芸術化したダブル・スタンダード

「ダブル・スタンダード」とは、日本語で「二重規範」と直訳されている。
かんたんにいえば、「ご都合主義」という日本語の方がなじむ。
その時その時で、自分に都合のよい「論理」を押しつけることをいう。
だから、一貫性がないのは当然だ。

ふつうのひとがこれをやったら、たちまち仲間うちからの信用をなくすばかりか、嫌われ者になるだろう。
「なにいってんの?」と。

ところが古今東西、権力者はこれをやる、という習性がある。
なかでも、「絶対的」権力者がやるから、やられる側(被支配者)は、おそろしく理不尽で悲惨なめにあうこと必定となる。
国家レベルだけでなく、あらゆる組織レベルで発生する悪夢だ。

昨今の企業組織にみられる、「パワハラ」も、あんがいこれにあてはまる。
その前兆が、仲間うちでの「声の大きさ」だったり、「マウント行動」だったりする。
もちろん、マウント行動じたいが支配欲からなるものなのは、犬の習性をみればわかる。

つまり、「支配欲」という欲求が、人並み以上に強くて、一方で、周辺から「よい子」として育て上げられたうえでの、「自分かわいさ」という「幼児性」をあわせもった人物が、権力を手にすると、その支配下にあるものには、絶対的服従を求めるようになり、自分より上位のものには、自ら絶対的服従をするものなのだ。

すると、こうした人物は、自分が組織内で昇格する理由を、上位者への絶対的服従の結果だと思い込みながら、自らの「優秀性」に自己満足もするのである。
だから、組織のトップは、このような人物の危険性を察知しないといけないのだ。

ところが、上位者への絶対的服従を貫くから、上位者は視野を広げていないと、見抜くことはできない。
さらに、上位者が、部下の絶対的服従を喜ぶ傾向にあるなら、その危険性を察知するどころか、「かわいがる」という同類としての態度をとるのだ。

このようにして、組織は頭から腐るのである。
いやむしろ、そもそも頭が腐っていることが原因なのだ。
すると、いまの「頭」が選ばれた過程にもさかのぼれば、あんがいと「歴代」が腐っているものだ。

こうなると、その組織文化という深層までもが汚染されていることに等しいから、このような組織の「再生」には、たいへん苦労する。
「業績不振」になって、経営者の交代が実施される理由は、以上の意味での「経営責任」追求の結果なのである。

「数字の悪化」だけが理由なのではない。
その数字が悪化した根っこに、組織を腐敗させたトップの責任がある。
たいがいの「業界」で、同業で同時期なのに、業績優秀企業とそうでない企業とに分類できるほんとうの原因がこれなのである。

そこには、絶対的服従というダブル・スタンダードがあることに注目しよう。
上位と下位への、正反対な指示・命令があるのだ。
そして、歴代がこのような価値観なら、その組織には、かならず「既得権」がある。

すなわち、腐った頭が組織全体を腐らせるのは、組織全体に「既得権保持」という思想と行動が蔓延するからである。
くわえて、組織人がトップの意向を無視して、自分たちの「既得権保持」を優先させることもある。

これを国家レベルで解明・披露したのが、トランプ政権による「ディープ・ステート」との死闘であった。
「陰謀論」として、まともに論者に相手にされなかったものが、白日のもとにさらされた。

これこそが、公約をほとんど果たしたトランプ政権でも、「最大の成果」といえるのだ。
多くの国民が、そこにある「ディープ・ステート」を目撃したからである。

政権移行前に公表した、ラトクリフ国家情報長官の覚書は、2018年の「選挙に関する大統領令」で義務づけられ上院に提出した、「国家情報長官による報告書(これ自体機密)」の内容についてのコメントだった。
驚くべきは、「この報告書は採用されるべきではない」とある。

トップの意向にぜんぜん従わない、情報機関の官僚機構が、まさに「既得権保持」を優先させたと、長官本人が曝露したのだ。
これは、別に提出された、国家情報長官を監査する立場からの議会報告書もおなじく、「採用すべきでない」としたことが注目に値する。

つまり、行政官僚の組織が、行政府の長である、長官ばかりか大統領令までも、葬ったのである。

国民のための政府にする、というトランプ氏のいい分は、民主主義国家なら当然のことだからスルーされがちだけど、とっくに「既得権保持」という価値観が優先された官僚政府になってしまっていた。

これが、世界を震撼させたのだ。

「既得権保持」をしたい世界のひとびとが、一斉にトランプ政権を攻撃した理由が、国民のための政府になっては「こまる」からなのだ。
世界の政府役人と政治家ばかりか、マスコミも経済界もこれに乗った。
CNNがとくに批判されたけど、BBCだってロイターだっておなじだ。もちろん、NHKも。

ふだんから「民主主義がたりない」と政治家や政府を批判するひとたちが、トランプ政権潰しに全力投球したのは、世界が「ダブル・スタンダード」に満ちていた証拠となった。
そして、情弱なひとたちは、芸術的なダブル・スタンダードによって、みごとにコントロールされていることも判明した。

まさに、暗黒と光の闘いを目撃したのだ。

これは、人類最古の経典宗教、「ゾロアスター教」(紀元前1000年頃)の世界である。
しかして、「光=明」が最終勝利するのがゾロアスター(ザラスシュトラ=ザラストラ=ツァラトゥストラ)の結論である。

現代人類は、古代に回帰しているのである。

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