現代の世界潮流として、地方選挙の結果が中央政府の転覆原因となっていることがある。
盤石な議席を確保し、PSYCHO-PASSの典型であった英国の労働党スターマー政権さえ、地方選挙における大敗北に耐えられなかった。
けれども、PSYCHO-PASSな組織である労働党は、懲りずにもっと過激な人物を首相に据えたから、いったん放出されたマグマが再び煮えくり返っていることだろう。
これよりはやく、2023年、オランダで最長だったルッテ政権(マスコミは「保守」と書く)を倒したのも、やっぱり地方選挙における与党敗北からのことだった。
英国には「保守党」があるが、この国の近代史では、「福祉国家建設競争」という愚策で、労働党と保守党が先を争って、両党がその社会主義性を保守していることが、現代の衰退の原因だとまだ気づかない。
ドイツで6日に決定的な敗北を喫したメルツ(連邦政府)首相は、これまた懲りずに「抜本的な改革が必要」と発言し、AfD排除=抜本的な改革、という、これまた民意をぜんぜん読めないPSYCHO-PASSの自滅をやっている。
もしも、ほんとうにメルツ政権が基本法第21条の発動を裁判所に要請したばあい、ドイツ人たちは蜂起するかもしれない愚策である。
それでか、かの極左マスコミの代表格たるニューヨークタイムズ紙すら、「AfDへの(排除)攻撃は逆効果だ」と主張しはじめて、「極右」なる誤表記もやめるべきだとの論陣をはりだした。
これはこれで、正解、ではある。
だが、愚かなメルツは、20日にある、ベルリン州とメクレンブルク・フォアポンメルン州でのダブル選挙を控えるなかで、有権者に怒りの爆弾を投げてしまった。
なにせ、今回連邦政府与党が大敗北したザクセン・アンハルト州議会選挙の投票率は、統一後初の「高さ」たる、8割弱を記録したのである。
ようは、無党派層が動いた、結果なのである。
この投票率の高さを左翼マスコミは書かない。
「民意」だとしれるのを恐れていることの「編集方針」なのだろう。
それでも過半数に3議席足りないAfDは、政権樹立のためにどうするのか?となっているが、はじめて5議席を得た新興政党が、来月招集の初議会で「AfD首相任命に投じる」と発表し、もはや初のAfD政権誕生が確実となった。
これが、20日の選挙に影響しないわけがない。
わが国では8日、なんだかわからない「中道改革連合」が自滅した。
この一連の騒動の隠れた原因に、政党幹部たちの独りよがり的な、つまり、PSYCHO-PASSな世論を理解できない独善があったといえるだろう。
かつての政権党からの没落を、マスコミが「野党第一党」だとおだてて支えたのも、国民向けのプロパガンダのはずが、政治家へのプロパガンダとなった。
なんだか、メルツ的なのである。
奇しくも、いま、わが国おける地方選挙として、沖縄県知事選がおこなわれている。
そして、来年の春には二期にわたる「統一地方選挙」があるので、これらはまったく、世界規模の「今様」なのである。
むろん、あと二ヶ月ない、アメリカの中間選挙が、さらなるショックを世界に与えることは確実なのである。
ときに、アメリカの大統領選挙も中間選挙も、じつは、大規模な地方選挙だともいえる。
ふつうの国の首相に相当する州知事ばかりか、両院制の州議会選挙だけでなく、もっと小さな自治体の選挙も同時にあるから、あまりの選ぶべき種類のおおさに、有権者は投票に20分ほども要するのである。
わが国のように、数枚の投票(数分で)をすれば済む、というレベルではない。
ために、トランプ氏は「推薦状」を大量にだしているばかりか、「X」にも細かく投稿して、国会ばかりか地方候補の当選を促している。
いったん流動化をはじめた流れを、そうはかんたんに止められない。
物理、だからである。

