岸田政権は、過去の政権とはちがって、公約を徹底的に遵守している稀有な政権である。
この根本が、国益に照らしてみたらまちがっているので、支持率が史上最低レベルになっているのに、些末なことばかりを支持率低下の理由にしているから、「ビジネス保守」と揶揄されるのである。
もちろん、プロパガンダ機関のマスコミは、そんな岸田政権が崩壊して、とりあえず「まもなく総辞職する」とかという期待を高めてるように仕向けているけど、アメリカ民主党のロボットと化した与党には、ガス抜きになるだけのガセネタだろう。
ただし、一方で、岸田氏の後任候補に、そのアメリカ民主党とイコールでそのものだといえる高市氏を推す雰囲気をつくって、また国民を騙そうと画策している。
国民にはまったく人気がないのに、河野太郎氏とかも「候補」になるのは、世界経済フォーラムが推しているからである。
河野氏は、日本人には珍しい、「将来のリーダー」に選出されていた。
つまり、高市・河野という候補の構図には、どこにも「国益」という概念が存在しない。
高市氏がよくいう、「国益」とは、一見もっともそうだけどダブルスタンダードによる用法で、「(私は、)国益を無視する」という意味であるから、注意がいる。
これまでの用語なら、「国益」とは、国民多数の利益、という意味だったけど、いまの国益は、国民を支配する者たちの利益という意味に定義変更されている。
定義変更したのは、90年代のアメリカ民主党であると前に書いた。
それが、グランドストラテジー(国是)の変更に伴う、日本の立ち位置の変更になったのである。
敗戦後、属国(じつはアメリカ民主党の「植民地」)となったわが国だから、本国のグランドストラテジーの変更は、そのままわが国の国是の変更を伴うのである。
ここに、日本政府・日本人の自由意思はない。
よって、曲がりなりにも、日本政府は民主主義によって日本国民の意志による、日本国民のための政府だという装いがあったけど、国是の変更を強いられて、とうとうむき出しのあからさまで、国民支配を全面に出すことにしたのである。
そうやって、これまで隠れていた、アメリカ大使が、本当の「日本総督」なのだと一般国民にもしれるようになったのは、LGBT法案での彼の大使の言動であからさまになったからである。
「日本総督」とは、マスコミは表現しないが、「あたかもよいひと」という表現をするように心がけているのは、対マッカーサーとまったく同様のパターンなのである。
いまのアメリカ大使は、べったりとオバマの側近である。
オバマの大統領主席補佐官だったのに、なぜかオバマの地元イリノイ州・シカゴ市長になったのが、見た目にも変なのだ。
しかしいま、「オバマ出生の秘密」が暴かれだして、あのひとはいったい何者なのか?がわからない、とんでもないことになっている。
シカゴでも、公的記録のなにかを隠す工作をやっていたのではないか?というのは、もはや陰謀論ではなくなっている。
そんなわけで、ロンドン・シティで、「日本への投資」を促したのを皮切りに、岸田政権は、「日本国の大売り出し」をやっている。
そのための「円安誘導」なのである。
目標は、もしや往年の「360円」なのではないか?
ただし、戦後、円の価値をどうしようか?としたときに、円周が360度だからこれだ!として、対ドルの通貨価値を360円で固定された、あほらしいエピソードがある。
われわれはそんな理由で1ドル=360円で生活させられたのであった。
しかし、日本人にはありがたいことに「冷戦」と、「朝鮮動乱」が起きて、アメリカは一国だけでのアジア支配に、日本の経済力をつかって利用しようと目論んだ。
それがまた、当時のアメリカ民主党(戦争屋たち)が定めた、グランドストラテジーだったのである。
ゆえに、高度経済成長は、アメリカ民主党の意向でやらせてもらえたのであった。
さて、かくなるわたしは、そんなアメリカの投資銀行で、事業再生を担当していた。
このビジネスモデルは、破綻した経営を立て直して、あたらしいスポンサーに高く売る、というものである。
そろそろ高く売ろうとして、高く売れたときを、あわせて「刈り取り時期」と呼んでいた。
つまり、肥らせてから売るのである。
それが、80年代からはじまるバブルとそれ以降の40年である。
なお、総量規制でバブルを葬ったのは、宏池会の宮澤喜一政権だった。
そんなわけで、宏池会の久々の政権となった岸田政権は、しっかりと、「日本売り」の公約を果たすために全力の努力を重ねている。
だれでもならう、近代経済システムの要が、銀行である。
なので、むかしの財閥は、核に銀行を置いていた。
銀行が、財閥内の各実業会社の資金調達と資金繰りを担当し、各事業会社からしたら、ATMのような存在でもあった。
しかし、財閥の総統は、この銀行を支配していたのである。
それをまた、日本銀行が支配することで、日銀を支配する日本政府は、日本経済を支配した。
ゆえに、政治による経済のコントロールができたともいえる。
これを、外国企業に委ねるのが、与党が決めたことで、たんに内閣が決めた、とはいえない。
内閣は、旗を振っただけである。
そんなこんなで、日本経済の将来が、また暗くなったのである。