トランプ大統領の発言に追随して、マルコ・ルビオ国務長官が「ICCを解体する」といったのは、7月13日配信の「ウォールストリートジャーナル」での記事であった。
その翌日、同紙は、本件で同長官の寄稿記事を掲載している。
寄稿記事タイトルは、「米国がICC解体を目指す理由」である。
それから2ヵ月が経過した21日、この有言実行政権は、「ICCに対して広範な制裁準備」と、再びウォールストリートジャーナルが伝えている。
「広範な制裁」とは、どうやらベッセント財務長官がイランに対してやっている、「金融制裁=ドル取り引きの停止」なる、現代における国際金融機関にとっての死刑にあたる厳しい処分のことである。
つまり、アメリカ政府は、ICCの赤根智子所長やらを対象とした「個人金融制裁」を、ICCという組織に対して拡大する、といっているのである。
本件に関して、ジャーナリストの長谷川幸洋氏がYouTubeに解説をあげている。
さてそれで、22日の国連総会、それと、日米首脳会談でなにがあったのか?が注目された。
これを、及川幸久氏の「THE CORE」で詳しく解説している。
問題は、トランプ大統領の国連演説にあった、「わたしたちは、アメリカ兵やその他誰であれ、管轄権を持たない反米の法廷によって捜査されたり、みせしめ裁判にかけられたりすることを決して許さない」である。
そして、もっと踏み込んで、「ICCの加盟国すべてに、この無法な機関から直ちに正式に脱退する」ことを呼びかけた、ことである。
前段の主語と場面を、「東京裁判での日本」、後段を、「連合国組合=国連」とすると、トランプ大統領の論旨とは、「(真性)歴史修正主義」に基づく重大なものだと理解できる。
彼は、「戦後」を否定しはじめたばかりか、アメリカ合衆国大統領としてなんと、「日米戦争」も見直しをはじめたのである。
ようは、大恐慌の経済政策に「失敗した」との一般的評価がある、共和党フーバー政権を一期で倒し、社会主義の「ニューディール政策」を推進し超長期政権化したた民主党フランクリン・ルーズヴェルト政権(実質20年続いた)以降からはじまる「あからさまなグローバル全体主義」の象徴例として、ICCをあげているにすぎず、その本意は壮大なのだ。
しかして、トランプ大統領の真骨頂は、「ディール」だから、真の「ニューディール政策」とは、トランプ政権のものだ、という信念があるのだろう。
そして、国連演説で高市首相は、真反対の「ICC支持」を表明したから、世界は驚愕したのである。
「アメリカのポチ」のはずの日本が、とうとう飼い主の手を噛んだ、からである。
しかし、このことは、グローバル全体主義のアメリカと戦った理由を忘れ、敗戦からの保護領としての奴隷根性でとうとう脳髄の全部を冒されたと世界にみせたも同然なので、トランプ大統領からしたら、「狂女」ようにみえただろう。
だから、その後の日米首脳会談では、歴史にのこる「いけず」が炸裂し、トランプ大統領は高市を「わたしのボス」だと持ち上げおだてることで、からかう、しかなくなった。
まともに「ディール」の相手にする対象ではなくなった、ということの表明である。
おそるべき日本外交の歴史的失敗。
すなわち、第二次日米決戦がころから静かにはじまることを意味する。
その方法とは、イランに仕掛けるようにみせて、じつはヨーロッパ金融貴族潰しをやっているトランプ政権2.0の得意手法たる「金融制裁」であろう。
もっとも、ヨーロッパ金融貴族の支配下に日本政府がずっぽり浸かっていることも、今回確認できたろう。
つまり、トランプ大統領の国連演説とは、「踏み絵」なのである。
しかして発狂した日本政府=外務省が主張する「法の支配」なる論理の原点には、ゾロアスター教からはじまる「(何事も)白と黒に分ける二元論」がある。
これを、「曖昧さ」を特徴とする日本文化を放棄して、完全なる欧米かぶれ、に堕ちたエリートたちの「エセ法治主義」とは、東大における教育の成果なのである。
「法治」とななにか?
トランプ政権2.0のスタッフからしたら、日本人のなかにある「法治」とは分厚さがちがうことにも気づかない青臭い書生論に呆れていることだろう。
こんな狂女を「保守」という日本人エリート言論人たちのトンチンカンは、もはや強度の精神障害にひとしい。
「日本制裁の実務」はベッセント財務長官の手腕によることが決定されたにちがいない。
ワシントンの日本大使(前職は外務事務次官)も、東京の本省も、そして官邸のスタッフたちも、そんな本質的失敗を自ら誤魔化して、トランプ大統領の「優しい対応」に胸をなで下ろしているのかとおもうと、悪寒がする。
困ったことに、日本国民は「国民の敵」たる日本政府を制裁してくれるトランプ政権2.0に依存しないといけない、他力本願状態になったのである。

