小中学生に響く政治演説

選挙前の2月から街頭演説をはじめた「参政党」は、10年以上の歳月をかけた「下準備」を経ていると自己説明している。

記念すべき「初回」は、埼玉県の川越で行われた。
そもそも関心が薄い参議院選挙だとしても、選挙の5ヶ月も前からの「街頭演説」に、いかほどのひとが聞き耳を立てるのか?
素人でも容易に想像できることである。

しかしながら、「それでもやる」には、戦略があってのことだという。
もちろん、「マスコミが自分たちを報道しない」ということを「前提」にしたことだった。

なぜに「報道しない」とわかるのかはかんたんで、日本における「保守」を自負するからであって、場合によっては「極右」とレッテルを貼られることも覚悟しているからである、と。

創立者で、党事務局長の神谷宗幣氏によれば、25年前に留学先での外国人との討論で、自分が日本人として日本の歴史も国の将来のことも「かんがえたことがない」ことに気づいた瞬間に、「危機感が生まれた」との告白がある。

ここが神谷氏の話で、わたしが一番「共感」することだ。

ほとんど40年前になった、エジプト勤務で、出席を強要されたパーティーでは、「壁のシミ」になることに徹していたのに、同僚の先輩が外国人を紹介してくれるという「ハプニング」があった。

そもそも立食形式のパーティーなんて、映画の中のことでしかなかったので、その「作法」についても、せいぜい「宗教」と「性」の話はタブーであることぐらいしかしらない。
それになにより、「英語で話す」ということが最大のネックなのだ。

このときの外国人は、典型的英国紳士であって、その後わたしは業務上でもこの人物に助けてもらうことになるとは思わなかった。
縁とは不思議なものである。

それでもって、もっぱらの「話題」は、「日本史」だったのである。

彼の興味が、「世界一古い王朝」としての「日本」だったからである。
またこの人物は、ちょっと変わっていて、ずいぶんとへりくだっていた。
わたしが知る由もない、「英王室」の「情けない話」を例にして、「日本の場合」を質問されるのである。

これがまた、週ごとに持ち回りでやるパーティーでのシリーズ的質問になってしまったので、「日本史」の参考書を取り寄せることにもなった。
それでいつの間にか、彼の友人だというアメリカ人も加わって、なんだか歴史講座的なことになったのである。

こちらは背中に冷や汗をかいているけど、わたしの「解釈」が面白いらしくて、ときには「からかわれているかもしれない」と思うほどだった。
ただし、酒の席のことだから、あんがいと適当でよかったし、アメリカ人はただ「フムフム」とさも珍しそうに聴いているだけだった。

このときによくわかったのは、自分が自国の歴史をしらないということの「深刻さ」で、学校で習う歴史の「役立たず」も骨身にこたえた。
「歴史」は、人間の生活が積み重なったものだから、たとえばこのときの英国人が例にしたのは、シェークスピアの『リチャード三世』とかのエピソードだ。

おそらく、彼のわたしを試す「引っかけ問題」だったのだ。

しかし、たまたま、『リチャード三世』は赴任前の、1980年、池袋サンシャイン劇場での、いまでは「伝説」となった舞台(尾上辰之助・美輪明宏・范文雀)を観ていたから、彼の話についていけたばかりか、「パンフレット」の解説を覚えていたことであんがい詳細に語れたラッキーがあった。

逆に、このことで彼を驚かせたのが、「その後」になったのである。

つまり、「歴史」は、やたらと「すそ野」が広いことをしったのである。
いわゆる「古典」も、歴史のなかにある。
どうして「歴史」が、「暗記物」になるのか?は、わが国の学校教育の大問題なのだ。

「歴史」をしらいないで、英語ができてもなんら人間関係がつくれない。

そんなわけで、神谷氏や吉野氏の演説にある「日本の歴史=国史」は、聴衆の「民族の記憶」を呼び起こすのだろう。
それがまた、小中学生に拡散していることの「根拠」にもなっている。

すでに、小中学生もスマホを持っている「あたりまえ」があって、彼らはSNSの動画(とくに若者は「TikTok」)を観ているのだ。

参政党の街頭演説の特徴に、聴衆からの質問コーナーがある。
これまでの街頭演説の場でも、小中学生が質問して、その本質をついた内容は、おとなの聴衆を緊張させ、その回答ぶりに拍手喝采する構図があった。

23日、選挙戦2日目の神谷氏は、千葉県入りして3カ所での街頭演説とホールでの演説会をこなす熱量があった。
千葉駅前には、500人以上の聴衆がいて、小学生と中学生が質問した。

小学生(5年生)は、「道徳の授業」で嘘をついてはいけないと習うのに、それを教えている文部科学省や政府が「嘘」をついていると参政党の演説でしった。
それで混乱してしまったわたしはどうすればいいのでしょう?だった。

40歳までの若年層の死因のトップが「自殺」という国の、本質をつく質問だ。
また、人口比でアメリカ人の「6倍の精神疾患」を抱えているのも日本だということの「原因」ともいわれる、歴史認識と精神形成の関係がある。

中学生の質問は、選挙権はまだないけれども、参政党を友人たちに拡散させる有効な方法はなにか?だ。

神谷氏のそれぞれへの回答は、動画で確認(1時間14分26秒あたりから)されることをお勧めする。
なお、神谷氏「お薦め」はこちら

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