「日本共産党綱領の話」をもらった

駅前でおじいさんとおばあさんが配っていたので、せっかくなのでもらってきた。

一緒に、「ロシアはただちに戦争をやめよ!政府はウクライナ支援に全力を」というチラシも折り込んでいた。
小見出しには、「日本共産党として募金を呼びかけ第一次分2024万円を国連に」とあった。

ここでいう「国連」とは、「国連難民高等弁務官事務所」のことで、そこに「手渡した」、とあった。

いつから、共産党はウクライナの「ネオナチ」に手を差し伸べるようになったかのかと危惧したら、まずは「国連難民高等弁務官事務所」でよかった。

なぜなら、国連は「総会」で、常任理事国を相手に効果なしとはいえ、一応ロシア非難決議をしたので、世界がこぞって「ネオナチ」を支持したけれど、「一般市民」に役立つ可能性がまだ少しはあるからだ。

寄付の先が、在日ウクライナ大使館の特設口座でなくてホッとすると同時に、そつなくこなすのはさすが共産党だとおもう。

けれども、やっぱり「ウクライナ支援」を日本政府に強く要求しているのだから、「政府間協力」という点でいえば、「ウクライナ政府=ネオナチ」への支援を「日本人の税金」をもってしろと要求している意味になる。

だからこの主張は、なかなかに、「難解」なのだ。
この「党」の表現を解読することの難しさは、むかしから「インテリ好み」の理由なのである。

しかも、小さく「しんぶん赤旗2022年3月号外」とあるから、内輪の党員向けの表現なのであった。

すると、ネオナチに協力するという、共産党として「画期的」な判断をした、ということだから、これはあんがいと「歴史的」なことだ。
この点、中国共産党は「反ネオナチ」のロシアを支援する立場を鮮明にしてきたので、明らかに「路線がちがう」のだ。

これは、「国際共産主義運動」として、いったいどういうことか?
約1000坪の御殿に住んでいる御大・不破哲三(本名:上田建二郎)氏の高齢(90歳)がさせたのか?

とはいえ、共産党よりももっと「おかしい」のは、いまのロシアを「ソ連」だという「保守」がいることだ。
なるほど、ロシアはソ連だと「保守」したいのだろうけど、そうはいかない。

碩学、小室直樹は、ソ連の崩壊をその10年前に「予言」して、「ソ連研究の専門家たち」から、総スカンを食らったけれど、10年後に現実が追いついて、小室の予言通りのシナリオでソ連は本当に崩壊した。

しかし、ソ連研究の専門家たちは、それでも小室を無視したから、小室を読んでいた一般人から無視されるようになったのである。

かんがえてみれば、これが「専門家」をして一般人に役に立たないと思わせたはじまりだった。
そしてなにより、ソ連・東欧圏の「体制転換」は、共産主義が役に立たないことを実証したのであった。

にもかかわらず、いまだに「共産党」を看板に掲げていて、それを支持するひとたちが存在することの不思議は、共産党がネオナチを支持するよりもずっと「変」なのである。

ちなみに、ヒトラーとスターリンが「犬猿の仲」だったのは、支持者層がおなじ、という「マーケティング」上の激烈な対立があったからである。
これは、公明党と共産党の対立という点で、わが国でも「再現」されている。

さらにこの点でいえば、ポーランドが、ナチスとソ連の両方から酷い目にあっているので、どうしているのかが気になるところだけれども、報道機関による「自粛」ならぬ「自己統制」によって、入ってくる情報は、「ウクライナ支援」という一辺倒しかない。

プーチン氏がかつて、「スターリンを尊敬する」と言った、「切り取り」がポーランド人の脳に強烈なインプットをされたのも「遠因」だろう。

この発言は、帝政ロシアの領土拡大がために起きた、ソ連内の民族問題に関しての本音が漏れたものだったけど、「例示したスターリン」が、強烈すぎた。

実際に、スターリン時代も現代も、ロシア国内には200もの言語が存在するのである。

それに、ソ連時代、「KGB」にいたのがプーチン氏だから、秘密警察の所業を知っているソ連・東欧のひとたちからしたら、親スターリンの発言は、ものすごくわかりやすい恐怖をイメージさせるのである。

だから、プーチン氏がたびたび発言する、「反共」と「反ナチズム」といった「反全体主義」のことも、本人の「独裁」から打ち消されてしまう。

つまり、「いい独裁」と「悪い独裁」の戦いとなってしまったのである。

さてそれで、「日本共産党綱領の話」には、ちゃんと「共産主義」についての解説が載っている。
そこには、アメリカの若い世代は社会主義に賛成として、円グラフが示されている。

社会主義支持が58%、資本主義支持が37%。
出所も明らかにしているのが、インテリ好みなのである。

この数字の確かさは別として、アメリカがこうなった原因はわかっている。
それは、「大恐慌」の対策として、ルーズベルト民主党がかかげた「ニュー・ディール政策」と呼ばれる、社会主義政策によって、「自由の国」が破壊されたからである。

その反動として、建国の歴史でかつて存在しなかった「保守思想」が生まれたのである。
その「保守」とは、英国や日本とちがって、「自由主義」を保守することだった。

つまり、「自由の国アメリカ」という当たり前がなくなった上での、「保守」なのである。
それが、共和党に含まれるので、民主党との激しい対立が、ときに連邦制の危機にまで発展している。

その民主党が、全力でプーチン氏のロシアを叩くのは、ロシアが「未完の自由主義」状態だからである。
つまり、「ソ連」に戻して、「恐怖」でもって周辺国に武器を売りたい。

そして、世界の自由圏は、「未完の資本主義」なのである。
産業資本の成長には高度な、倫理・道徳を要するけれど、そんな高尚な経営者がいないばかりか、「儲け主義」が資本主義だという。

これを、共産党のパンフレットは教えてくれた。

ハイエクは、「資本主義」という用語は、マルクスの「発明品」だと断じたのである。

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