日本の「過ち」は避けられたか?

なにも外国人が言っているから「正しい」ということではないけれど、「自由主義」の立場からと、自身の研究成果の「正直な披露」ということがあって、なかなかに「スッキリ」するスピーチの動画がアップされている。

しかしながら、その翌日に、スピーチをした人物の名前をタイトルに加えようとしたら、「拡散制限」がかかるという「制裁」を受けてしまったという。

時間をかけて丁寧な翻訳をして動画をアップした本人は、あくまでも「拡散希望」だから、このブログが少しだけでも役に立てば幸いである。

動画から分かるオリジナルの撮影は、2012年で、登壇したアメリカ人歴史学者にして経済学者のロバート・ヒッグス博士は、特に「リバタリアン・アナキスト」を自称するほどで、経済学者としては、「オーストリア(ウィーン)学派」に属している。

この学派の、徹底した「自由主義」は有名で、それゆえに、いまでは「バラバラ」という状態の「派」になっている、というほどの「徹底ぶり」なのである。
それで、「主流派(アメリカ経済を中心に研究している)」からは、煙たがられて、なんとなく「反主流派」になっているのである。

もちろん、自由を必ず損なう「社会主義・共産主義」とは、まじわるはずもないのだけれど、政府という自由を束縛する存在に対抗して、「アナーキスト(無政府主義者)」になる、という皮肉が「共通」にある。
ただし、社会主義・共産主義からなってしまう「アナーキスト」とは、口もききたくないだろうけど。

この動画には、会場や講演の主催者についての説明がないけれど、ヤジもなくおとなしく聴いていて、スピーチ後の「拍手」の様子から、ハイエクが1947年に創設した、「モンペルラン協会」の会合ではないかと勝手に推測するのである。
あくまで「勝手」なので念のため。

彼の講演内容は、日本人研究者のものとおなじなので、特段の「新味」はないのだけれど、おなじことを日本人が言うのとアメリカ人が言うのとでは、「当事者の譜系」からの意味が出てきて、「新鮮」なのである。

これは、「誰が言っているのか」ということが、おなじ内容のものであっても「意味がちがう」ということになる事例だといえる。
残念なことに、ロバート・ヒッグス氏の著作で、日本語になっているものはないから、余計に「意味がちがう」ことが印象づけられる。

このことをして、「拡散制限」にしたのなら、YouTubeの中のひとの「読解力」は相当なものだ。
「A.I.(人工知能)」には、読解力がないことが証明されているから、きっと「人力」で、制限の操作をしたはずなので、これはこれで「ご苦労」なことである。

かつての「ソ連」が崩壊したのは、経済効率の悪さ、ということに集約されているけれど、それはなにも「ゴスプラン(ソ連邦国家計画委員会)」がやった「計画経済」だけが原因ではなくて、国民の「思想」を確認するための「監視」に対するコストに耐えられなくなったのである。

だから、その「反省」をもって、熱心に「画像・音声解析技術」で、安く国民を監視するシステム作りに熱心な国があるのだ。
来月からはじまる、世界最大の「サーカス」も、各国から参加する選手を「監視」することで、完成度の確認をするのが「開催目的」だと考えられる。

むかしは、「サーカスに売り飛ばされる」と言って、言う事を聞かない子供を脅かしたものだったけど、いまは、売り飛ばされたくてサーカスに「参加することに意義がある」ことになったのである。
それで、外交的ボイコットをするのを「アリバイ」として、自国民を差し出しても「個人の責任」ということにしたのを、だれも「ずる賢い」とは言わなくなった。

「おとり」に引っかけて、一網打尽にする、というずる賢い考えは、ヨーロッパ的な、あるいは白人の発想で、各個攻撃を旨とした日本的発想とは異なる。

これは一種の、大陸的発想と、狭い島国の少ない資源を確保する発想とのちがいである。
だから、「猟犬」すら、役割がちがって、それがいまだに「和犬」がペットになりにくい原因にもなっている。

「洋犬」は、主人の命令に忠実に獲物を追い込む遺伝子を保存したけど、「和犬」は、主人に獲物のトドメを楽に刺せるように仕向ける遺伝子を保存した。

そんなわけで、民主党ルーズベルトとチャーチルがやった、日本そのものの「追い込み猟」に、まんまとかかったのが日本人だった。
ならば、この「おとり猟」を、どうやったら回避できたのか?が、「反省」となるはずだけど、「絶対的平和主義」という「おとり猟」に、ふたたびまんまとかかったままなのが今の日本人なのだった。

なので、相手を追いつめてトドメを刺すように仕向けることは、やったことも考えたことないままで今に至っているのである。

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