BRICsのブラジル暴動

ブラジルの大統領選挙で、元職の左派ルラ氏が勝利した、という報道ばかりという状態になっているけど、現職のボルソナーロ支持者たちによる「暴動」が拡大していることはぜんぜん報じられていない。

まったく、テレビと新聞を観る意味が失せている。

ルラ氏勝利といっても、票差はわずか「8000票」だった。
両者とも8千万票をとっての「差」だから、1万分の1の話なのである。
だから、大接戦だった、というわけにもいかないのは、2020年のアメリカ大統領選挙における「やり方」が「うわさ」されているからである。

残念なことに、ボルソナーロ氏もこのことに触れる演説(「証拠がある」とだけいった)をして、ルラ氏の勝利宣言に冷水をかけている。

もしも、ほんとうに2020年のアメリカ大統領選挙における「やり方」とおなじ手口が使われたとしたら、それは、ボルソナーロ政権の「ミス」にならないか?
あるいは、アメリカ民主党政権の「工作」があったかもしれない。

どちらにせよ、それが人為的なら、対策を怠ったか、対策に失敗したことになる。

もちろん、わたし個人としては、左派政権に戻ることには大いなる疑問があるけれど、ブラジルの事情に詳しくないので評価はできない。
しかし、問題なのは、いま発生している「暴動」の実態が、ぜんぜん見えてこないことにある。

市民が投降しているSNSによると、もはや「抗議活動」の域を超えて、「暴動」といえる状態だが、現政権はこれを支持する立場なので、「拡大」することになっている。

しかも、空港道路封鎖の現場にやってきた「警察」も、封鎖解除を命じるのではなくて、「封鎖支持」をやっているし、陸軍部隊に対する抗議者たちの「声」で、もしや「軍が動く」かもしれないとまで「うわさ」されて、現政権支持派の気勢が上がっているのである。

もしも軍が現政権支持に動いてしまったら、体制側のクーデターになる。
しかして、その「軍」も、はたして一枚岩なのかどうかもわからない。
もしも、「割れる」ことになったら、いきなり「内戦勃発」になりかねない。

BRICsについては、単なる「呼び方」から、機構になったと前いに書いた。
念のために、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの5ヶ国を、「新興国」として最初は呼んでいたものだった。

「s」が小文字なのは、南アフリカが他の4ヵ国よりも経済規模が「小さい」ことを表現している。

けれども、悪乗りかどうかはしらないが、これら5ヵ国が「機構」になってしまった。
それで、「あやかりたい」他国が、「加盟申請」しているのである。

かつての「超大国」だった、ロシアは、ずいぶんと経済規模を縮小させてきたけれど、世界最大級の資源国であることが、いまだにプレゼンスの高い地位を保持している。

しかし、ソ連時代には、大資源国というイメージはなかった。
これはどういうことかをいえば、西側の資源採掘技術が入って、眠っていた資源が採れるようになったからである。

なのに、「ロシア制裁」に、これら技術提供の中止やら禁止がなくて、掘り出した資源価格「だけ」を制御しようという「姑息」なことをやっている。
わかっていて「わざと」だとわかるのである。

インドと中国が、西側の禁輸を横目にロシア産資源を大量購入して、これを「転売ヤー」してアメリカに売っていることがばれている。
民主党のカリフォルニア州と、ニューヨーク州が主な顧客であった。

それでもって、右派のボルソナーロ政権は、ことごとくトランプ政権と親和性があって、バイデン民主党政権になってからは、きわめて的確な批判をしていたから、「目の敵」になったことは否めない。

のこり僅かな中間選挙投票日に、外国のサプライズをあてるというのは、なんだか民主党的な「インチキ」の匂いがする。
すると、ボルソナーロ氏は、正式に「共和党MAGA派=トランプ派」と提携すべきだったのではないか?

ブラジルがコケると、メキシコだってどうなるか?
こうした「やり方」が、中間選挙へどんな「サプライズ」になるのか?

しかし、現地事情がわからなすぎる。
ただし、返り咲いたルラ氏は、マネロンと汚職の容疑で逮捕され、実刑を受けていた、ヤバイ人物なのだ。

それでも、おそらく、正規に当選したひとへの恣意的な弾圧が、右派から行われている、という内容に統一されてわれわれの耳目にさらすのだろう。
このことだけが、わかっていることなのである。

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