「電子ペン」のあれこれ

紙を減らしたいから電子化をする、というのは、ヘンだと思う。
便利で効率がいいから電子化をしたら、「ついでに」紙も減る、という順番でないとおかしいからだ。

「紙を減らしたい」という優先づけには、あたかも「地球環境にいい」という根拠希薄な「言い訳」があって、なんだか「いい子になりたい」という幼児性を剥き出しにするので「気持ち悪い」のである。

そもそも、森林を伐採してはならない、という刷りこみがある。
大規模な伐採で、環境が悪化する、という事象は確かにあるけど、それが全地球的危機だというのはいかにも大袈裟で、インチキ臭い。

国土の7割が山地で、それがそのまま森林であるわが国は、ほんとうなら、かなりの「資源国」のはずなのに、「林業」が成りたたなくなって久しい。
これから「花粉」の季節がやってくるけど、わが国の森林を「杉だらけ」にしたのは、「自然」ではなくて、「儲けるため」だった「はず」なのだ。

せめて、成木になるまでの時間は、間伐材を現金化するのが、ひと世代分以上の時間を要する「林業」として重要なのだけど、杉の割り箸すらも使わずに、プラスチックで洗浄の手間がかかるものを「エコ」という、鉄道会社系の「駅ソバ」なんかは、この意味で犯罪的な環境破壊をしても「自慢」をするようになった。

もちろん、「家」にしても、「鉛筆」にしても、つかう木材は外国製と決まっていて、とうとう「バイオマス」という言い方で、木を燃やすようになった。
このときの「木」とは、「木くず」のことだというけれど、木を細かく切ればどれもみな「木くず」になる。

そんなわけで、便利だから電子ペーパーを使う、ということになったら、電子ペンの「書き味」が、次の問題になるのである。

いわゆる「タブレット」でいえば、「iPad」の完成度は高いのだけれど、やっぱりバックライトでの「眼精疲労」に辟易するのである。
それが、「E-INK」の「電子ペーパー」を使う最大の理由で、なんでもPDFにする『クアデルノ2』(A4版)を選んだのだった。

パソコンとの「同期」は、単独で出来ないという手間があるけれど、同期先を「クラウド」にすれば、「iPad」との連携も簡単なので、あまり気にしていない。

電子版がなかったり、図書館の貸出で「紙の本」でなければならいことがあるので、この場合の「読書ノート」は、手書きでつくることにした。
どうしてもの場合は別だけど、非破壊スキャンが面倒だからである。
それに、手を動かすのは、記憶に残すという効果もある。

しかしながら、大部冊の書籍の読書ノートもページ数が増えるので、後から読むのに面倒だ。
それで、iPadの『リキッドテキスト』というアプリ(有料版)に流し込んでしまう方法が気に入っている。

手書きのノートを、原形のPDFにするのである。
『リキッドテキスト』でまた書き込んだものも、PDFに保存できるから、それはそれで、『クアデルノ2』に再度取り込めばいい。

このアプリは、長文を読んで、論理の構造を理解するのに役に立つ。
なので、この作業ではバックライトを覚悟するしかない。
「E-INK版のiPad」が欲しい最大の理由がこれだ。

「アンドロイドのE-INKタブレット」は既に世の中にあるけれど、残念ながら「アプリ」の遣い勝手が比較にならない。
動画視聴は無視して、読んで書くことに特化したデバイスがないと「困る」のである。

そのiPadの弱点は、アップルペンシルで「書く」のに、「ペーパーライクフィルム」を別途購入して画面に貼らないと、どうしようもない「書き味」となることで、逆に、このフィルムは、トレーシングペーパーのようなものだから、素晴らしいディスプレイの発色を制限することになる。

優先順位は、「書くこと」なので、「ペーパーライクフィルム」を貼ることに躊躇はない。
一方で、『クアデルノ2』には、「書き味」が考慮されているので、最初から紙のようにザラザラしているのが特徴だ。

付属の電子ペン(『クアデルノ2』から電池不要になった)は、驚くほど「チープ」なペンだが、ペン先の書き味は悪くない。
そこでドイツ、ステッドラーの『ノリスデジタルジャンボ』を、ボディーの書き良さそうなイメージから購入した。

三角軸で1.3ミリの超太シャープペンを持っていて、愛用していたからである。
左がデジタルペン、右がシャープペン。
デジタルペンの尻にあるのも、シャープペン同様に「消しゴム」機能になっている。

 

『クアデルノ2』との互換性でいうと、『ワコムONE』で使えることが条件のようだ。
すると、「鉛筆型」では、以下の二種類があって、さらに『三菱鉛筆9800』という緑色の「あれ」もある。

なお、ステッドラーの方は「新品」を削った「長さ」が長すぎるという不評だ。
ハイユニや9800は、使いこなした「長さ」という設定になっていて、木部の材質は、「本物」の鉛筆とまったくおなじである。

  

さて、書き味の「好み」という点で言うと、「ペン先」の材質によるようだ。
ポリアセタール樹脂(要はプラスチック)と、エラストマー(ゴム様のフェルト)に大別される。

樹脂はボールペン的、エストラマーはサインペン的な書き味となる。
画面を傷つけないために、ペン先は自身が削れるようにできているから、「替え芯」がひつようになるのは、アップルペンシルとおなじだ。

ステッドラーは、「ジャンボ」だろうが一種類の交換芯だけでエストラマー製。
三菱鉛筆は、デフォルトで、ハイユニは樹脂、9800はエストラマーだけど、互換できて「ハイユニ」には本体購入時に3本の樹脂交換芯が付属している。

これが9800との値段差なので、本体の値段はおなじなのが「電子」だ。
ワコムの「特許」が大元なので、様々な筆記具メーカーが、オリジナルデザインで出してくれるとうれしい。
なぜかドイツ人は「お好き」のようで、「ラミー」が万年筆様のデジタルペンを出している。

さては、電子ペン沼?

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