青森のラーメンは出汁で

タクシーででかけた秋田の有名店のラーメンは、なんだかしょっぱかったことが印象に残った。
繁華街の日本蕎麦屋が提供する、「中華そば」が、オーソドックスな東京ラーメンを彷彿とさせたのとはちがったから、余計に記憶にのこった。
さては、青森のひとたちも、寒さを凌ぐためにラーメンが大好きなようである。
時間がないから、ぜんぜん制覇などできないけれど、なるほどこちらは「出汁」で喰わせる店が林立している。

魚の出汁だ。
けれども、関東の煮干しラーメンとちがうのは、その「濃厚さ」にある。
スープがドロリとしているのだ。
豚骨系とブレンドしているにちがいない。
それでも、出汁のうまみがどっさりやってくるから、病みつきになるのは理解できる。

ただし、やっぱりしょっぱいのである。
これを飲んだら喉が渇くとわかっていても、スープをすくう手が止まらない。
まわりを見渡すと、みごとに飲み干しているひとたちばかりだ。
でもやっぱり、途中でやめた。

麺は、「細麺専門」という店から「極太」まで、さまざまで、どちらもいける。
太麺でちょうどいいのは、しょっぱいからだろう。
でも、ラーメンとはおもえないモチモチの太麺だから、イタリアンの生パスタだといわれたら気づかないかもしれない。
すると、トマト味があってもいい。

韓国には、「カムジャ麺」という、じゃがいものデンプンを練り込んだ麺がある。
青森県は、じゃがいもの生産全国六位で、そのほとんどがメークインだ。
どこかに、青森産の「カムジャ麺」があるかもしれない。

米粉を練り込んで、モチモチ感をだす「うどん」なら、横浜の上大岡近くにある横浜刑務所の産品で人気の逸品だ。
ときに、欠品となることもある。
けれども、どうして「刑務所作業」として、「うどん」がでてきたのか?
ぜんぜん「いわれ」がわからない。

ある意味、刑務所は職業訓練所でもある。
そうかんがえると、むかしながらの「作業」による「訓練成果」が、はたして刑期満了後の生活再建の役に立つといえる自信があるのか?
歴代法務大臣にきいてみたい。
企業には社会的責任が問われるが、国家事業の社会的責任が問われていない不思議がある。

「懲役」だから、気にしなくてよい、ということではなかろう。
「矯正」とか「更生」と本気でいっているように感じないだけだ。

だからか、職業訓練に関しても、ぜんぜんイマイチなのは、企業に重心があったからだ。
たしかに、そうかんがえれば、企業の社会的責任が放棄されてきている問題がある。
この分野であっても、国家依存してはいけないのだ。

長い冬がおわれば、この地方の疲弊の原因である「ねぶた」の準備がはじまる。
もとは、「睡魔」からのがれるための風習が、「七夕祭り」と結合したものだ。

おおよそ、日本各地の「祭り」は、封建制のなかで支配者が被支配者の欲求不満をガス抜きする手段として利用してきたという側面もある。
年にいちどの祭りの意味は、あんがいと「したたかな政治」のことでもある。
昨今、話題になった青森のホテル駐車場における、祭り期間中の高額な料金設定は、ホテル利用客優先で、一般客排除の作戦だったものが、サービス業としてあるまじき「サービス設計」のミスを発端とする。
つまり、案内表記をまちがえたのである。

年のうち数日だけの「特別」が、ふだんの需要と供給を破壊して、一方的な需要をつくるから、結局のところ全部の需要に対処できない。
このときの「差」を、「逸失利益」というから、このようなイベントは、じっさいに「効率が悪い」のである。
それで、「赤字」化して、なんのため、だれのための祭りなのかがわからなくなる。
だから、ふだんの魅力をどうするのか?がたえず問われることになるから、民間が自由に活動できることがなによりも重要なのである。

毎日の「しごと」を必要とするのが、ラーメンのスープ作りだから、街おこしにラーメンがつかわれる合理的な理由がここにある。
それが「ふだんの魅力」になるので、うまいラーメン店がたくさんある街のひとはしあわせだ。

そんなわけで、次回に是非とおもうのは、十二湖のシジミをふんだんに使った「濃厚シジミ・ラーメン」だ。
市内の繁華街にある店は、なんと「夜だけ営業」だった。
昼にでも挑戦しようとおもったのがまちがいだった。

肝臓によろしいシジミは、免疫力をたかめるのに最適な食材のひとつである。
幸いなことに、科学のリテラシーがないひとたちが、とんちんかんな買いものに走って、感染症の役に立たないマスクや、意味不明のトイレットペーパーやティッシュペーパーを買いあさっているけども、シジミを買い付けるひとがいない。

シジミ・ラーメンは食さなかったが、しじみ汁は毎日いただいた。
これぞ、感染症を食事から予防する手段なのである。
青森で発症者がでないのは、肝臓にいい食生活で、免疫力があるからかもしれない。

シジミ・エキスがたっぷりの「濃厚」というシジミ・ラーメンの出汁とはどんなものなのか?
じつに気になるところである。

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