という話だった。
すなわち、突然クェートに侵攻したイラクが悪い、ということの、決定的な「証拠」となったのである。

大統領もこの証言を「何度も引用」して、とうとう「湾岸戦争」になったから、その「引き金」となったことで歴史的意味をもつ。

さてその後の、「調査」で、この少女は、駐米クェート大使(王族)の息女だったことが判明して、生まれてこの方、一度もクェートの地を踏んだことがないこともわかった。
なお、「証言」では、父親の大使も同会場に他人を装って出席していた。

まさに、歴史を創った「茶番劇」の「悲劇のヒロイン」だった。
当然だが、ナイラとは「偽名」であって、大使の娘であることは、「極秘」扱いでもあったのだ。
肝心の病院での新生児「虐殺」の証拠は、やっぱりどこにもなかった。

息子大統領が言った「大量破壊兵器」がなかったことも有名だけど、親子揃ってついた「うそ」に一切の「責任」をとってはいない。

そして、「仕掛けた」のが、「広告宣伝会社」だったのである。

もちろん、会社にはクェートからたんまりの「報酬」が支払われていたこともわかったのは、「カネの流れ」からの動かぬ証拠だし、「ただ」でやれる「仕事」ではない。

さらに、この広告宣伝会社は、調査協力者となったテレビ視聴者に、ある「端末」を配布して、これを握りながら視聴するように要請していた。
こうして、人間の「反応」をモニターしたのである。

クライアントには、どんな単語やフレーズが視聴者の反応を得たかを分析するサービスをしていた。
こうして、「効果がある言葉」を収集してもいた。

いまは、腕時計型の端末とか、スマート・スピーカーを、消費者が自分で「購入してくれる」ようになって、それがコスト削減になっている。
それをまた、「ビッグデータ」と呼んで、あたかも「無害」の宣伝をしている。

まずは、こんなことをしているのだと知っていていい。

それから、ネット検索や、ネット購入する書籍にも注意がいる時代になっているのは、自分の好みに沿った情報や書籍が、「お勧め」にでることにある。

一見、便利なのだけど、ヘビーユーザーほど、推奨してくれる情報や書籍が「特定範囲」に絞り込まれる弊害がうまれるのだ。

なので、なるべく、自分の趣味ではない情報や書籍に「いいね!」をつけることで、これを、「防止」できる可能性が高まるのである。
おおくの場合、相手がアホな「AI」だからである。

最初はストレスになるかもしれないが、特定の情報しか見えなくなることの「損失」のことをかんがえれば、「耐性」をつくらないといけないことになってきている。

これが、「心理的免疫」になるのである。

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