帰ってこられない産業用電気代

誰のため?、なんのため?がすっかり狂って、政府の自己目的化が進んだら、なにをやっているのかさえもわからなくなって、側近の秘書官を更迭したりして話題をまいている。

まことに「末期症状」を露呈しつづけていて、終わりの見えない終わりになっている。

国民は、そんな「終わり」でも、「安定は希望です」という連立与党のキャッチフレーズ通りに、「末期」の安定を希望しているから、阿片中毒者のように静かな廃人状態に陥った。

どこまで落ちるぬかるみぞ。

40年前に、「40年で石油がなくなる」といっていたけど、40年経ったいまも「40年後に石油は枯渇する」という話をしている。
これが、有限資源であるという根拠になって、サステイナブル(持続可能性)をなんだか優先することが正義になった。

けれども、「世界最大級」の油田やガス田の発見があいついで、有限であってもどうなっているのか?がわからなくなった。

「石油は地球の汗」という説も出てきて、内部から沸いて出てくるほぼ無尽蔵だというひともいる。
それでも、なくなったときのリスクがあるから、サステイナブルの方が優勢で、再生可能エネルギーなる、ちょっとなにをいっているのかわからない方法が、なんとなく、地球に優しいからと支持されている。

何度も書くが、「エネルギー保存の法則」を無視しているのが、サステイナブルだというから、笑っちゃうのである。

そんなわけで、石油はふつうにまだある、のに、採掘しちゃいけないとか、使っちゃいけないとかを、「人為」でやったら、電気代が高騰した。

地球に優しいと、人間の財布には厳しいのである。

生活費を圧迫しても、インフレ目標を達成したい金融当局は、なんのためになにをやっているのか?が、やっぱりわからなくなって、国民生活を苦しめている。

電気代やら、ガス代には、家庭用と産業用の料金体系がある。
電気もガスも、いちおう、民間事業となっているので、大口客には、「割引」制度がある。
これが、公共事業の水道だと、大口客には、「割増」制度が適用されるのだ。

なので、家庭の電気代が高騰したからといって、産業用がどうなっているのか?は、別に調べないとわからない。
もちろん、世界比較もできる。

わが国の電気代は家庭用も産業用も、韓国・中国と比べて「割高」である。
これが、帰国できない理由なのだ。

ヨーロッパは、総じてわが国よりも、もっと割高だけれども、4月からの大幅値上げがあるから、大急ぎでヨーロッパに追いつこうと「努力」している。
なかでも、ドイツの産業用電気代に注目すると、じつは政府が大幅な補助金を出しているから、すでにわが国よりも半額ほどで「安い」のである。

これが、ドイツ車の競争力になっている。
つまるところ、政府が産業のための「環境」をつくっている。

そんなわけで、自公政権の無茶苦茶は、産業破壊にも熱心なのである。

一事が万事これだから、電気代だけが理由ではない。
もちろん、「ものづくり」だけでいいのか?という議論はある。
しかしながら、強みと基幹産業をどうするか?は重要なのはいうまでもない。

なにしろ、何度も書くが、観光業は基幹産業にはならない、からだ。
もし、梅棹忠夫先生がいう、産業連鎖のなかで「全産業の頂点」にまで洗煉された産業になっても、だ。

むしろ、そのように進化を遂げるほど、観光業は基幹産業から遠のく。
なぜならば、食物連鎖のごとく、すそ野を必要とするから頂点に君臨できるものが、観光産業にすそ野がないからである。
部品の調達が必須の、自動車産業や、住宅産業のような「すそ野」のことである。

だから、「観光立国」という政府方針は、「ムダ遣い」なのだ。

すると、肥大化した政府(地方も)による活動の、ムダの削減とは、一種のアナーキズムに向かう。
いわゆる「小さな政府」のことだ。

日本人は「大きな政府」を嗜好するから、どんどんと政府の肥大化が進行して、国民には制御不能になった。
ゆえに、国会も無力になった。

「大きな政府」とは、「福祉国家」のことである。
そして、福祉国家とは、社会主義のことだ。

社会主義は、あらゆる国民活動に政府が介入してくる「主義」なので、いまの日本のようになった。
理論的大矛盾の、「一国二制度」をはじめた、中国共産党の賢さは、おそらく「日本モデル」のいいとこ取りをやった成果なのだ。

この成功モデルを、逆輸入したい、という「倒錯」から、おそらく親中派が生まれたのではないか?
利権やハニー・トラップは、あとからついてきたのではないかと疑う。
それが、とうとう「パブロフ型条件づけ」に進化したのではないか?

「福祉の追求」を、公的健康保険制度からはじめて、老人福祉になった。
公的年金の破綻はいうに及ばず、これを支える、日本国債も、「ネズミ講」に陥った。
そもそも、「賦課方式」という日本の公的年金制度は、最初からネズミ講なのだ。

大元の日本国債には、「格付け」があって、いまは、「A+」(シングルAプラス)だ。
あと何段階で、ジャンク債扱いとなる「BB」になるのか?ではなくて、いつ?「BB]になるのか?が話題になってきて、とうとう、1月末に政府新規発行国債の買い手がいなくなって、全部を日銀が購入した。

これが、帰国できないばかりか、海外流出する日本企業の行動原理を決めている。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください