マリーヌ・ルペンは勝利するか?

1回目の得票率は、中道の現職マクロン氏が27.8%、極右「国民連合」ルペン氏が23.1%、急進左派のジャンリュック・メランション氏が21.9%、極右のエリック・ゼムール氏が7.0%だと発表された。

「中道」とか、「極右」とか、「急進左派」と、かまびすしい「レッテル」を貼っている。
これらの「効果」がどれほどなのかはわからないけど、他国民にあたえる「印象操作」であることは間違いない。

なぜなら、自称しているならまだしも、報道機関が勝手に定義しても、その根拠を示さないのだ。
なにをもって、「中道」なのか?
なにをもって、「極右」なのか?

もちろん、「右翼」、「左翼」の語源は、フランスにある。
革命によってできた、議会の「座席」が、たまたま、「王党派が右」、「革命派が左」に座ったことを起源にしているからである。

では、「王党派」とはどんな主張のひとたちで、「革命派」はどんな主張のひとたちだったのかを言え、といわれて困るのが日本人なのだ。
おそらく、フランス人はしっている。

だから、日本人向けに「日本語で」、「右翼」や「左翼」というのは、じっさいに「何を指すのか?」がわからない、曖昧な表現なのである。
つまり、「気分」をいうものだから、「印象操作」にすぎない。

たとえば、右翼を国粋主義だと規定しても、その国の「体制」に依存する。
民主国家における国粋主義と、共産国家における国粋主義は、おそらく「真逆」になる「主義」なのだ。

だから、フランスという外国を相手に、「右翼」だ「左翼」だといってレッテルを貼ることは、ぜんぜん意味がないばかりか、印象操作で誘導される危険の方が高い、「悪質」な報道なのである。

ましてや、「中道」とはいかに?
そもそもが、「中道」とは、「仏教用語」としてある日本語だ。
なのでこれを、「政治用語」として使うことこそ、宗教利用の印象操作になるのである。

マクロン氏のこの5年間をみれば、「世界経済フォーラム:ダボス会議」と連携した、「グローバリスト」だといえる。
すなわち、いま「中道」という用語の意味は、「グローバリズムを推進するひとたち」ということになる。

すると、これを、「基準」にすれば、「急進左派」とは、「急進グローバリスト」を指すし、「極右」とは、「ナショナリスト」を指すことになる。

じっさいにマクロン氏の5年間を振り返れば、2018年11月17日(土曜日)からはじまった、「黄色いベスト運動」がまだ継続している。
この「運動」の「あたらしさ」とは、「左・右」ではなくて、「上・下」となった社会での、支配者たちに対する抗議なのである。

そのために、「王党派」までもが、この運動に参加していて、「上から目線」のマクロン氏の大統領辞任を求めているのだ。
王でもないのに王権を振るうがごとくのマクロン氏の政治姿勢が、許せない、のである。

つまり、マスコミ報道における、「区分け」の「古さ」は否めない。
もはや、キーワードは「支配・被支配」になったのである。

そうやってみると、マスコミが「極右」とかならず表示する、国民連合のマリーヌ・ルペン女史の主張とはなにか?を分析すれば、「被支配者」に光を当てる議論をしているのである。

このことを侮ってはならないし、それを「極右」というのか?というのは、確かにおかしなことなのである。
よって、ルペン氏は、トランプ氏やプーチン氏を支持している。

ただし、ウクライナ侵攻をしたことは、批難しているものの、「戦争後」になったら、プーチン氏と連携する旨を明言している。
これは、「ハンガリー」の立場に近く、さらにルペン氏は、NATOとEU離脱を志向し、欧州中央銀行制度を否定している。

各国通貨バスケット方式を提唱している点は、ハイエクのいう自由通貨制度に近い。
本来であれば、まっ先に英国・保守党が言うべきポイントだ。
これを言う、ルペン氏が極右だとすれば、ほとんどが極右にされてしまう。

NATO離脱をいっても、フランスはれっきとした核保有国である。

わが国とは、この根本がちがう。
しかも、核シェアリングの議論すら、自民党は封殺した。
いつ、ロシア・中国から、核の脅しをうけて、国家が分割されるかもしれないのに。

さてそれで、5年前とおなじマクロン氏とルペン氏で決選投票となった。
フランス人は、どんな決定をするのか注目されるのは、フランスがかつての大国ではないけれど、ヨーロッパの方向を示すことになるからである。

もちろん、全力で世界経済フォーラムは、手先のマスコミを動員してマクロン氏を支援するにちがいない。

ただ、マリーヌ・ルペン女史が勝利しても、わが国には直接の影響はない。

フランス大統領選挙が示すのは、世界は「上・下」の闘いになっていること、ここに絞られるのである。
すると、わが国の既存政党はすべて、「上」で、「下」が存在しないことに気づく。

いわば、最大の「無党派層」とは、「下」を求めている。

まさに、フランス大統領選挙の「見どころ」はここなのである。

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