アメリカ共和党のなかでも、有名かつ有力な議員は複数いるけど、テッド・クルーズ上院議員(テキサス州)は、「最強」ともいわれている論客である。
わが国でもしられるようになったのは、大統領候補がトランプ氏に決まった党内予備選挙で最後まで争って、惜敗したことからである。
今回トランプ氏が二期目をやれば、24年の大統領候補の筆頭でもあった。
民主主義を標榜するなら、その根幹を支えるのが「選挙」だということは、子どもだって理解できる。
選挙の公正さの確保は、絶対、でインチキは許されないということも、しっている。
今回のアメリカ大統領選挙では、その「絶対」が崩壊したのを全世界が目の当たりにした、まさに、信じられない光景が展開した。
それで、選挙についてかんがえる、というひとたちがたくさん生まれたのである。
先日、トランプ大統領の弾劾が予定されている上院で、この弾劾裁判の違憲(退任したひとを弾劾するのは違憲か)を問う決議が提案された。
いまや、同数となった民主・共和の議席数だから、副大統領が議長となるので、民主党が有利になっている。
結局、55対45で、この議案は否決された。
すなわち、共和党議員が5人、裏切ったことだけがはっきりした。
しかし、弾劾判決には、2/3以上の賛成がないといけないので、バイデン氏も発言したように、この弾劾は成立しそうもない。
けれども、常識でかんがえれば、「解職」を目的にする弾劾が、離職したひとに適用できる、とすることの無理がある。
だから、今回、アメリカ議会は、この無理を通した、ということだけで、「憲政史上」の汚点をつくった。
つまりは、国民に見せるための、「あぶり出し議決」である。
そこで、クルーズ議員の提案が飛び出した。
「議員の当選回数を制限する法案」である。
すなわち、バイデン氏が47年間も上院議員であったように、当選回数を重ねて、それが利権を拡大させることの弊害を取り除く、という主旨だ。
わかりやすい事例だから、バイデン家が俎上にあがる。
じつは、バイデン家は「ふつうの家」だったのだけれども、議員生活の長さとともに、富が増大してきた「歴史」がある。
いまでは、兆円単位の富豪となった。
トランプ氏はビジネスを通じて富豪になったから、後ろ指を指される筋合いはないけれど、バイデン氏はずっと上院議員「だけ」だったのに、どうして富豪になれたのか?
しぜんと、「職権濫用」という言葉がうかぶ。
自身も議員であるのだから、身を切る提案だ。
連続だろうが、飛び飛びだろうが、議員となる回数を制限するという案は、大胆である。
だから、おそらく可決されない。
よって、この議案も「あぶり出し」である。
可決されないのがわかっていて提案するのは、議会をもてあそぶいけないこと、という意見もある。
しかし、違憲を合憲とする「パワー・ゲーム」が平然とおこなわれる議会となったからには、国民に知らせるシグナルがひつようとなったのだ。
それは、「ワシントンの沼」を、ハッキリと暴き出したトランプ氏の功績でもある。
もはや白日の下にさらされた、「ディープ・ステート」を、「陰謀論で切り捨てる」こともできなくなった。
とはいえ、ひとつ、トランプ氏の「失政」をあげれば、それは、「コロナの政治利用」に尽きる。
衛生分野の大統領顧問ひとりに、歴代の大統領が多大な権限を与え続けた結果でもあるし、側近たちが大統領への情報操作をしていたという指摘もされていた。
発生から1年が経って、ヨーロッパやアメリカで、冷静な専門家たちが「異見」を表明しだしたのだ。
すなわち、「やっぱり風邪である」と。
そこで導かれる言葉が、「ワクチン利権」となってきた。
つまり、問題の根本にある、「特別な病気」という概念自体が、怪しいという指摘であって、トランプ大統領がもっとこれらの「異見」を政策に尊重すべきであったという指摘がでてきたのである。
それに、遺体にまでPCR検査をして、陽性ならこの病気を「死因」にしないといけない、という「WHO通達」に、アメリカの開業医たちが「良心の呵責」にさいなまれている実態も明らかになってきた。
「もうこれ以上、水増し報告はしたくない」。
わが国に視線を戻せば、とてもじゃないがアメリカを笑うことなんてできない体たらくである。
安倍氏は現職末期、この病気の法的基準を「緩める」方向での検討をすると明言していた。
すなわち、感染症ランクでいう「2類」(結核、SARS、MERS、鳥インフルエンザなど)から、「5類」(従来のインフルエンザ、ウィルス性肝炎、風疹など)への変更のことである。
ところが、いま、政府部内(主に厚労省結核感染症課)では、あろうことか、「格上げ」を検討しているという。
一類は、ペスト、エボラ出血熱など、劇症の病気である。
その理由が、「5類にすれば、権限がなくなって何もできなくなります。」との報道がある。
「権限が欲しい」という政府の本音を、国民はどうかんがえるのか?
これを、「あぶり出し」に利用する、議員がひとりもいないことがあぶり出されている。