スペイン大量移民の黒幕

7月31日に、地中海の対岸、モロッコから記録的な約6万人もの大量(不法)移民が押し寄せたことが、ヨーロッパ各国を震撼させている。

その後、5万人弱が帰国した、とスペイン政府発表にあるので、それを信じても、一日にして約1万の不法移民を入国させたことになる。
これはかつて、ギリシャに入国した最高記録数に匹敵するものだがら、依然として「大量」だといえる。

ヨーロッパ各国が震撼したのは、「シェンゲン協定」があるからだ。

これは、EU域内における自由通行を保証する取り決めなので、スペインから入国した者が他のEU各国に自由に移動・拡散できるからである。

ときに、これら大量移民の到着地点は、スペイン領セウタ、である。
ここは、隣接するモロッコも領有権を主張している「面倒くさい場所」なのだ。

それでおもいだされるのは、名作の誉れ高い映画『カサブランカ』(1942年)である。

この作品は、ハンフリー・ボガートとイングリット・バーグマンによる「恋愛映画」だとされているが、その実、かなり政治的でご当地の複雑な歴史背景をしれば、とうてい恋愛ものなんていう甘い作品ではない。

むろん、この映画の物語設定当時のモロッコはフランスの保護領という立場にあって、そのフランスはナチスに占領されてできた傀儡ヴィシー政府のもとにあったのである。
なので、それぞれの立場がうずめく、「るつぼ」のような場所であり、自由を求めるひとびとが、中立国ポルトガルのリスボンを目指して集まったのがカサブランカであった。

さて、いまの舞台になっているセウタとは、もとはポルトガルが征服した地域であったが、1668年のリスボン条約において、スペイン領となっているのである。
場所はジブラルタル海峡のアフリカ大陸・地中海側先端であるから、大西洋側のカサブランカとは真逆の方向にある。

日本での報道をみると、あたかもアフリカ大陸からジブラルタル海峡を泳いで渡ってスペインへ入国したようにみえるが、ぜんぜんちがう。
まともな報道としての5W1Hが消えたので、地図でセウタの場所をキッチリ表示しないわざとが「(編集)意図」を感じるのである。

ただ、どうしてこんな大量のひとたちが一日で移動したのか?が、いまのところ謎なのである。
だれかが仕組んでいるのではないか?とかんがえるのは妥当であろう。

まるで、かつて東側国境が崩壊した「ヨーロッパ・ピクニック」のようなのだ。

その誰か?の候補になっているのが、イスラエルとアメリカである。
移民という毒をもって毒を制す、作戦ではないか?

その意味で、ヨーロッパ側の素早い対応が、あたかも準備していたようにもみえるからである。

なので、これでも動じないフランスやアイルランドなどへのアメリカ外交アプローチが失敗している、ともみえる。
まっ先に反応したイタリアとはぜんぜんちがうのである。

むろん、スペインの現左翼政権も動じずに頑張っているようだが、衝撃は十分に国民に伝わっているだろう。
小さな飛び地を舞台にした、作戦設計の妙がある。

なんにせよ、スペインとポルトガルの世界征服が起こしたグローバル全体主義の歴史は、とにかく深くまで浸透していることを示している。

ちなみに、モロッコは王親政で、トランプ政権1.0のときに「アブラハム合意」に参加している。
そのときの条件が、南国境に接する「西サハラ」の領有権をアメリカが認めることで、これをトランプ政権1.0は容認したのであった。

これに隣国アルジェリア(いまだにフランスが影響力を持つ)が反発している。

ようは、アメリカとヨーロッパの綱引きが、北アフリカに飛び火して、あたかも第二次大戦状態にあるといえるのである。

1日、マルコ・ルビオ国務長官が「アメリカが地球全体を永遠に守る義務があるわけではない」と発言したときに、珍しくグローバル全体主義者のフランスのマクロンが冴えた切り返しをした。
「なるほど、それなら誰があなたにイランに対する違法な戦争を始めるよう命じたのか?」

このバチバチの原因は、セウタの件であってイランではないだろう。

なんにせよ、6万人を誰が動員したのか?の謎は解けていない。

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