恐怖のトランスヒューマニズム

デカルトの、『方法序説』が示した、科学と精神世界の棲み分け、すなわち、分離、は、一方で「機械論」を生みだし、それがまた、「唯物論」になった。

一方の精神世界の方は、「迷信」の科学的解明とかによって、歴史的な衰退がはじまり、欧米諸国の精神的基盤だったキリスト教は、ファッションにも及ばない体たらくとなって、利益誘導「でしか」、もはやヨーロッパの統一もままならなくなったのである。

それがおぞましき姿を、14日、ローマ教皇と会談したゼレンスキー氏の態度が示していた。
教皇の前を歩き、教皇が勧める前にサッサと着席したこのユダヤ人の姿は、全世界に配信されて、その背信ぶりに世界の信徒が驚き、絶望したのだった。

そして彼は、教皇に向かって一方的に、「武器だ、武器だ、武器をくれ!」と述べて、教皇は、「武器で平和は訪れない」と返した。

ナチスにまっ先に蹂躙された経験をもつポーランドが、もっとも熱心にウクライナ支援をしている一方で、ハンガリーの反発があるから、旧東側もバラバラにみえたが、そのポーランドもゼレンスキー氏の辞任と和平を水面下で画策していたことがバレた。

しかし、ゼレンスキー氏は、辞任したら国民に殺されると自ら言及し、イタリアの別荘で余生を暮らしたいらしい。
各国首脳は、その条件を呑むから、和平の努力をせよと迫っているらしい。

ヨーロッパも、ようやくナチスに協力することの無意味に気がつきはじめたようだ。

なお、ウクライナにナチスがいるのは、第一大戦後に独立したポーランドが、すぐさま西ウクライナを奪い取って、第二次大戦でナチスがポーランドを奪う。
ベルリンが空襲で、ナチス本部は西ウクライナに移転して、ドイツ領ポーランドのまま敗戦となって、ソ連の衛星国になって返還された経緯がある。

だから、ゼレンスキー政権は、ネオではない、本物のナチ政権なのである。

先日書いたように、ナチスは親衛隊の組織に、「赤ちゃん工場」を保有し運営していた。

もちろん、純粋アーリア人の「血統」のための、繁殖センターとして、である。
しかし、ナチスがさかんに宣伝した、「アーリア人」なる人種は、存在しないのである。

「優生学」の悪魔的解釈が、政治になったのだった。

けれども、人間を犬のように扱うことの倫理をなぜに問わなかったのか?
そこに、「機械論」からの「唯物論」への純粋な信仰があったのだ。

つまり、ナチス(国家社会主義ドイツ労働者党)とは、マルクス主義政党の、一典型なのである。
共産党だけを唯一とする、というはじめの教義からしたら、共産党がカソリック教会で、ナチスは原理主義のプロテスタントだといえる。

しかも、ナチスは、20世紀最大の哲学者、マルチン・ハイデガーをも取り込んでしまったのだ。

 

ハイデガーの「実存主義」をよくしることができるのは、右の『往復書簡』がよほど役に立つ。
教え子にして優秀すぎるハンナ・アーレントとの不倫関係は、まさに「実存」なのである。
しかして、アーレントのなんと冷徹なことか。

戦後になって、もう一つのおぞましきものは、「ロボトミー手術」をまじめに追及した、「精神外科」の分野にある。
「脳科学」の危うさも、ここにある。

この手術を受けた有名人に、ジョン・F・ケネディの実妹、ローズ・マリー・“ローズマリー”・ケネディがいる。
手術を決意したのは、父、ジョセフ・P・ケネディ・シニアで、ケネディ家の政治活動の妨げになるとの判断だったというから、鬼畜の家系なのだ。

もちろん、本人は自分の前頭葉の一部が除去されることをしらずに眠りについたのである。

さてそれで、あたらしい優生学の話だ。
これは、現代科学が行き着いた、究極でもある。
遺伝的な血統にプラスして、A.I.を脳に埋めこむという、まったくもってSFの現実化である。

はたして、ローズマリー・ケネディの手術も、最先端の手術であった。

なので、いま「最先端」だからといって、100年後、1000年後からしたら、ほとんどが「まじない」の部類にはいるのではないのか。

すると、こうした「最先端」をもってエキュスキューズしようとすることのムリは、もうタダの欲望にすぎない。
だからこそ、「倫理」が問われるのだけれども、唯物主義に倫理なんてものはない。

量子力学の大発見で、物質と精神の融合こそが、いまや「最先端」になったから、唯物論者たちはそうとうに焦っているはずなのである。

それが、むりやりの「トランスヒューマニズム」になって、断固推進をいうのが、「トランスヒューマニスト協会」なる、極左(唯物論者たち)団体だ。

このおそるべき時代遅れが、あたかも時代の最先端のごとき噴飯を真顔でやれることのメカニズムこそ、人類は詳細にしっておくべきことになったのである。

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