いまのアメリカと日本は別の方向をみている。
だが、むかしからこの両国はこんなものだった。
アメリカは自国の国債利回りが高まって、暴落の危機にあるのをどうにか抑えたい。
日本は、円がこれ以上安くなるのをどうにかしたい。
円安で日本の「輸出企業」(観光業を含む)は笑いが止まらないだろうが、内部に巣くう経営問題の解決が優先順位から落ちてしまう。
アメリカの国債は、ずっと前から発行しすぎたことのツケがとうとうまわって、ドルの価値がさがる「インフレ」との闘いになった。
日本の円は、ずっと1ドル=100円程度の円高だったのに、それが160円近辺での攻防になっている。
ほんとうなら、インフレのドルに対して、円が高くなっておかしくないのに、そうはならないのはなぜか?
むろん、石油を含めた輸入品物価の上昇、という「悪いインフレ=コストプッシュ型」が、国民生活を圧迫しているのではあるが。
単純化すれば、政府が国民に勧める「NISA」が原因ではないか?
国民が投資したカネが、証券会社を通じてアメリカで運用されれば、それは「円安」になる当然がある。
「高利回り」を追及したら、外国投資の方がぜんぜん有利だからである。
これをいえない日銀は、「日米の金利差解消」という名目を理由に、あるいは、ベッセント財務長官の命ずるままに、金利を上げた、ので、これからわが国はその引き締め策により景気は悪化する。
ようは、住宅ローン返済負担が深刻化=ローン地獄がやってくるのが「痛い」のである。
しかして、肝心のアメリカFRBが、トランプ政権2.0の肝いり(利上げしない)で就任した新議長だったのに、先に「利上げ」してしまったので、日銀が利上げしても「日米の金利差」は変わらないこととなったのである。
つまり、当初とは話しがちがう、日米の金利差拡大を防止するための日銀の利上げ、である。
ときに、高市政権がはじめて自政権が打ち出した「骨太の方針」を受けての「来年度予算編成」に入った。
今年度予算は、石破前政権の「予算編成」を高市政権が国会を通過させたものである。
それが、蓋を開ければ、石破時代と大差ないのである。
つまり、額だけ増えたが実態は「緊縮予算」である。
要するに、わが国政府は肥大化をやめず、どんどん社会主義の国家管理に向かっているのである。
ために、円は価値を失う方向(円安)で変わらないどころか、加速度的に減価するよう、政府が仕向けている。
これを、日銀だけに責任転嫁するのは、方策がアベノミクスとは真逆だが構造はまったくおなじなのである。
金融政策には限界がある、これこそが失われた30年以上の悪政から学んだことではなかったか?
そんなわけで、17日のニューヨーク市場では、原油価格の下落と、とっくに折こんでいた金利上昇の「一服」で、ダウは反発という状況になっているのである。
かんたんにいえば、市場は読んでいる。
そんなこんなで、ツケは国民が払わされるのだが、その損失に気づかれないような「誤魔化しの経済政策」を日本政府は推進する。
それが、社会主義・共産主義=全体主義というものなのである。

