セルビアとブルガリアの選挙そして

ブラジルの選挙とおなじ、25日、バルカン半島のセルビアとブルガリアでも選挙があった。

セルビアでは、学生が主導して政権交代となり、ブルガリアでは親露派による政権交代となった。
ただし、セルビアの学生が立ち上がった主たる理由が、「反汚職」であったので、外交志向はあやふやなままである。

むろん、ヨーロッパ最貧国のひとつブルガリアでも「汚職問題」は深刻であるために、新政権がどのような対策をたてるのか?あるいは、なにもしないのか?に注目があつまっている。
ただし、こうした情報を流すマスコミは、汚職大国世界一級のウクライナについて語ることはない。

親露派による政権は、これからEUからの嫌がらせに直面するのだろうが、もしや「蟻の一穴」となって、ブルガリアのEU脱退から崩壊がはじまるかもしれない。

じっさい、もはや「米露同盟」が隠しようもないレベルとなったために、親露派とは、じつは親米派(あくまでも「親トランプ派」)の意味も含むのである。

ちなみに、セルビア(旧ユーゴスラビアの一部)とブルガリアは隣国同士で、ブルガリアは黒海に面しており、南部はギリシャとの国境である。
北の国境は、ドナウ川で、その対岸はルーマニアだが、この両国はたいへん仲が悪く470㎞ある国境に架かる橋は、なんと二つしかなく、しかもそのうちの一本は2013年の開通なのだ。

このことから、ブルガリア人は、北ではなく東岸の黒海からロシアやウクライナ(オデッサ、あるいはクリミア半島)をみていることだろう。

こうした流れとは関係なく?27日には、全世界注目のイスラエルの総選挙があった。

この人口が1千万人もいない小国が、軍事力にものをいわせているのは、アメリカからの軍事支援だけが理由ではない。
周辺のアラブ諸国にない、教育制度の充実で、近代兵器を扱えるばかりか独自設計できる人材がいることがおおきいのである。

しかして、イスラエルの選挙結果が膠着した。

この間、ブラジルでは、アクション映画のような展開がはじまり、大統領(行政府)と結託した大法官(最高裁判事)たちによる政治弾圧の魔の手から逃れる脱出劇があった。
これを成功させたトランプ政権2.0のおそらくCIAは、驚くべき仕事をした、といえるだろう。

逃亡ルートは、ルラ再選に祝辞を拒否した南米大陸唯一の大統領ミレイ氏が率いるアルゼンチンを皮切りに、ここから親米政権のエクアドルに飛び、さらにトランプ氏の拠点フロリダを目指したのである。

マルコ・ルビオ国務長官は、ボルソナロ氏一家へのビザ発給をすぐさま認めた。

なんだか、名作『サウンド・オブ・ミュージック』のような展開なのである。
しかし、ボルソナロ氏一家が亡命した、というよりは、トランプ政権2.0が一家を保護するために、相当前から準備していたとかんがえられるし、トランプ氏は国内の中間選挙中にあって、「ブラジル選挙を近い場所から見張りをする」と公言していたのである。

それは、自身の2020不正選挙における敗北経験からの、教訓、であり、なお、同じ手口が用いられることへの警戒と先手をいかに打つか?という、二重作戦であった。

ボルソナロ氏一家が国外にあることで、上下両院議会での絶望的な議席しかないルラ政権は、いかなる汚い手を打つのか?が注目される。
議会が、最高裁判事と大統領を弾劾するシナリオがすぐさま浮かぶので、いきなり戒厳令を敷いて、ゼレンスキーのような立場とするのだろうか?

そうなると、BRICsの仲間のはずのロシアが動くのだろう。
正統性が疑わしい、と。

そんなわけで、海外投資家ばかりか国内富裕層の国外逃避(主にスペインやフロリダ)が早くもはじまっていて資本が消え(キャピタルフライト)てしまい、政府はまともな経済・財政政策をとれないのが現実なのである。

ようは、「詰んだ」のである。

ルラに投票した、政府依存の末路である強烈なインフレがブラジル人を痛めつけることになろうが、それがまた、民主主義における投票行動の責任なのである。

この先のドラマは、きっと勧善懲悪の映画化にされて、世界の子供にとって、いい意味の社会教材になるにちがいない。

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