あんがい冷静なトランプ大統領

マスコミは「(共和党の)壊滅的敗北」と喜々として報じているが、はたして例によって「逆神プロパガンダ」だとすれば、ほんとうはなにを意味しているのか?

アメリカ政治のめんどうくささは、共和党にも民主党にもそれぞれ対立する「派」があって、これらが絡み合っていることにある。

だから、二大政党制だからといって、かならずしも「二択」とはならないのが、まじめな有権者をして悩ませるにちがいないし、そうではない有権者は「カネの匂い(政府依存の補助金)」に釣られるのだろう。

この100年余りをふりかえれば、ケインズ主義(「ケインズ革命」とも呼ばれた)事実上の介入主義すなわち本質的には社会主義・共産主義=全体主義の緩やかなる入口が、あたかも西側自由主義圏での常識となったけれども、その嚆矢となったのは、ヒトラー政権の経済政策で採用されたことだったし、スターリンの五ヵ年計画も同様だった。

こうした「成功」を目の当たりにして、アメリカではおそるおそる採用した共和党フーバー政権に対抗して、積極的介入主義を掲げたフランクリン・ルーズヴェルト民主党政権がなんと20年も続いて、アメリカ人から「開拓精神の骨抜き」が浸透しはじめたのである。

当然に、ドイツの同盟国だったわが国も、近衛内閣で本格採用したから、自由主義者の小林一三商工大臣(阪急創業者)が憤慨して民間に戻ることにもなっている。
その小林一三と犬猿の仲だったのが、まだ官僚だった岸信介なる介入主義者で、わが国のいまにつづく「戦時経済体制」が確立されたのである。

敗戦によって、国家の介入が混乱し、まずは食料不足に集中したおかげで、経済界に「自由」がもどり、これが嵩じて高度経済成長となった。

国家滅亡したドイツの、自由主義者・エアハルト経済相が首相になったように、意識的な「自由主義経済への転換」でおきた「奇跡の復興」は、残念ながら日本ではぜんぜんちがう現場からの「成り行き」で成功したのである。

だが、わが国におけるこの自然発生的な自由経済が、経済復興とともに介入主義の政府も復活して、田中角栄の無意識=無教養すぎたので、おなじ選挙区(旧新潟3区:長岡市、三条市、柏崎市など)にいた社会党労農派(極左)議員(三宅正一)を「師と仰ぎ」それで社会主義・共産主義=全体主義に呑み込まれて、いまにいたる。

「55年体制(自・社のデキレース)」の申し子が田中角栄であった。

しかして、キングメーカーとしての田中派が、自民党ぜんぶの派閥を呑み込んだので、現在では自民党が巨大な「田中派」となって、介入主義一本鎗の議員しか出てこないのである。
けだし、わが国の政界は、すべて介入主義で構成されているために、自由主義政党は存在しない。

むろん、わが国を征服したアメリカの民主党は基本的に介入主義をもって良しとするので、いつ極左がでてきてもおかしくない状態にあったものが、ほんとうに「でてきた」のである。
ために、戦争屋のエスタブリッシュメント派と極左が対峙し、さらに少数派となった穏健派が混じる構成が民主党の不安定さの要因になっている。

一方の共和党も、ブッシュ家に代表される「ネオコン=戦争屋」が、かつては「主流派」だったために、クリントンやオバマ・バイデンと続く民主党戦争屋と仲がいい。
これを、トランプ派が優勢になって、激しい内部対立を引き起こしている。

ブッシュ息子政権で副大統領だった、チェイニー家は、ネオコンの本家、ともいわれた「名門」であるが、その娘、リズ・チェイニーを共和党から追い出したのはトランプ派の功績である。

なにせ、トランプ本人がすでに大富豪なので、カネで動かないトランプを暴力で排除したい勢力が、あちこちにいるのはこのためだ。

ときに、選挙にはなしを戻せば、「Saveアメリカ法案(選挙の公正さを確保する目的)」が、共和党多数にもかかわらずとうとう連邦上院を通らずにいたのも、かつての主流派をトランプ派は「Republican In Name Only:RINO」と蔑むように、これらの議員たちが賛成しないためであった。

それでもって、今回の「大敗北」で、RINOたちが大量落選したのである。

これは、共和党トランプ派には胸がすく、「ざまぁみろ」にちがいなく、スッキリした思いがわき上がってきているのではないか?

残念ながら各州知事やら州司法長官やらもトランプ派の候補とて落選の憂き目をみているが、選挙前から連邦司法省が「やる」といっていた選挙違反の摘発も有言実行されるはずだし、当選した極左知事たちの政策が、アメリカ人に「しまった」を呼び起こすはずなのである。

だから、トランプ氏は中間選挙を「自分の選挙=大統領選挙ではない」といっていられるのだ。

マスコミは「歴史的大敗」というけれど、クリントンやオバマが経験した「壊滅」からしたら、まだ緩いのである。

トランプを侮ってはいけない。

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