「高市人気」という幻想

「プラザ合意」(1985年:昭和60年)後は、「中曽根内閣円高不況」ともいわれた時期があって、1ドルが、240円程度から120円へと急上昇したことでの「輸出(業)不況」のことをさしていた。

これがまだ都内でも軒数が少なかった、「高級ホテル」に影響して、いかにも外国人宿泊需要とは、占領期にできた「国際観光ホテル整備法」にいう、「輸出業(外貨を稼ぐ」という意味)」とおなじだと業界人が再確認したものである。

それで、わが国を代表する経済新聞も、業界誌・紙も、どこもかしこも「円高による外国人宿泊者の減少」を書きたてたことがあった。
軒数が少ない、既存高級ホテルの発表する数字をまとめた「だけ」をみれば、そのとおり、だったのである。

けれども、その中の「高級ホテル」で、まだ新入社員にちかかったわたしは、フロントの夜勤時に、両替サービスの「交換レート」と外国人比率の推移を、関数電卓(まだ「パソコン」が職場になかった)で二変数統計計算をしてみたら、まったく相関がないことに気がついてこれをレポートしたことがある。

しかし、当時の上司から、「理由をあきらかにせよ」との命を受けて、つぎの夜勤時に、実数での計算を試みたところ、外資系企業との宿泊契約がごっそりなくなっていることに気づいたので、その分を加味すると、なんと相関係数は「0.98」という凄まじい高水準を示したのである。

それで、向こう1年の予測値を出したら、実績値がほぼ誤差±2%ポイントの範囲で合致したので我ながら驚いたことが記憶にある。

結論をいえば、この年に「東京全日空ホテル(当時)」が開業し、六本木ヒルズに丸ノ内から外資系企業の移転があったのだった。
つまり、新規開業したホテルに、客層ごと奪われただけ、だったのである。

それを、「円高だから」としていたのは、滑稽であった。

さてそれで、「高市人気」だから、衆議院総選挙で自民党が結党以来最大の議席を確保する「大勝利」となった、というフレーズの似ていることに気づく。

ところが、この2月の国政選挙から後の、3月8日の石川県知事選挙、同月29日の東京清瀬市長選挙、そして先週12日の練馬区長選挙と、自民党は一勝もしていない三連敗なのである。

そこで、2月の総選挙を振り返れば、「公明党」と「立憲民主党」との野合による、「中道改革連合」が1人負けした「だけ」で、ぜんぜん「高市人気」なんてない幻想だったとわかるのである。

それでも、「高市内閣支持率」が高水準だということ「だけ」で、まだ、「高市人気」をマスコミはいいたてているが、主たる「高支持層」とは、「若年層」なる「少数派」の支持が高いことに重みがある、という。

しかし、その支持の理由は、おそらく「消費税減税」やらの暮らし向きに関する昨今の自民党としては珍しく「自由化」をいったことへの「おおきな期待」にちがいない。
これを、「事前期待値」としてかんがえたら、自民党内の反自由主義=社会主義勢力(約半数ほどの国会議員)が全力で阻止するのは必然なので必ず失望のうねりが起きるだろう。

つまり、期待感が強ければ強いほど、その反動で失望=不支持がふえるのは既に決まっているである。

これはなにも、若者層が情弱だから、ということではなくて、本当に生活苦があって、結婚もできないことの深層の理由のような言い訳、としての「個人主義」が学校で教えられていることの「自民党社会主義勢力」による洗脳の成果でもある。

この点でいえば、「高市内閣支持層」とはまた別の、「自民党支持者」の大半に「(後期)高齢者層」があるのは、惰性と情弱、それになによりも関心がなく無責任で生きてきた人生が理由だからであろう。

しかして、その心の挫折とは、全共闘世代にみられる共通なのである。

ただ、全共闘世代=後期高齢者=団塊の世代が、この世を去ると、必然的に激変する。

彼らの「巨大な人口の塊」が、かつての「アメリカナイズされた若者文化」を形成しただけでなく、「市場を多数で席巻した」からである。
そのために、わが国は文化だけでなく政治でもこの世代の価値観にずっと引きずられてきたのであるが、それがいよいよ終焉をむかえるのである。

ベースにある自民党支持の高齢者の塊を失うことの必然に、自民党は典型的な「硬直した組織」そのものにみられる「自己変革」ができない。
それもまた、仕組みとしてこの政党のなかに組み込まれているメカニズムであるからだ。

なぜなら、圧倒的多数の世代の塊に最適化してきたことで、政権を維持することができたからである。

よって、こうした仕組みが、これからまもなくして、「逆回転」をはじめ、組織の維持すら困難になるであろう。

そのはじまりが、上に挙げた、地方首長選挙の三連敗である。

すると、自分の保身だけが心情の「議員たち」が、泥船からの脱出を試みることがブームになる。

並行して、高市内閣の「失策」が目立ちだすので、より崩壊速度が加速するであろう。

まったく、自分の重力によって内部へ崩壊するとみられる、赤色巨星ベテルギウスの「超新星爆発」と似たメカニズムがはたくのである。

『北斗の拳』でいう、「自民党・高市政権はもう死んでいる」のであるが、それが認識できるまでのタイムラグが、ベテルギウスなら642(光)年であるように、いつわかるのか?だけが問われているのである。

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